2016年8月31日水曜日

アレルギー症状(喘息)の改善

経緯
7歳の男の子が喘息の症状を訴えて母親と共に来院。病院でも治療を受けており、発作の際には吸引ステロイド薬も使用しているらしい。先々で喘息の検査入院を予定しているとのことだった。1年と3か月前に鼻水や咳などのアレルギー症状で当院を利用していただいたことがあり、2回ほど通院していただき、その後は症状が改善していたとのこと。遠方から帰省した際の来院なので、今回も限られた時間での通院だった。

1回目の施術
エネルギーブロックの検査では、免疫系と頭部全体の反応点に陽性反応が示された。病院ではダニなどのアレルゲンの数値が高かったとのことだったが、前回、当院でダニなどのアレルゲンに対する治療をした効果が継続しているためなのか、当院の検査では陽性反応が示されなかった。誤作動記憶の原因を検査してみると、大脳辺縁系→信念が示され、「自省心」や「忠誠心」などのキーワードで反応が示された。お母さまに心当たりを質問させてもらいながら、本人にも認識してもらい施術を行った。

2回目の施術
9日後の2回目のエネルギーブロックの検査では、1回目と同様に免疫系と頭部全体の反応点に陽性反応が示された。2回目でも、大脳辺縁系→信念で示されたが、一回目と異なる「慈悲心」や「警戒心」などのキーワードが示された。

3回目の施術
4日後の3回目のエネルギーブロックの検査では、前回と前々回に陽性反応が示された免疫系と頭部全体の反応点に示されていた陽性反応が消失しており、お母さまによると喘息の症状も大分落ち着いているとのことだった。呼吸器系以外に小麦粉のアレルギー症状が気になるとのことだったので、アレルゲン情報の検査をしてみると、小麦粉で陽性反応が示された。加えてそのアレルゲン情報との組み合わせで、信念に関係するキーワードも示されたので、アレルゲンと大脳辺縁系との組み合わせで施術を行った。

考察
アレルギー症状が改善する際、単に物質的なアレルゲンや環境的なアレルゲンだけでなく、その背後の誤作動記憶に関連する大脳辺縁系の潜在感情や信念などの検査が鍵となる。無意識に関係する大脳辺縁系へのアプローチは本質的に症状を改善する上でとても重要である。今回紹介させていただいたのは7歳の男の子である。7歳の男の子にしては、むずかしい質問かもしれないと思案したが、お母さまのサポートもあり、しっかりと内容を認識しているという印象を与えてくれた。付き添っていただいたお母さまも当院でのアレルギーの治療経験があり、一回だけの治療で改善した経験やPCRTの治療コンセプトや検査目的をしっかりと理解していただいている様子だった。通常の医療とは異なる考え方で施術を行う場合、できるだけ患者さんの立場で分かりやすく説明し、納得されたうえで施術をすすめることが、早期の改善につながるということを改めて感じさせられた症例だった。
これはいつも感じることであるが、病院で行われているアレルゲンの検査結果は、客観性があることは明らかである。しかしながら、当院での検査結果や患者さんが訴える症状と一致していないことも少なくはない。病院でのアレルギー検査結果は参考にさせていただいているが、基本的には身体を使った生体反応検査法を基準に施術を進めていくことを基本としており、信頼関係に基づいて治療が継続される限りほとんどの症例でいい結果がでている。恐らくアレルギー症状にはメンタル面などいろいろな要因が関係していることが考えられるが、今後の研究課題でもある。

2016年8月22日月曜日

オリンピック選手のコメントに変化が・・・


今日でリオのオリンピック閉会式を迎えました。今回のオリンピックは単に競技だけでなく、選手のメンタル面に興味が注がれました。先日、たまたま目にしたオリンピックのテレビ番組で、重量挙げの競技で銅メダルを獲得した三宅宏実選手が試合後のインタビューを受けていました。インタビュアーが、「最後は、どのような心境で競技に臨んだのですか?」と質問すると三宅選手が「2回目は失敗しているので、後は、天に任せるだけで・・・」というようなコメントしていたのが印象的でした。大会前に腰痛が悪化したとのことで、恐らく最後は開き直って「無心」で挑戦したのでしょう。

最近、スポーツのメンタルトレーニングやコーチングなどの手法がだんだんと広く浸透してきているのか、スポーツ選手のコメントに変化が表れているように感じます。オリンピック選手ともなれば、国レベルの期待や世界からの注目度から生じるプレッシャーは、計り知れないものがあるとオリンピックを経験した多くの選手は語っているようです。「オリンピックには魔物がいる」と、体操で金メダルを獲得した内村航平選手が話していたそうですが、後に「魔物は自分自身で創りだしている」ということが分かったらしく、後輩の白井健三選手にアドバイスしていたといいます。

通常、ミスするはずのない場面でミスをしてしまうと、「何かにやられた!」と思いがちになり、「魔物」などのせいにしたくなりますが、実は自分の無意識が引き起こしているのです。「魔物」というのは、私なりに表現すると「無意識の誤作動」なのですが、この誤作動が生じる傾向は、深い心理面に関係するようです。私の心身相関に関連する臨床経験でも多くのスポーツ選手が、本来の実力が発揮できなくなるような誤作動記憶のパターンが浮き彫りにされることがあります。

選手それぞれに異なる誤作動記憶の背景がありますが、多くの傾向として、優勝して自分がチャンピオンの立場になると、「守り」に入ってしまう傾向があるようです。「守り」と対照的になるのが「挑戦者」の精神です。試合のパフォーマンスをサポートさせていただいている選手には、次の対戦相手やパフォーマンスを想像してもらい、心身相関的に「誤作動記憶」がないかどうかを検査します。自分の置かれた立場や地位を守るような気持ちで試合に臨むイメージをすると誤作動反応が示され、挑戦者の気持ちで試合に臨むイメージをすると、誤作動反応はなくなる傾向があります。

多くの選手は勝つために試合をしているので、「絶対に勝つ!」という意気込みで試合に臨むわけですが、「絶対に勝つ」という意識は身体機能に誤作動を生じさせやすくなる傾向があります。それよりも、「普段の練習通り」という思いで試合に臨むと、本来の実力が発揮され、理想的なパフォーマンスができる選手が多いようです。

今回、惜しくも4連覇を逃した吉田沙保里選手の試合直後のコメントから察するに、「・・・で申し訳ないです」あるいは、「日本選手の主将として、金メダルを取らないといけないところだったのに、ごめんなさい」というようなコメントは、多くのプレッシャーを背負って臨んだことが伺えます。もしも、「普段の練習通りに・・・」という思いだけで戦っていたら本来の実力が発揮できていたのかもしれません。それは単なる勝手な予測にしか過ぎないですし、相手がいる競技ですので、相手の実力が上回っていたのかもしれません。

「勝っても負けても、今まで練習してきた通りに全力が出せる」と、心の底から思えることができればいいのかもしれませんが、無意識の心はそれほど簡単ではないようです。

選手によっては、「周りからの声援が大きいほど、実力がだせる」という傾向の人もいますが、本番での無意識の誤作動記憶のパターンがあるかどうかは、事前に検査をすれば分かります。孫子の兵法に、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とあります。敵の実力やメンタル面も含めた現状をしっかりと把握し、自分自身の実力や深いメンタル面も良くわきまえて戦えば、勝ち続けることができるということです。

昔から武道においても「無心」になることが重要視されています。スポーツ選手が勝利したとき、「無心で走りました!」「何も考えていなかったです!」などという「無心」であったであろうコメントを聴くことがあります。恐らく、それは「ゾーン」か「フロー」といった状態の時のことで、そのときに多くの選手はピークパフォーマンス、すなわち最高のパフォーマンスが発揮できるとだといわれています。

スポーツ選手をサポートする治療者として、単に肉体面だけでなく、このような隠れたメンタル面のケアができるかどうかはとても重要な役割になると思います。多くの治療者がもっと本質的なところに興味をもっていただき、活躍する選手の縁の下の力持ちになってくれればと願います


2016年8月21日日曜日

「構造を修復する治療法」と「働きのバランスを整える治療法」

「構造を修復する治療法」と「働きのバランスを整える治療法」

先日、久しぶりに中学生時代の同窓会に参加してきました。セミナーや研究会関係者とのパーティーは毎月のようにありますが、同級生というつながりで、いわゆる他業種の人達とのパーティーは久しぶりでした。中学生時代の思い出話は楽しいひと時でした。何人かの親しくしていた同級生は、私が何をしているのかを知っていましたので、腰痛で悩んでいた同級生に私に相談するように促してくれました。

話を聞くと、かなりひどい腰痛で入院された経験があるとのことでした。椎間板ヘルニアの診断を受けたとのことでした。担当医は手術を勧めず、ブロック注射の治療を受けたとのことでした。それは10年以上も前の事だったようですが、未だに腰痛には悩まされているとのことでした。腰痛があるたびに担当医の先生に診てもらっているとのことで、カイロプラクティックや鍼灸などの自然療法は受けていない様子でした。私は、その同級生に自然治癒力を引き出す治療者という立場で、腰痛が生じる因果関係をできるだけ分かりやすく説明ました。

最初、その同級生は理解しがたい表情もありましたが、話し終わる頃には、納得してくれた様子で喜んでもらいました。私自身も話し終わった後、我ながら上手に説明できたかなと振り返りました。それは、前もって計画していた話の内容ではなく、どうしたら理解してもらえるかと必死に考えた末に無意識にでたたとえ話でした。それは、ずいぶん前に自分のブログでも書いたことがある内容だったと思います。そのたとえ話のキーワードは「働きのバランス」です。西洋医学が得意とする「「構造を修復する治療法」とカイロプラクターなどが得意とする「働きのバランスを整える治療法」との違いを説明しました。

特に分かりやすかったのは、「オーケストラ」のたとえ話だったと思います。数十人で演奏するオーケストラの調和、すなわち強弱などのバランスが一人でもずれてしまうと、全体に影響を及ぼします。身体の「働き」も同じで複数の筋肉、あるいは神経の働きのバランスが乱れると、関節がスムーズに動かなくなり痛み信号を発したりします。

もしも、10数人のオーケストラのメンバーが一人欠けたらどうなるでしょうか?恐らく一人欠けたなりに、全体のバランスを整えれば素晴らしい演奏ができるはずです。それは4人のバンドメンバーが調和していれば、素晴らしい演奏ができるのと同じです。例え肉体構造の一部が欠けていても、あるいは、左右が不対称でも全体としての筋肉や神経の「働きのバランス」がとれていれば、身体は十分に機能してくれる力は持っているのです。

「構造を修復する治療法」は肉体の構造異常に注目して、変形や歪みを症状の原因とする傾向があります。世間一般では、ついつい「構造異常」に目を向けがちですが、慢性症状の場合には「働きのバランス」に注目することが大切なのです。



2016年8月20日土曜日

内分泌系(ホルモン系)の異常の改善

内分泌系の異常で比較的多く相談を受けるのは、生理痛や生理不順の患者さんです。特に月経前症候群(PMS)で長年苦しんでいる方も少なくはなく、症状があるのが当たり前のようになっている人も多いようです。身体的症状では下腹部痛を初め、乳房痛、むくみ、倦怠感などがあり、精神的症状では抑うつなどの気分障害や睡眠障害を訴える方が多いようです。

生理不順の患者さんの中では2年以上も月経がなく、当院での治療で改善した実例もあります。ホルモン系の異常は女性だけでなく男性にも生じます。改善した症例の多くが無意識の誤作動記憶に関係しています。このような心身相関に関連する因果関係は通常医療では検査することができません。当院での心身条件反射療法で検査をしますが、ホルモン系の異常を示す臓器反応点に陽性反応が示されます。施術を繰り返すことで、このホルモン系に異常を示す陽性反応が消失すると共に、多くの患者さんで症状が改善されます。

ホルモン系の誤作動が、無意識のメンタル面に関係しているということは、一般的にはあまり知られていません。世間一般でもっと多くの人がこの事実を当たり前のように認知してくれると、多くの人がつらい症状から解放されるのですが・・・・世間一般の常識というのは手ごわいものです。

下記の感想は生理不順の症例改善の一例です。この患者さんも無意識的な感情や、一般論から得た情報による思い込みが関係していたようです。関連していた潜在感情の一つが「喜び」に関係していました。通常、メンタル面が関係するというとネガティブな感情などが関係していると思われがちですが、ネガティブな感情だけでなく、ポジティブな感情も心身のバランスの誤作動に関係しています。

心身相関の分野で誤解を受けやすいのが、「精神面」が悪いから「身体面」が悪くなると思われがちなところです。これは明らかな誤解なのですが、心と身体の関係で体調を崩すということがまだまだ世間一般に浸透しないようです。それは、機械構造論的な情報や教育からの影響と、心身相関に関係する科学的研究が難しいということも影響があるように思います。

当院で治療体験をすると、多くの患者さんが心と身体の関係性で誤作動を生じるということが当たり前のように分かってきます。本質的な原因が分かると、健康に自信が持てる人が増えてきます。心と身体の関係性で体調不良を生じさせるということが、世間一般で当たり前に語られるように、もっと多くの患者さんの症状の改善に役立てればと願っています。


2016年8月10日水曜日

LCAインストラクター研修2016

今年も福岡のファミリーカイロと志賀島国民休暇村で充実したLCAインストラクター研修を開催することができました。AMやPCRTにおける指導法の統一や実技試験の確認、AMアドバンスプログラムの準備など幅広く研修を行いました。また、チームメンバーにはそれぞれにプレゼンテーションを行っていただきました。チームは長年の経験を経て、成熟期を迎えています。それ故に、必然的にチームメンバーに課せられたプレゼン課題もとても深い内容でした。恐らくプレゼンを準備する過程で自分自身を振り返り、未来のために深く考えていただいたのではないかと察します。

それぞれのメンバーが心に響くプレゼンテーションを行ってくれました。課題を受けてどのようにプレゼンするかを試行錯誤して、実際にプレゼンするまでの過程において、チームメンバーがそれぞれに深みのある成長ができたのではないかと感じました。1泊2日の研修ですが、寝食を共にすることで、さらなるチームのつながりが深まったのではないかと感じます。

通常の研修では、一人部屋か二人部屋が多いのですが、今回は畳の部屋に布団を並べて泊まりました。畳いっぱいに敷き詰められた布団の間で、ひざを突き合わせて次の日になるまで飲みながら語り合いました。飲み足りないメンバーはホテルのロビーで飲んでいたそうです。明日の事も考えて1時ごろ床に就いた私は、途中で目が覚めて、暗闇の中でメンバーの身体を踏まないようにトイレに行きました。ゆっくりと自分の布団に戻ると、隣のメンバーが私の布団を占領していました。私は肘で押し戻そうとしましたが、動く気配がありません。おまけにいびきの合唱が聞こえてきます。しばらく窮屈な思いをして眠りにつきました。

畳の部屋で布団を並べて寝食を共にするという経験は久しぶりでしたが、志を共にするチームメンバーであるがゆえに、貴重な体験になったようです。今回の研修で培われた「チーム力、人間力、指導力」が、未来のセミナー、研究会、そして、臨床現場で生かせることを期待しています。