2014年8月29日金曜日

病理的所見のない小脳性運動失調の前腕回内回外反復運動試験陽性反応の改善

【初回所見】
73歳女性が数か月前位より、歩行時に左側によろめくとのことで来院。病院では小脳性運動失調症との診断を受け、病理的には異常がないとのこと。その他、全体のバランスも悪いとのことでそれらの調整も望まれていた。

【初回検査施術】
最初に片足立ちをしてもらうと、左右共にふらつきがあり、体幹が揺れるようなふらつきを示した。特に左の片足立ちで大きな体幹の揺れを示した。小脳性運動失調症の検査一つである前腕回内回外反復運動試験では左の前腕に陽性反応が示された。その他、指鼻試験、踵膝試験なども行ったが特に顕著な反応は示されなかった。
脳神経刺激による神経反射機能検査では、左嗅覚刺激、左対光反射、左聴覚刺激、左表情筋刺激、左舌筋刺激、左僧帽筋刺激で陽性反応が示された。
施術はAM(アクティベータメソッド)で主に右側の脊柱部の調整を行い、PCRTにて嗅覚刺激による脳神経のバランス調整、並びに「恐れ」、「逃避」、「劣等」、「連帯」、「優越」に関係する誤作動を調節した。

【考察】
一回目の施術では、前腕回内回外反復運動試験が、施術前と施術後では顕著な変化が見られた。しかしながら、片足立ちの検査ではあまり変化は見られなかった。20日後、2回目の来院時には、よろめきがかなり改善されたとの報告をいただき、前腕回内回外反復運動試験もほぼ左右差がなく安定していた。片足立ちは、まだふらつきがみられるが、リハビリ運動と施術を継続すればだんだんと改善されるだろう。久ぶりに来院された患者さんでもあり、最初から信頼関係が維持されたうえでの施術であった。家の事情で頻繁には通院できないとのことだが、できる限り早期に回復できるように努めたい。


2014年8月18日月曜日

複雑系思考、システム思考によるPCRTのアプローチ

人間を深く追求すればするほど、「実に複雑な関係性の中で生かされているのだな~」と感じます。当たり前のことではありますが、機械仕掛けのロボットのように1+2+3+4=10というような単純計算では答えがでません。人間の複雑な知能を研究した人工ロボットの開発も進んでいますが、複雑な心を持った実際の人間の複雑性にはまだまだ程遠いようです。

「複雑系」の学問では様々な分野で研究が進められています。学際的には、複雑系に特化した研究分野として、システム論、複雑性理論、システム生態学、サイバネティックスなどがあります。その他、複雑系を理解するうえで語られる閉鎖系と開放系の概念があり、「生命」は開放系の世界であり、複雑に自然と調和しながら生かされています。特に人間の生命体は複雑系の世界であり、人間をコントロールしている脳・神経系は複雑系そのものです。複雑系の中でも「複雑適応系」と「非線形力学系」という考え方は、本質的な「健康」を維持していくうえで関係が深いと私は感じています。


「健康」の分野も大局的に分類すると、機械構造論的健康と有機生命論的健康に分類され、機械構造論的健康はニュートン的パラダイム、有機生命論的健康はアインシュタイン的パラダイムの影響を受けていると考えられます。機械構造論的健康、あるいは通常医療の世界で特徴的なのが、「要素還元論」の考え方で、階層構造的に上位から下位へと分類し、因果関係論的に健康問題や病気を考える傾向があります。これは、線形思考ともいわれ、あらかじめ決められた答えを導き出す手法がとられます。

ニュートン力学や線形思考では、原因が同じなら結果も同じことになりますが、複雑系の世界ではそうはいきません。線形思考とは、方程式に当てはめれば必ず正解が得られるという直線的な方法です。一方、非線形または複雑系の世界では、初期条件がほんのちょっとでも違えば結果は予測不可能になります。

例えば、「7+○=10」という計算式があり、あらかじめ決められた答えを導き出す際、○は3というように一つの正解が決められています。もしも、「○+○+○+○=10という計算式がある場合、1+2+3+4=10、あるいは2+3+1+4=10、あるいは0+4+6+0=10のように複数の正解があります。前者はあらかじめ決められた答えを導き出す「線形思考」で「要素還元論」ではこの思考法が必要になります。後者は何通りもある答えの関係性を導き出す「非線形思考」で「システム思考論」ではこの思考法が必要になります。

PCRTの施術のアプローチは、症状改善というゴール(答え)のために、非線形的に何通りものアプローチの仕方があります。そのアプローチの仕方は複数に複合しています。一つの症状を改善させるために複数のEB(エネルギーブロック)を一つ一つ開放していく場合もあれば、関係し合う一つのEBを解放させることで、他のEBが解放されることもあります。

それはあたかも積木崩しのように、症状の背後にある「感情」や「信念」、「価値観」に関係する複雑な「心の構造」を明確にすることで、長年、慢性的に苦しんでいた症状から解放されることもあります。これは、要素還元論的な単一な要因ではなく、様々なシステムや感情、思考パターンなどが複合的に関係し、要因も様々に関係し合った結果であります。

PCRT中級2では、「非線形思考」、「システム思考論」に基づく概念を基本として、そのアプローチの仕方をできるだけわかりやすくご説明していく予定です。今回の研究会では、「脳神経系刺激調整法」、「PCRTソフト面調整法の全体像」、「ハード面からソフト面への施術以降の仕方」、「選択優先チャートの使い方」、「ベイシック感情チャートの使い方」、「五感パターンチャートの使い方」、「信念、思い込み、意味づけ〔意味記憶〕に対するアプローチの仕方」、「セルフイメージ〔映像記憶〕に対するアプローチの仕方」などをご紹介する予定です。
それでは先生方と学びを深め、さらに進化し、成長できることを楽しみにしております。

2014年8月16日土曜日

膝関節痛の背後にある脳機能のバランス異常!

膝関節痛の背後にある脳機能のバランス異常!

【初回所見】
62歳女性が膝関節痛の症状を訴えて来院。約1か月半まえから発症。走ることや階段を降りる際に不自由を感じるとのこと。バトミントンは以前から時々行い、最近ソフトバレーを始めて、その練習ができない状態。3週間ほど前に整形外科を受診して、右膝に水が溜まっていたので抜いてもらったとのこと。電気治療と飲み薬を服用したが変化がなく、知人のご紹介で来院。

【初回検査施術】
最初に片足立ちをしてもらうと、特に右足立ちでは、膝に震えが生じバランスが不安定な状態。眼球運動、対光反射、舌の動き、嗅覚刺激による機能検査で、主に左側からの脳神経系への刺激で陽性反応が示された。AM(アクティベータメソッド)で主に右側の足関節部、膝、股関節部、骨盤、脊柱部の調整を行い、PCRTにて嗅覚刺激による脳神経のバランス調整、並びに「喜び」に関係する誤作動を調節した。

【考察】
まだ、一回目の施術ではあるが、施術前と施術後では、特に右足立ちの検査では顕著な変化が見られた。本症例は、膝関節周辺の機能異常反応も示されてはいるが、特に三半規管や脳機能のバランス異常が顕著で、次回の施術から特に脳バランスの機能異常を目安に施術を進めなくてはならない症例であると感じた。一回の施術で完治したわけではないので、しばらく通院していただき、早期回復に努めたい。


2014年8月8日金曜日

隠れた『ホルモンバランス』の異常

隠れた・・・???

「なぜ、『隠れた』というのかな?」と思われるかもしれません。

施術前に改善されたい症状をお聞きした後、どの領域の『働き』の異常に関係しているのかを検査をします。するとホルモン系の臓器反応点で陽性反応を示される患者さんがいます。そのような患者さんは、よくお聞きするとある特定の症状というよりも複合した症状でつらい思いをされているようです。

そして、そのような患者さんたちを継続治療させていただき経過観察してみると、ホルモン系に関連する陽性反応が消失するにつれて、それらの症状も改善される方が多く見受けられます。

そのような患者さんは病院でも病気の診断を受けられたという方もいますが、病院の検査では異常が見つからず、当院での神経反射検査では陽性反応が示されるという患者さんも少なくありません。いずれにしろ、当院で示される陽性反応がだんだんと消えていくにともなって自覚症状も改善される方が多いようです。

ホルモン系の症状といえば、女性に多い「更年期障害」として知られています。しかしながら、いまでは女性だけに限らず「男性更年期障害」も広く知られてきております。また、40歳以降の更年期障害以外にも20代、30代の若い方にもホルモン系の機能異常に関連した症状が見受けられます。

このように病院の検査では診断がつかないけれども、ホルモン系の『働き』に異常がある状態、すなわち「未病」の段階で早期に改善されることが望まれます。

『内分泌系は身体の状態を一定に保つ(恒常性維持)のために神経系や免疫系と密接に関係しあっています。内分泌系の情報伝達物質(メッセンジャー)がホルモンです。ホルモンは全身のいたるところでつくられ、身体の健康維持のために様々な『働き』の調整をしています。特に生命の活動維持と成長や成熟および生殖機能を担います。』

我慢できないほどではないけれども

疲れやすくなった、身体がだるい、重い、朝起きるのがきつい、眠気がする、手足がむくむ、汗をかきやすい、動悸がする、吹き出物がでる、腰痛、肩こり、頭痛、ゆううつになる、イライラする、睡眠障害、生理不順、性機能障害、不妊、残尿感、頻尿など。

上記のような症状がありましたらお気軽にご相談ください。