2017年1月18日水曜日

動悸、息切れ、むくみの症状(肺動脈性高血圧症【病院診断】)の改善

動悸、息切れ、むくみの症状(肺動脈性高血圧症【病院診断】)の改善

経過

当院来院の7ヶ月前に動悸、息切れ、むくみの症状で病院を受診。エコー検査、レントゲン、CT、心電図、心臓カテーテルなどの検査を受けて、肺動脈性高血圧症、貧血の診断を受ける。また、検査入院を4泊ほどしてから咳が出だしたとのこと。一年ほど前にも心肥大の診断を受けているとのこと。だんだんと歩行も困難になっており、連続の動作で症状が悪化し、動かなければ症状が軽減するらしい。病院以外にホメオパシーやサイマティックスセラピーも受けているとのこと。このような症状は初めてで、かなり疲弊していると深刻に話されていた。

肺動脈生高血圧症とは、国で難病指定されている病気である。西洋医学では原因が不明とされている。初回の来院時には、とても息苦しそうで、咳の症状に加えて、胸部周辺に様々な陽性反応が示されていた。病院では肺動脈性高血圧症を改善させるための薬が処方されていたがむくみが強く、薬の効果があるのかどうか不安になっていた。しかし、病院で処方された薬を勝手に止めることもできずに悩まれていた。

5回ほど当院に通院されたのち、思い切って薬の中止を医師に相談、副作用のある薬を中止された。その後、6回目から10回目までどんどんと回復され、PCRTでの陽性反応も最初に比べて随分と少なくなった。10回目の施術ではかなり回復されているにもかかわらず、病院の検査で難病と診断されたが故に治らない「意味記憶」が陽性反応として示されたので、意味づけを書き換える施術を行った。

最初の疲弊された様子から比べると随分と回復された様子。「今後は病気を治すという意識よりも、健康を作るという意識で、以前行なっていたヨガやウォーキングなども始めて、無理のない体力作りのゴールを決めてはどうですか?」と提案させていただいた。


考察

今回の場合、肺動脈性高血圧症の症状が機能の改善、心身相関の調整を基本にした施術法で改善されるということは、「器質的な問題」というよりも「機能的な問題」であったといえるだろう。そして、その「機能的な問題」が単に肉体内だけの問題ではなく、無意識の誤作動にも及んでいたということである。当院では他にも難病指定された改善例があるが、病院での診断は、患者に強烈に意味付けされるようだ。

「難病=治らない」というような自然治癒力を制限する自己暗示は、健康にかなり影響を及ぼすと感じる。病気の種類にもよるが、今回のようなケースでは、普通の人のような活動的な動きは一生できないかのような思い込みができていた。「ほんとうにそうなのだろうか?」という疑いの余地もないほど、意識的にも無意識的にも信じ込んでいる。

自分自身が「治る」という確信が持てなければ、なかなか自然治癒力は発揮されない。病院で治らないかのように意味づけされた患者さんには、「病院では心(無意識)と身体の関係性による「誤作動記憶」を調整する治療はしていないからこそ治る可能性があるのですよ・・・」と伝えることが多い。

私たちは専門医とは異なる目で患者を診ているので、治りにくい患者が治るのだと私は思う。


2017年1月17日火曜日

痙性斜頸(頸部ジストニア)の改善 (無意識の理解)

痙性斜頸(頸部ジストニア)の改善


経過

2ヶ月ほど前から意識とは裏腹に、自然に首が片方に傾くようになった。同時に肩こりの症状が出始めた。仕事中にパソコンを使用している時、家事をしている時、バレーボールをしている時、人と会話をしている時など、常に首が傾く症状があり、特に緊張している時は悪化し、一人でぼっーとしている時には軽減するとのこと。


病院では痙性斜頸(頸部ジストニア)と診断され、最初の病院では投薬治療、次の病院でボトックス注射を一度だけ受けた。それ以外にも整骨院でマッサージや鍼灸治療を受けている。病院でのボトックス注射で少しよくなっているように感じているとのことだが、何度もボトックス注射を受けるのは不安もあり、当院を受診。

初回の身体への生体反応検査では、頸部や上部胸椎周辺、両肩周辺の筋緊張反応や関節部に陽性反応が示された。さらに無意識の「誤作動記憶」への生体反応検査では、職場でのパソコン業務の場面、バレーボールの練習の場面に陽性反応が示され、「探究心」に関係する信念も関係していた。

2回目の施術では、大勢の人前にいる場面、人と会話する場面で陽性反応が示され、その背後に「慈悲心」や「警戒心」などの信念が関係していた。3回目、4回目と消去法のようにだんだんと症状が発現する場面が少なくなってきた様子。

5回目では、以前示されていた人に対する陽性反応は改善されていた。狭い空間や集まりで気を使って会話している時に症状が生じているとのことで、その場面に関係する「誤作動記憶」の施術を行った。「執着心」や「利己心」の背後にある「存在感」という価値観を大切にされているということが自分自身でも理解できたようで、自分が無意識に行っていた「意味づけ」を客観的に把握できた様子だった。

6回目では、前に示されていた複数の陽性反応も改善され、以前の会話の際のジストニア症状も改善されたとのこと。ある特定の人だけ症状が発現したというので、その場面で施術を進めた。前回とは少し意味合いが異なるが、「利己心」の背後にある「重要感」という価値観が一連の検査で浮かび上がった。他の人に対してはこれまでの施術で陽性反応が示されなくなっており、その特定の人だけに反応が示されるので、「その人だけに身体(無意識)が反応するということを自分なりに理解できますか?」と質問しところ、自分なりにその反応の意味が納得できた様子で、施術後にはその陽性反応はすぐに陰性反応に切り替わった。

考察


最初に来院された際、症状が発現する場面が多くて、常に斜頸が生じているような感じだったが、施術の回数を重ねるごとに、消去法のように陽性反応が消され、それに伴って症状も改善された様子だった。

ジストニアの症状の本質は、意識と無意識の「不一致」にあるので、「無意識」の領域を無視して、身体だけの治療や調整で良くなるというのは甚だ疑問である。ジストニアに限らず、意識と無意識の「不一致」で様々な症状が引き起こされるが、改善するために大切なのは、患者自身が普段意識していない「無意識」をできるだけ理解できるように、施術を通じて改善のお手伝いをすること。

医学の世界では、原因不明で難しい症状の一種であるかのように捉えられがちだが、意識と無意識が一致できるようにサポートすれば、段階的に改善される症状である。6回の施術を終えて、完全に良くなっているという訳ではないが、患者さん自身も施術を重ねるごとに段階的に良くなっていることを実感されている。

本症例では様々な「誤作動記憶」が関係していた。その「誤作動」の背後には「存在感」や「重要感」という普段意識していない価値観に関係する無意識的な意味づけが大きく関係していたようだ。PCRTの一連の施術を通して、無意識の心の構造を客観的にマッピングすることで、患者自身が自分の無意識を素直に理解し、そのことで、新たな神経回路の構築に変化が自然に促されたのだろう。つまり、自分自身(無意識)を深く理解することで、新たな思考の選択肢が自然に増えた結果だといえよう。


2016年12月10日土曜日

症例報告:首から左腕にかけての疼痛(頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症状?)

症例報告

主訴:
首から左腕にかけての疼痛

病院診断:
頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症状

患者情報:
年齢54歳、男性、会社員(事務職)

施術前の経過:
9ヶ月前に頭を強打して、3日後に首や腕の痛みが生じたとので、整形外科を受診。むち打ち症のようになったのかもしれないとのことで、1ヶ月ほど通院。吐き気も催したりしたが吐き気はすぐに改善。その6ヶ月後ぐらいに、同じような頚部痛と左腕の疼痛を再発する。
レントゲン検査とMRI検査の結果、頚椎5番と6番の間の椎間板ヘルニアで神経を圧迫しているという診断を受ける。ヘルニアによる神経根症状であるとのことで、頚椎の牽引と電気治療、ホットパックの施術を二週間ほど毎日受けているとのこと。常に痛みはあるが、特に夜寝るときに痛みが強くなり、夜中に痛みで目が覚めて寝れないという。
また、痛みのため仕事にも集中できない状態とのこと。首から腕にかけての痛みを一番改善したいが、以前からかかえている慢性腰痛と左右のアキレス腱痛とその周辺の腫れも改善したいとの要望。

施術経過:
初診時からアクティベータ療法とPCRTを併用。施術3回目で両方のアキレス腱痛関連の神経学的機能障害の陽性反応は消失。それに伴ってアキレス腱痛も改善される。施術の経過ではPCRTにて仕事や家族関係に関連する「信念」の誤作動記憶を主に調整。その他、飛行機、高速バス、車の運転の際の痛みなどの症状を引き起こす「意味記憶」を調整。

結果:
初回来院から20日の間に10回の通院治療でほぼ症状が改善される。先日、不安を抱えつつもゴルフを行なったが調子が良かったとの報告を受けた。また、慢性腰痛と左右のアキレス腱炎の症状も通院治療前半の施術で、ほぼ改善しておりその後も良好である。

考察:
一般的に椎間板ヘルニアによる神経根症状は、痛みが強く治りにくいとされる。そのような症状が10回ほどの治療でなぜ改善されたのだろうか?その理由を紐解いてみよう。
  • 一つ目は、患者と施術者との信頼関係である。患者にはいとこに柔道整復師の先生がおり、その先生からの間接的な紹介ではあったが、信頼のある人(いとこ)からの紹介であったことが一つの要因となる。
  • 二つ目は、1回目の治療直後にある程度の治療効果を体験されたこと。最初から毎回、アクティベータ療法とPCRTを併用しており、治療の目的やコンセプトをある程度理解していただけたように感じた。
  • 三つ目は、PCRTの検査で示されたキーワードに対する質問に対してスムーズに認識されている様子が伺えたこと。
  • 四つ目は、PCRTの検査でも示されていた、精神的に重荷になっていた出張を無事終える事ができたこと。

これらの要因がうまく重なって、本来の自然治癒力が最大限に発揮されて改善されたのだろう。腕の痛みは椎間板ヘルニアによるものだといわれると、多くの人は首を動かさないように、あるいは重いものを持たないようにという機械論的な思考が先行して、治療効果にブレーキをかけてしまいがちになる。
しかしながら、本患者は柔軟に治療者の説明を理解していただけたようだ。毎度のことではあるが、治療者が信頼して使っている治療法を、いかに患者目線で自分がわかりやすく説明し、それに対してどれだけ患者が信頼を寄せてくれるかが改善の鍵となるということを改めて感じさせてくれた症例である。


2016年12月5日月曜日

人生の健康習慣

人生の健康習慣といえば、「寿命」のことや「健康」のことが頭に浮かぶかもしれません。最近の書籍『ライフシフト 100年時代の人生戦略』では、過去200年間のデータを振り返ると、人間の寿命が10年に2~3年のペースで伸びている事が示されています。1914年生まれの人が100歳まで生きる確率は1%だったそうです。しかし、2007年生まれになると、その半数が104歳まで生きるそうです。そして、2050年の日本は、100歳以上の人口が100万人を超えているというから驚きです。著者のリンダ・グラットン教授曰く、もし自分が100歳近くまで生きるとしたら、人生設計もそれにあわせて変えるべきではないかと主張しいます。

寿命だけが伸びても実際の「生活の質」が低いと、人生全体は不健康になります。人生の健康を保つためには「生活の質」は高めていかなくてなりません。健康を維持する上で、ご自分の「習慣」を振り返ることはとても大切な事です。「習慣」といえば、まずは「食習慣」や「運動習慣」などをよく耳にするのではないでしょうか?これらの表在的な習慣の背後には「思考習慣」があります。人によっては「前向きの思考習慣」の人もいれば、「後ろ向きの思考習慣」の人もいます。別の言い方をすると、「内向きの思考習慣」と「外向きの思考習慣」という言い方もできます。さて、あなたはどちらの傾向があるでしょうか?

健康面でいうと、どちらの思考習慣の方が、精神的にも肉体的にも健康的に過ごせるでしょうか?このことに関係する興味深い研究があります。ハーバード大学教授のエレン・レンガーは、ある介護施設で実験を行いました。入居者全員に鉢植え植物を配り、半数にはみずからその世話をしてもらい、別の半数には植物の世話は施設の職員がしました。ちょっとした仕事もさせてもらえなかった人は、植物の世話をした人にくらべて健康、幸福感、活力が大幅に減少したという結果が出ました。

さらに悲しいことに、その間の死亡率を比べると、植物の世話をした人たちの死亡率は15%だったのに対し、世話をしなかった人たちの場合は30%だったという事です。そして教育、仕事、人間関係、ダイエットなど多くの分野でも、同様な結果がでているということです。この研究結果から何が読み取れるでしょうか?

外向きに何かのお世話をしよう、あるいは何かの役に立とうと、「前向き思考」の人は心も体も健康的な方向へ進みますが、内向きに誰かからの世話を待つ人、あるいは、何かの役に立ちたいという気力のない人は、心も体も不健康な方向へと進む傾向があるということです。私も長い臨床経験の中で、家族でも、会社でも、地域でも何かの役に立とうと外向きの人は、高齢になっても健康的な人生を送っていると感じます。

世間一般では高齢化社会が深刻な問題になっていますが、高齢になったら人の手助けを受けるのが当たり前にならないように、いくつになっても外向きに何かの役に立とうという姿勢は、自分自身の健康を守る上でとても大切な思考習慣だと言えそうです。何かの世話をする、あるいは役に立つということは、一見、アウトプット(出すこと)ばかりで、損をしているかのように思われがちですが、誰かの手助けを受けるインプット(入れること)ばかりしていると、得をしているかのようで、長い目で見ると心身のバランスが悪くなり、心も体も不健康になるということのようです。

多くの人は、ご自分の人生を振り返り、若い頃は一生懸命働いてきたので、老後はゆっくりとして、誰かの世話になろうと思いがちです。しかし、今回ご紹介させていただいた研究からも伺えるように、老後の無力感は、その人の健康や幸福感、さらには命にまで影響しかねないといえそうです。人は歳を重ねると何かとインプット(世話になること)に頼る傾向にありますが、「人生の健康」を保つためにもアウトプット(世話をすること)を優先させる心がけは大切だといえます。


さて、あなたはインプット優先の人生を選びますが、それともアウトプット優先の人生を選びますか?

2016年11月17日木曜日

「頑張る」と「努力する」の違いを知って、パフォーマンスを向上させる!

私たちは、日頃から誰かに「頑張ってね」と声をかけたり、「努力しなければ」と自分に言い聞かせたりして、日常的に使います。似たような言葉ですが、大きな違いがあるあります。一般的に試合前には「頑張って〜」と応援しますが、「努力して〜」とは言いません。

「頑張る」ことや「努力すること」は美徳かのように言われがちですが、スポーツや武道の試合結果を振り返り、頑張りすぎて本来の力が発揮できなかったというアスリートの話はよくあります。しかし、努力しすぎて本来の力が発揮できなかったという話はほとんど耳にしません。「頑張る」と「努力する」は、どのような違いがあるのでしょうか?

例えばスポーツに例えると、努力して結果を出すということは、長期的にコツコツとトレーニングを繰り返し行うことで自然に結果が伴うということです。1日努力したからといってすぐに結果が出るわけではありません。トレーニングをコツコツと長期的に積み重ねることで、無意識的に脳に学習され、それに伴って身体能力が上がってくるわけです。

その一方で、頑張って結果を出すということは、短期的に、今の自分の力を発揮するということです。意識的に脳を活動させようとするわけです。つまり、頭で考えて身体を動かそうとします。「火事場の馬鹿力」という諺がありますが、その場合は、単に意識的に頑張るという以上に無意識的な筋肉の働きが作動して、普段の頑張り以上の力が発揮できるようです。

先日、バドミントンの選手が準決勝で敗れた原因を分析すると、頭(意識)で戦略を考えすぎて、本来の力が発揮できなかった可能性があるということがわかりました。アスリートが「ピークパフォーマンス」、あるいは「ゾーン」といった精神状態でプレーしている試合を振り返った場合、そのようなアスリート達は頭(意識)で考えてプレーしているでしょうか?いいえ、多くの選手は無我夢中でプレーしているのではないでしょうか?

最高のパフォーマンスを発揮したプレーヤーは、試合に集中して、自分自身に対してああしろ、こうしろなどと意識的に指示を出したり、どうしたら相手に勝てるかなどと頭で考えてプレーしていないでしょう。恐らく今まで努力してきた練習や試合の経験が脳に蓄積され、プログラム化された通りに「無意識」が身体を自然に動かしてくれるといった感じではないでしょうか。

無意識だからといって何も考えていないわけではないでしょう。「雑念がない」という言葉の方が適切かもしれません。いつもの練習通りに、あるいはそれ以上に相手への意識が高まっているかもしれないし、シャトルやコートに意識が集中しているかもしれません。どこへ動き、どこへ打つかは、今まで培った練習の成果や経験で脳にプログラム化されているはずです。脳に蓄積されたプログラムを信じて、あとはそれに委ねるだけです。

試合でベストなパフォーマンスを発揮するためには、頭(意識)で「頑張る」というよりも、今まで培った努力の成果を無意識に発揮させるということになるでしょう。試合の戦略、戦術も練習で努力して脳にできる限りプログラム化し、本番ではそれを無意識的に使うということになるでしょう。何をするという意識的な命令ではなく、それはあたかも「自然」に動いているという感じで最高のパフォーマンスに達するのだと思います。

試合中では、瞬間瞬間に様々な動きが要求されます。肉体のどこどこの部分にどのように動けと意識して考える余地は残されていません。いわんや、戦略を考える余地などないはずです。自分の努力の成果によって無意識に発揮できる自分自身を信頼して、無我の境地でプレーするのがベストなのです。