2017年5月20日土曜日

PCRT研究会基礎2、上級を終えて

PCRT研究会基礎2、上級を終えて

先週末、基礎2と上級の研究会が開催されました。意識の高い先生方に受講していただき、心地よい雰囲気の中で、学びを深めることができました。また、普段、臨床現場で抱えている課題も先生方からフードバックしていただき、PCRTをよりスムーズに使うためのアイディアをたくさんいただけました。

特に課題となるのはソフト面調整法の際、チャートを使って誤作動記憶に関連するキーワードを特定した後の進め方です。患者がすぐにそのキーワードから連想して心当たりを認識できれば、調整がスムーズに進むのですが、その認識に至るまでの質問やフォローの仕方で行き詰まってしまうという課題があります。

この場合、そのキーワードにつながる答えがでてこないと調整ができない、あるいは効果が得られないという前提が生じやすいと思います。確かに患者が誤作動記憶に対する心の状態を認知することで、様々な症状の改善に繋がります。しかしながら、心の状態を明確に認知しなければ改善されないというわけではありません。

検査の過程でチャートのキーワードを見る、あるいは術者からの質問を受ける、それだけで生体に陽性反応が示されるということは、神経生理学的に何らかの誤作動記憶が引き出されたということです。それは、ハード面調整法で生体に何らかの「刺激」を加えて行う施術と同じになります。ハード面調整法では、ほとんどが物理的に生体に何らかの「刺激」を加えて、施術を行います。

一方、ソフト面調整法では、言語情報や想像による脳への入力情報によって「刺激」を加え、誤作動記憶を引き出して施術を行います。要するに、身体への刺激であれ、脳への刺激であれ、生体が誤作動記憶の陽性反応を示さない場合、それは、様々な環境に適応できている状態です。すなわち健全な健康状態を保っていることになります。逆にいうと、身体や脳への様々な「刺激」に対して誤作動記憶の陽性反応が多ければ、不健全な状態になっているということです。
 
ハード面調整法と同様に、キーワードや質問による陽性反応で引き出された誤作動記憶も施術対象になります。答えが引き出されなければ施術ができないというわけではありません。誤作動記憶の根っことなる部分に直接働きかける以外に幹や枝葉を調整しながら、根や全体を調整するという手順もあります。

根っこを見つけて施術する方法に加えて、枝葉から調整する方法があると、さらにPCRTも使いやすいなってくると思います。今回の上級ではその応用的な手法もご紹介させていただきましたが、次回の研究会でも分かりやすくご紹介させていただければと計画しております。


それでは、次回の研究会でお会いできることを楽しみにしております。

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