2016年6月22日水曜日

「キラーストレス」によるこころと身体の関係性

NHKのスペシャル番組で「キラーストレス」について紹介されていた。ここ数年、心と身体の関係性による健康問題に関する番組も増えているが、今回のNHKの番組では、命にも関わるストレスということで、さらに一歩踏み込んだ内容で番組が構成されていた。世界の最前線で研究をしている研究論文と、一般の人にもなるほどと思わせる仮説を題材にして分かりやすく説明され、バランス良く番組が構成されており、さすがHNKだなと感心させられた。

例えば、「数万年前、狩猟をして暮らしていた私達の祖先は、猛獣などに襲われる危険があるため、危険を感じたり怪我をすることを想定して体が一足先に反応、血を固まらせたり、血圧を上昇させて全身の血の巡りを良くし瞬時に反応できるようにしている。」という仮説もなかなか説得力があった。

自然治癒力を引き出す治療家としての立場で本質的な原因療法を追究し続けていると、がんや心筋梗塞、脳梗塞の患者さんに遭遇することも度々で、ほとんどのケースが何らかのストレスが関係していることは明らかである。健康問題を単に肉体への物理的刺激にだけにとどまるのではなく、運動面や栄養面など生活習慣全般を幅広く追究していると、根幹となる慢性病の原因はやはり、心身相関というこころと身体の関係性にあると今でもその効果的な治療法を研究し続けている。

しかしながら、心と身体を切り離して考える機械論的な医療が主流となっている現代社会においては、まだまだ、「がんや心筋梗塞が身体の問題だけでなく、こころとの関係性が大きく影響を及ぼしている」ということが当たり前には語れないのが現状である。多くの人が、肉体だけの問題、あるいは、食生活や運動不足などの生活習慣病にとどまり、心の習慣=無意識の心の習慣というところまでには関心が及ばない。

数年前に、HHKの番組内容が裏付けとなるような脳梗塞の患者さんに遭遇したことがある。頭ではストレスの対象となる人を受け入れているつもりでも、無意識はかなり強い抵抗があったようだ。恐らく、本能的に自分の身を守るため、血を固まらせるようなシステムが働いたのだろう。PCRTの検査ではある人に対するストレス反応が毎回繰り返されていた。意識と無意識との調和の治療が追い付かずに脳梗塞を引き起こして病院での治療を受けた。その後、病院での治療と並行しながら、本質的なストレスの原因治療も継続し、数か月後には後遺症も残らず元気に回復した。危うく命も失いかねない状況で、ストレスという目には見えないエネルギーの強さを改めて感じた。

そのような病的なエネルギーのアンバランスはエネルギーブロック(EB)として、PCRTの検査で陽性反応が示される。心筋梗塞やがんの手術で悪いところを外科的に取り除いたとしても、本質的な原因が脳に記憶されていれば、生体反応検査法では陽性反応として示される。対症療法で改善されたとしても原因療法から診た観点では本質的には改善されていないということになる。対症療法でその場はしのげても、再発するかもしれないし、他の病気へと変容するかもしれない。今回のような番組を見て、視聴者はどのような感想を持ったのだろうか?多くの視聴者が、心と身体の関係性に興味を持ち、本質的な原因療法に関心をもってくれることを願う。

ちなみに、下の写真は、キャロル・シャイブリ博士がマカクザルでストレスと階層間の相関関係を調査した結果を証明する動脈の組織標本。 左は従属者のマカク動脈(ストレスを感じている)、右は支配者のマカク動脈。支配者のボスザルには動脈硬化の徴候は見られず、ストレスを感じている下階級層の従属サルに動脈硬化の徴候が見られたという。


2016年6月18日土曜日

霊的な影響に受ける患者さんにはどのようにアプローチするのか?

長年、治療者の先生方を対象にセミナーを行っていると、様々な質問を受けます。その中でも多くはないにしても繰り返し受ける質問があります。それは、「病的に気の重い患者、霊的に何かを感じる患者などを施術した後は、毎回その人の悪い気を受けて具合が悪くなることがあるのですが、何かいい対処法はないでしょうか?」というものです。この質問は、「悪い気(邪気)」や「霊的な気」が存在し、その気を受けるとウイルス感染を受けるかのように病気になってしまうと信じている方です。この霊的な影響を受けるという信念は、治療者だけでなく患者さんにも時々遭遇します。

もしも、そのような信念を持っている治療者や患者さんに相談を受けた場合、まずは邪気を受けないようにしたいのかどうかを尋ねます。そうすると多くの人は「受けないようにしたい」という意思を示しますが、受けなくするという意味は、今まで信じてきた信念を書き換えいるということでもあります。詳しく質問をすると、今まで信じてきた信念や感覚を無くすることに抵抗を感じている場合もあります。

例えば、霊的な邪気のようなものを視覚的に見える人、あるいは体感覚的に感じる人や嗅覚的に感じる人など感じ方は様々です。そのような感覚は何か特別な能力として持っておきたいという人も少なくはありません。つまり、「邪気を受けなくする」ということは、霊的な感覚もなくなるという意味にもつながるので、そのような能力は持っておきながら邪気を受けないようにしたいという人もいるでしょう。このような相談を受けた時、まずは、その人が信じている霊的な影響に関してお尋ねし、そのうえで今まで信じた信念体系を書き換えたいという前提で、邪気を受けないための施術を行います。

霊的な存在、すなわち非科学的なモノを真っ向から否定する人にとってはこのような悩みは起こりえません。それは、その人の信念によるものだからです。邪気を感じることが科学的に証明できないから正しくないとかの問題ではありません。「真実」と「事実」の解釈に違いがあるように、どちらも正しいのです。「真実」とは人間の頭の中で起こった出来事で、「事実」は現実に起こった出来事で、どちらもうそいつわりでない本当のことなのですが、「事実」は客観的に誰もが同じように感じているという意味合いを持ち、「真実」は主観的に見た人、触れた人によって感じかたが異なるという意味合いを含んでいます。

邪気を感じるか否か、あるいは邪気に影響を受けるか否かは、その人の培ってきた信念体系に関係するので、邪気を受けないようにするためには、その人が信じている霊的な情報に対して質問することから始めます。信じている人の多くは、幼いころからスピリチュアル的な環境の中で育ってこられた方が多いようです。中には人生の指針となる大切な教義を大事にしておられる方もいます。大切な教義は持ちながらも、健康に影響を及ぼすような邪気からは切り離したいという人もおられます。基本的には患者さん自身が現状を把握して、どのように信じていきたいかということです。特殊な感覚がなくなることで、大切な教義や信仰がなくなることではないので、誤解のないように説明しなければなりません。

このような霊的な邪気によって健康を害している人に限らず、その人が知らず知らずに信じてきた信念体系が健康を損なう原因の一つになっていることは少なくはありません。目に見えるモノだけが病気の原因に関係しているわけではありません。むしろ目には見えない無意識的なモノの方が大きく健康に影響を及ぼしているということを多くの治療者や患者に知っていただきたいと願います。