2015年9月28日月曜日

4年間継続していた身体の至る所が「つる」症状から解放される!

 【はじめに】

年齢54歳、性別男性、2年前に腰部脊柱管狭窄症の手術を行う。4年ほど前に、船上での過酷な仕事に就いて以来、身体の至る所が「つる」症状に毎日のように悩まされているとのこと。

一般的には「足がつる」という「こむら返り」の症状を訴える患者さんは多いが、両足に加えて、肩から腕、背中などもつるというケースは珍しい。「足がつる」原因は、一般的には筋肉疲労、運動不足、カリウムやナトリウムなどの電解質不足などによると云われる。

また、一過性ではなく、頻繁に繰り返し起こる場合には椎間板ヘルニア、糖尿病、動脈硬化、甲状腺異常などの疾病、降圧剤、抗高脂血症剤、ホルモン剤などによる副作用などが原因とされる。

病院でも検査を受けており、身体全体が「つる」症状につながるような異常は見当たらず、症状緩和のために当帰芍薬散という漢方薬を処方される。ひどい時には、多めにその漢方薬を服用するが、根本的な改善には至らないとのこと。

痛みで我慢できない時には、青あざができるほど筋肉を叩くようにほぐしているとのこと。当帰芍薬散を毎日服用し、マッサージも定期的に受けてはいるが改善が見られないとのこと。

さて、このような慢性症状を抱えている患者さんをどのように見立てて、どのようにアプローチするのがベストなのか?足がつるという現象は、筋肉に異常収縮が生じる現象で、自分の意識では、筋肉を緩めることはできない。

器質的な病気がないとすれば、筋肉の異常収縮を生じさせるように学習記憶された脳の誤作動によると、PCRTの治療者は考えるだろう。筋肉をほぐしたり、神経系の調整を目的とした反射系の施術でも効果はあるだろうが、慢性的に繰り返すということは、もっと上位の脳の学習記憶が関係していると考えるのが妥当だろう。

【経過】

この症状が発症した経過から考えても、単に神経系、並びに関節系や筋肉系だけの問題ではないことが伺える。PCRTの検査を行ってみると、関節系の誤作動反応よりも筋肉の抑制系の反応、すなわち筋肉調整を行っている神経系の抑制系異常が示された。分かりやすくいうと、力がうまく抜けない異常反応が両上肢、両下肢に示された。

初回の治療からAM+PCRTの施術を併用する。潜在感情や信念に関係する誤作動記憶の調整も行う。2回目の施術もAM+PCRTで潜在感情と信念に関係する誤作動の調整を行う。3回目の施術では、患者さんの希望で2枠の予約を取っていただき、施術時間は通常の2倍の20分間で治療を行った。

その分、奥深い誤作動の調整ができたようだ。4回目も2枠治療で、身体がつる症状はかなり軽減、以前からあった右坐骨部の症状を訴えられたので、その部位の治療を行った。

5回目の2枠治療では、かなり症状が改善されたとのこと。6回目(一枠治療)ではほとんど症状が改善されたとの報告をいただいた。4年間抱えていた症状が改善されてから、約3週間継続しているので、患者さん自身もかなり自分の身体に自信が持てた様子が伺えた。

【考察】

この患者さんの治療経過を振り返ると、自分の治癒力を制限していた、「意味記憶」や「エピソード記憶」の調整を行ったことが、改善の転機になったようだ。もしも、この大脳皮質系領域の調整を行わなければ、何度も症状をぶり返すことになっていただろう。

このような自分の治癒力を制限する信念(思考パターン)の検査や施術法を修得しているPCRTの治療者はまだまだ少数ではあるが、このような慢性症状にはとてもパワフルだと感じる。慢性症状の多くは、このように知らず知らずに学習された脳の「誤作動記憶」によるものであるということを多くの人に知ってほしいと願う。

0 件のコメント:

コメントを投稿