2016年5月30日月曜日

新装移転

お陰様で5月より無事に天神に移転することができました。今回の急な移転に際しては、多くの方々に大変お世話になりました。特に新店舗を探す際にとても親身になっていただいた不動産会社の担当者、内装や備品の調達、引っ越し、工事を手掛けていただいた会社の方々には心より感謝しております。

突然に退去の話が持ち出されたときは、「え~なんということでしょう」という感じでした。今までの職場環境が他人の都合で大きな変化がもたらされるということに不安を感じました。まずは、不動産会社を紹介していただき、担当者の方にご協力をいただいて近所から物件を探しました。方位気学なども考慮すると、転居できる範囲もだんだんと特定され、ようやくたどり着いたところは天神の繁華街。これも「え~なんということでしょう」という感じでしたが、結果的には皆様の温かいご支援のお蔭で仕事のしやすい環境に移転することできたように感じております。何よりも来院して下さる患者様方に喜んでいただけることが、私たちの一番の喜びです。

昔のことわざに「人間万事塞翁が馬」、あるいは「禍福は糾える(あざなえる)縄の如し」とありますが、今回の移転騒動はそんなことわざが思い出されました。これは不運だなと思われる出来事が、長い目で見るとそうとは限らないし、これは幸運なことだと思われる出来事が長い目でみるとそうとは限らない。このようなことわざは、長い人生で何が起こるか予測できないという山あり谷ありの人生を生き抜くためには大切な教訓です。例えば、ある人がエスカレーター式に事業に成功し、順風満帆な生活を送っていたらと思ったら、事業が急展開して多額の負債を抱えどん底の人生を送る。その一方で、どん底の人生から這い上がった人の話も数多く知られています。

大切なことは、ある出来事に対しての受け止め方には何通りもあり、未来への選択肢も何通りもあるということです。何事も決め付けずに、柔軟に受け止めて、必要に応じて環境に適応し、自分のペースで成長し続けることが大切かと思います。基本的に小さいことであれ、大きなことであれ、誰か、あるいは何かの役に立っていることの喜びの循環が、目には見えない力となってその人の人生に影響を及ぼすのかもしれません。

今回の移転を機に、さらに皆様にとって心地よい空間を創り、これから10年、20年と、引き続き喜んでいただける治療院を目指したいと思います。これからも目には見えない生体エネルギーブロックと心身相関による誤作動記憶に焦点を当て、多くの慢性症状の改善にお役に立つことができるように、研究を積み重ねてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。

2016年5月2日月曜日

「生まれ変わった気がする・・・」信念に関係するコーチング手法


【はじめに】

肩や両大腿部の症状で来院していただいていた患者さんが、しばらく通院していただいて、筋骨格系のしびれや関節のこわばりの症状に加えて、内分泌系や自律神経系に関連する身体のだるさや疲れ感など様々な症状に悩まされていたことがだんだんと見えてきた。4~5年前から糖尿病の治療も受けているという。経営者であり、心理的なことも幅広く勉強されているという印象が感じられた。また、拙著の「体の不調は脳がつくり、脳が治す」も読んでいただいており、PCRTにも興味を持っていただいていた。

【経緯と施術者の主観】

ある来院日のこと、しばらく定期的に通院されている過程で、患者さんはいつも以上の体調不良を訴えていた。PCRTの検査をしてみると、複数のEB(生体エネルギーブロック)反応が確認された。そのEB反応は、患者さんが訴える症状に反映しているようにも思えた。特に膵臓部のEBと脳下垂体部のEBが、毎回繰り返されて陽性反応が示されているので、術者の直感で、何か潜在的に深い誤作動が関係しているだろうと感じた。患者さんに、「ここは、集中して治療されたほうがいいかもしれませんね。」と集中治療を促す。

患者さんにも同意してもらい、治療間隔を開けずに、ほぼ毎日集中的に通院していただいた。集中治療の同意を得てから、2回、3回、4回目と無意識に関連するある信念のキーワードが示された。4回目の施術では、そのキーワード(信念)の背後にある信念を認識され、その信念がどこから形成されたのかも認識していただいた。そして、次の来院日、前回の施術で、お父様から受けた信念があたかも自分の信念であるかのように生きてきていた自分に気づかれたとのこと。そのことは、様々な事柄に関係しており、そのことに気づけたことで、心も身体もすごく解放され楽になったとのコメントを頂いた。

その後、遠方での出張から帰ってこられて来院していただいた。通常、今回のような出張であれば、身体に疲れるが残っているのだが、前回の施術から疲れを感じることがなく、何か生まれ変わったようで、未来へのビジョンが開けた感じだとのコメントを頂いた。今回の集中治療の過程で、今までの人生で、高級マンション、高級車、船など欲しいものはほとんど手に入れているが、何か満足していない、何かもやもやした自分がいるということも話していただいていた。今回の「気づき」でその背後に隠れていた理由や「心の構造」も明確になった様子だった。

【考察】

この患者さんの場合、心理系の勉強もされていたので、無意識に関連する「誤作動記憶」を積極的に探索しようとする意識があり、それが好結果をもたらしたように思う。通常では、このような深い気づきを得るためには、ある程度の治療回数が必要になる。また、身体の症状が、心の誤作動記憶に関係していると頭で理解できても、そのパターンから心の底から抜け出したいと思えるかどうかも大切なポイントになる。いくら治療法が優れていても患者さんの無意識が協力的でないと効果が引き出せない。本症例は、無意識がもたらす影響を十分に理解され、本気で自分自身を見つめようとした成果だと思う。

今回の症例での施術ポイントは、自分が信じている信念(心のルール)の出処がどこからなのかということだった。人は誰でも、意識的にも無意識的にも何らかの信念(心のルール)に基づいて生きている。その信念の出処は大きく分けて3つに分けることができる。

1. 生まれ持った生来的な信念
2. 他者に影響された信念
3. 強要された信念

1. 生まれ持った生来的な信念
生まれたときからの持ち備えている心の性質がもたらす信念

2. 他者に影響された信念
多くは両親よってもたらされた信念で、その他、恩師、教師、あるいは本などによる架空の人物などからもたらされる信念。あたかも自分が生来的に信じている信念として錯覚しやすい。

3. 強要された信念
暴力的な手段などの恐怖によってもたらされた信念で、それを信じているふりをしないと生きていけない状況にいる。

上記の3種類の信念の中で、自己矛盾や心の不一致が生じやすいのは、2番目の「他者に影響された信念」で、心身相関的にも体調不良を生じさせる誤作動記憶を生じさせやすい。

PCRTを使ったコーチング手法では、意識と無意識との不調和を示す信念を瞬時に特定できる。術者と患者との共同作業でそれを解きほぐしながら、誤作動記憶の調整が可能になる。多く慢性症状の本質的原因がこの信念の不一致に関係していることが多い。この治療価値を理解してくれている患者さんは、心の底から喜んでいただいているという感覚が伝わってくる。それは、治療者にとっては大きな喜びとなる。