2016年10月24日月曜日

イップスの改善報告をいただいて・・・

イップスの改善報告をいただいて・・・

先日、イップスで来院されている中学生男子のお父様から2回に渡ってメールをいただきました。

『お世話になります 先週日曜日 突然先発を告げられどうなることやらと思っていましたが優勝候補相手に見事完投できました。3点差で負けはしましたが 本人は相当な自信になったと思います。マウンド上でふてぶてしく振舞い大変頼もしく感じました。うるさい監督の説教も受け流すようになりました。イップスの症状が出てかえって成長することができたんじゃないかと思います。ありがとうございます! また症状が出たらお伺いいたします。』

『今日も1イニングでしたが3者三振におさえたそうです。特に努力はしていませんが腕が振れてスピードがかなり出て自分でもびっくりしたそうです。2か月前ではとても考えられないことです。キャッチボールさえできなかった息子を見て自分の経験と重ね合わせ、まるで地獄絵図を見ているようでした。もう終わりだと思いました。イップスは治るということをもやもや悩んでいる保護者や当事者にもっともっと知ってほしいですね。』

イップスが改善された結果は喜ばしい事ですが、お父様にいただいた「イップスの症状が出てかえって成長することができたんじゃないかと思います。」というコメントもとても嬉しく思いました。イップスが改善できたということは意識と無意識、すなわち心と身体のつながりが深まったということでもあります。昔から「心身統一」の大切さが問われていますが、若い時から心と身体のつながり、無意識の自分自身との繋がりを経験されたことは、大きな成長だと思いますし、危機的なピンチを乗り越えた経験は今後の人生にも役立つのではないかと察します。

このような理想的な結果は、来院当初から献身的なサポートしてくれたお父様のお陰だとつくづく感じます。また、初めての治療体験にも関わらず、私たちが意図している治療目的や考え方を理解していただき、この治療法で「イップスは治る」という信頼を寄せていただいたことが良い結果へと結びついたのだと思います。


今後もさらに、「イップスは治るのが普通」ということを多くの人に広めていきたいと思います。

2016年10月21日金曜日

お陰様でANJが15周年を迎えることができました。

早いもので、振り返ると早くも15年の歳月が経過していました。米国で多くのDC達が使用しているアクティベータ・メソッドを日本でも質の高いレベルで広めていきたいという思いから、AMI社との提携で本格的に米国と同等のプログラムをスタートしたのは20016月でした。当初、RMIT大学日本校にて、AMI社公認の卒後教育プログラムとしてスタートしました。

そのAMI社公認セミナーが始まる5年ほど前の1996年に、アクティベータ・ベイシック・マニュアルの日本語版(保井志之DC訳)が科学新聞社より出版されており、それを機に数年間、アクティベータセミナーを国内で開催しておりました。当時、国際基準でのカイロプラクティック法制化の機運が高まっていまっておりました。その影響も受けて日本国内のAMセミナーを一時中断して、2001年から国際基準に限定して、AMI社公認の国際基準セミナーを開催したという経緯がありました。そのような経緯も含めると私自身のAMセミナー活動は20年になります。


私が最初に米国AMI社のインストラクターセミナーに最初に招待されたのは19977月でした。当時、AMI社は35周年を迎え、AMCTのテキストの初版が出版された年でもありました。そこから、日本語版の翻訳計画を立て、複数のDCの先生方のご協力をいただき、2000年に国内で日本語版が出版されました。


2004年には、日本国内で正規にAMのプログラムが始まって以来、日本で初めてDr. Fuhrの来日セミナーが開催されました。また、全アジア空手道選手権大会、静岡県や埼玉県で開催された国民体育大会、夢の島マラソンなどのボランティア活動、ハワイセミナーの参加、ANJ主催のAMシンポジウムの開催などAMを通じて様々な活動をANJスタッフはじめ、AMセミナーを受講されている先生方と共に活動してまいりました。


2006年、日本におけるAMセミナーは、大きな転換期を迎えました。受講資格を国際基準だけでなく、国内の医療有資格者などに拡大し、AM国内認定制度をスタートしました。当時のANJに関わっていただいたスタッフと議論を重ねた結果の判断でしたが、患者の利益を最優先させるという方向性は、優秀なAMプラクティショナー(治療者)を生み出す結果となっています。


2008年度からは、大阪でのセミナーもスタートして、湯布院でのセミナー、第2回目となるハワイセミナー、2011年には福岡でのセミナーも開催され、AMテキスト第二版がANJスタッフの協力で出版されました。 2013年には、アクティベータ5が販売され、Dr. FuhrDr. RobertDr. DeVetaが来日され盛大に国際セミナーが開催されました。

15年を振り返りますと、だんだんとセミナーの質も高まり、それに伴って受講されている先生方のレベルも高くなっていることを肌で感じています。それは、ANJに協力していただいているインスタラクターのレベルアップにも関係しますし、67回にも及ぶセミナー活動の経験を生かして、セミナーの質を改善し続けた結果でもあります。このようなセミナーの質の向上に伴って、それぞれの先生方の施術を受けている多くの患者さんにもその恩恵がもたらされていると確信しています。私たちはこのような成果に甘んじることなく、多くの協力者に感謝しながら、さらに高みを目指してANJスタッフと共に精進してまいりたいと考えています。





明治の文豪、幸田露伴が自著『努力論』で主張したもので、望ましい未来作るには、「惜福」「分福」「植福」が必要だと説かれています。

私たち治療者に照らし合わせると、以下のようになるのかもしれません。

  • 惜福:目の前の患者さんと共に「喜び」を作り、思い上がらず、さらなる向上のために自分に投資する。
  • 分福:治療者同士でその福を分かち合い、切磋拓磨しながら、「喜び」の福を分け合う。
  • 植福:「喜び」の福が後世に永続できるように「種」を蒔き続ける。


古くから伝わる言葉で、

  • どんな事でも10年続けることは偉大なり。
  • 20年続けば恐るべし。
  • 30年にして歴史になる。


と言われています。


来年は、AMI社50周年を迎えます。常に時代の流れに合わせながら、業界の先頭を走り続けているDr. Fuhrをお手本にしながら、今後もANJは継続を力に変えて、次のステージへと邁進してまいります。

2016年10月6日木曜日

痛みで椅子に座れない!

痛みで椅子に座れない!

経緯:

50代女性、3年ほど前に腰椎椎間板ヘルニアを発症して以来、ほとんど寝たきり状態で3年間、良くなったり悪くなったりの状態を繰り返している。痛みは座るたびに発生し、仕事を辞めざるをえなくなった。外食などで外で座ることができない状態。
最初は整形外科を受診し、レントゲン、MRICTなどの検査を受ける。病院での診断は腰椎椎間板ヘルニア。ブロック注射、投薬、漢方などの治療を受ける。その後、整骨院や整体での施術を受けるが改善は見られなかったとこのこと。
娘さんの結婚式が数ヶ月後に控えているので、それまでにぜひ治したいとのことで遠方からの来院であった来院。

初回検査:

神経学的エラー(誤作動)や生体エネルギーブロックを判断する生体反応検査法では、腰椎関節の前後、回旋運動に陽性反応、両股関節の回旋運動に陽性反応。腰臀部周辺の筋膜に陽性反応。子宮の臓器反応点、頭部の臓器反応点に陽性反応を示す。

初回施術:

アクティベータメソッド(AM)にて、ベイシックスキャンプロトコールの陽性反応部位を調整。PCRTにて、幾つかの「信念」に関するキーワードが示されたので、それを認知してもらいながら調整を施す。
初回の施術を終えた時点で、今後の治療計画を提案する。遠方であるため自宅からの通院は不可能なので、当院近くのホテルに宿泊し、一週間集中治療を計画。ご本人自身もおそらくメンタル面も関係しているだろうとのことで、通常の施術を二枠予約していただき、施術とコーチングを織り交ぜて進めていくことにした。

2回目から7回目までの施術:

AMの施術後、心身条件反射療法(PCRT)の施術を併用し、コーチング手法も取り入れながら、誤作動記憶のパターンを調整していった。過去の複雑な人間関係などが施術によって引き出された。チャートを使った言語神経反射検査法で示されるキーワードを参考に質問させていただくことで、奥に隠れていた誤作動記憶が紐解かれていった様子。ご本人自身も陽性反応が示された誤作動記憶の内容が腑に落ちることが多く、誤作動記憶が消去法のように消されていった。施術を重ねるごとに表情も明るくなり、ご自身の治る可能性を信じられてきている様子が伺えた。

1ヶ月後、8回目と9回目の施術:

ある程度座ることはできるが、長時間座ると痛みが生じるとのこと、左股関節や左の踵部分に痛みを訴える。ご自身の潜在感情や信念に対する認識も深まり、自分自身に向き合われている様子が伺えた。長年症状を抱えていたために、現在も、未来も症状があること自体が当たり前のようになっているというエピソード記憶や経験による意味記憶も陽性反応として示されていたので、書き換え可能な意味づけを探して、上書きさせる施術を行った。

考察:

このような慢性症状を改善するためにはいくつかの条件がある。まずは、意識的にも無意識的にも心から治したいという心が一致しているか?わざわざ遠方から来院されるので、治したいのが当然でしょ!と、考えるのが普通だろう。しかし、人間の脳はそれほど単純ではない。頭では強く治したいと思っていても、心の奥では治ること自体が信じられない人や治らないことが正当な理由になっていたり、精神的な利得になっていたりしている人もいる。

次に身体的な問題が、無意識の心にも関係しているということが、心から理解できるということ。最後に自分の心に向き合おうとする覚悟があるかどうか。もしも、無意識の心が症状に関係しているということが分かった場合、自分自身の心に向き合う必要がある。本症例が段階的に改善していった理由の背景には、患者さん自身が自分と向き合う力、すなわち「自己認識力」が施術を通じて徐々に高まっていった要因が伺える。本症例での改善への一つの要因は、数ヶ月後に控えていた娘さんの結婚式に出席したいという「ゴール」があったことだろう。

今回のような腰痛症状に限らず、何年も症状を抱えて辛い思いをされている患者さんは、病気を克服すること自体が「人生の生きがい」かのようになり、病気が治った後の空白の状態をどのように埋めていくのかが見えずに、闘病生活という人生の生きがいに逆戻りしてしまう人も少なくはないようだ。

一般的には、このような本質的な因果関係まで語られることはないだろうが、人間には本来、自然に治る力が平等に与えられているという前提にたてば、それを制限する複雑な無意識の心との関係性は無視できないだろう。

患者さんからは結婚式の後、以下の感想とお礼のメールをいただいた。初めての治療体験で、最初は戸惑いもあったかと思われるが、最終的には当院での治療の意図をしっかりと理解していただいたことで、ご自身に向き合う力が引き出され、良い結果につながったのだろう。

術後の患者様からのメール :

 3年前に腰椎ヘルニアを発症し、以後何度も再発を繰り返すうちに、ヘルニアは完治しても痛みだけが残る慢性疼痛へと変わっていきました。四六時中、身体にガラスが刺さっている感じで5分と座ることもできませんでした。あらゆるドクターショッピングを繰り返し、ネットで先生のところにたどり着きました。

2カ月後に控えた娘の結婚式に出席したい一心で先生を訪ねました。先生はどんな感情が痛みにつながっているか身体を検査しながら、私の潜在意識をあぶり出して下さいました。私は幸せになってはいけない、自分への怒りなど、普通では決して気づかない感情に向き合うことになりました。治療後の身体はもう何年も味わったことのない軽やかそのものでした。

遠方でしたので1週間滞在し、帰るころには短時間ですがカフェでコーヒーを飲めるまでになりました。翌月も滞在して治療し、自宅ではいつも自分の感情に向き合う癖をつけるようにしました。おかげさまで見事、娘の結婚式に出席できたうえに、途中横になることなく最後まで見届けることができました!大変嬉しかったです。


以来、自分というものを常に意識しながらできるだけ感情と行動を近づけていく努力をしています。先生やスタッフの方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。』

2016年10月4日火曜日

「無意識の習慣」を整理して、断捨離してみましょう!

心臓病、脳卒中、がん、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、肥満などの病気は、20年ほど前は「年のせいだから」といわれていましたが、普段の食事や運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣によって引き起こされる「生活習慣病」によるものであるとして、厚生労働省でも国民に呼びかけています。

「生活習慣病」とは数ヶ月前、あるいは数年前の「思考習慣」や「行動習慣」により創られます。つまり、慢性病や不健康な症状は、数年前からの思考や行動の「習慣」から生じているという意味です。無意識的な自分の思考や行動習慣が、知らず知らずのうちに、病気を引き起こす原因になっているということです。

「習慣」とは、無意識に繰り返される行動のことですが、健康的な習慣を身につけている人もいれば、不健康な習慣を身につけている人もいます。特に表面的にわかりやすいのが「食習慣」や「運動習慣」です。栄養バランスが偏り過ぎたり、運動不足になったりすると内臓疾患や肥満、関節痛などにも影響を及ぼすことが知られています。しかし、その奥に隠れているのは「心の習慣」です。もっと、厳密に言うと、本人も意識できない「無意識的な心の習慣」です。

「無意識的な心の習慣」に関係する名言があります。

ウィリアム・ジェームズの言葉といわれている名言
心が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変われば、運命も変わる

マザー・テレサの言葉と言われている名言
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから

今、
もしも、何か不健康に感じるのなら
もしも、何かに対して満足できていないのなら、
もしも、何か人間関係がうまくいかないと感じるのなら、
もしも、何か未来の自分に希望が持てないのなら
もしも、何か運が悪いなと感じるのなら、

何を変えるべきでしょうか?

周りの人を変えるべきですか?周りの環境を変えるべきですか?

それは、名言にもあるように、自分自身の「心の習慣」であり、「行動の習慣」ではないでしょうか。

「習慣」というのは、ほとんど「無意識」なので、まずは、意識的に自分の習慣を客観視する必要があります。客観的に自分の習慣を振り返り、健康的な習慣は残して不健康な習慣は変えていきましょう。

「ローマは一日にして成らず」とうことわざのように、長年の習慣が一夜にして変わることはありません。習慣を変えるには最低でも3ヶ月間の継続が必要だと言われています。まずは変えたい心の習慣や行動の習慣を意識的に繰り返すことで、脳の神経回路が構築され、意識的な習慣から無意識的な習慣へと脳が学習されていきます。

もしも、何か不足を感じたり、後ろ向きなことばかりが心に浮かんだりする思考習慣になっているのなら、少しでも感謝できる習慣や前向きな心の習慣を身につけるといいかもしれません。もしも、いつも人からの配慮ややさしさを「受ける思考習慣」になっているのなら、逆に人に「与える思考習慣」を少しずつ身につけるといいかもしれません。


まずは、客観的に自分の「習慣」を整理し、断捨離してみましょう!