ラベル スポーツ障害 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル スポーツ障害 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年2月12日火曜日

陸上選手の施術

最近、駅伝大会を控えている陸上選手達が次々と来院。その中の一人がAMPCRTを併用している佐渡市の先生の施術を受けていたらしく、その先生が当院を紹介してくださったそうだ。その選手は佐渡市の先生を信頼されている様子で、同じ療法をする施術者がいると、他のチームメンバーにも紹介してくれたようだ。数えると7名も来院してくださった。全ての選手が次の来院日には症状の改善を報告してくださり、心の底から喜んでいただけているのが感じられる。

ほとんどの選手がそれぞれに足や腰の問題を抱えていた。それに加えて慢性的なアレルギー性鼻炎で困っている選手、あるいはメンタル関連の症状で悩んでいる選手もおられ、それぞれに症状に合わせて施術させていただいた。スポーツ選手は前向きの方が多く、自分自身の身体の感覚を熟知している。そのためどこに不調があるのかも感じやすく、良くなった時の感覚も明確に分かりやすい。そして、改善した際にはその場で施術効果を感じてもらえるので比較的治療が進め易い。

これもAMPCRTの研究を長年継続してきた成果だとスタッフ一同で喜んでいる。これからも、セミナー活動を広げて、全国で安心して施術を受けることができる治療院が増えることを願う。

2016年9月1日木曜日

投球恐怖症、イップスの改善例とその注意点

経緯

14歳の中学生男子、野球部に所属しており、ピッチャー希望ではあるが、ファーストも守っているらしい。一週間前からほとんどのスローイングができなくなったとのことで、最初はお父様からの電話で問い合わせがあり、スタッフに当院でのイップスの改善事例などを尋ねたらしい。小学2年生の頃から野球を初めているとのことで、詳しく聞いてみると、以前からイップスの徴候があったようだ。お父さんもイップスの経験があり、相当に悩まれたらしい。また、お兄さんも高校二年生のときからイップスを発症し苦しんだという。お父様は、自分や長男の経験から次男はもう野球は止めなければならないだろうと心配しつつも、何とかイップスを治す方法はないものかとインターネットで検索し、当院にたどり着いたらしい。

1回目の施術

まずは、身体的なエネルギーブロックの検査で、頭部全体の反応点に陽性反応が示された。送球イメージの検査でも陽性反応。興味深かったのはすべての送球で陽性反応が示されたことだった。問診でもすべての送球で投げることができないとのことだったが、一応、生体反応検査法で確認した。すべての送球に関する検査で陽性反応を示すイップス患者は、比較的珍しい方で、もしも、イップスに程度があるとすれば、重症の部類に入るだろう。
PCRTの検査では、大脳辺縁系→信念に反応が示され、信念チャートの検査で、いくつかのキーワードで反応が示され、PCRTのプロトコルに従って施術を行った。

2回目の施術(前回施術から3日後)

1回目の施術後には、お父さんとキャッチボールをしてみたらしく、お父さんによるとある程度治っていたのでそのときは安心したらしい。でも、ボールが浮く感じがあるとのこと。大脳辺縁系→信念という検査結果から、信念チャートで示されたいくつかのキーワードで施術を行った。また、イップスの患者に陥りやすい、スローイングのフォームはこうあるべきといった、いわゆる「技術論」に意識を向け過ぎた誤作動記憶が示されたので、「技術論」に意識を向け過ぎる弊害を分かりやすく説明し、意味記憶と合わせて切り替えた。

3回目の施術(前回施術から4日後)

前回の施術から数日で試合があり、その試合にピッチャーとして先発で登板。しかし、一回で交代させられたらしい。「えっ先発したの・・・」という感じだったが、恐らく、ある程度イップスの症状も改善され、監督さんも先発で起用できると判断したのだろう。思うように投げることができずに、監督に交代させられ、後でひどく叱られたという。2週間前にほとんど投げられない状態から2回の治療で、いきなり先発投手を務めるのは早すぎたかな~と思ったが、その経験も誤作動記憶を引き出すうえでは必要だったかもしれない。その試合を振り返りながらピッチングを想像してもらうと誤作動記憶の反応が示されたので、PCRTのプロトコルに従って施術を行った。このとき印象的だったのは、自分の理想のピッチングのイメージができないことだった。自分のベストな投球をイメージしてみるように促すと多くの投手は想像できる。今まで理想の投球をイメージする訓練はしたことがなかったのだろう。そこで、「プロの選手でも先輩でもいいから、理想のピッチャーを想像してみて・・・」と質問すると、2つ年上の先輩のピッチャーが自分の理想としてでてきた。モデルとなるピッチャーを自分に置き換えて、あたかもその理想のモデルのように自分が投球している想像をするように促した。そして、生体反応検査法を行うと、不一致の反応が示されないので、そのイメージを使ってエピソード記憶の施術を施した。さらには自分の理想となる先輩のように投げている自分自身のイメージトレーニングもアドバイスした。

4回目の施術(前回施術から2日後)

初診時から反応が示されていた頭部全体の反応点の検査では、すべて陰性反応が示されていた。キャッチボールやピッチングでも陰性反応が示され、かなり誤作動記憶が改善されていた。他に違和感のある場面を本人に尋ねてみると、大分改善されているが、ノックでゴロがきてホーム(キャッチャー)に投げる際に違和感があるという。検査をしてみると「恐れ」というキーワードが示された。思い当たる「恐れ」を尋ねてみると、送球の際、ノッカーや後ろの人に当てるのではないか、さらには、もしも、暴投したり、人に当てたりすると、周りからどのように思われるかが恐れになっていた。PCRTのプロトコルに従って「恐れ」に関係する誤作動記憶を消去した。治療を終えて、付き添いのお父さんに聞いてみると、最初に比べると随分よくなっているとのこと。最初に電話で応対してくれたスタッフの言葉を信じてよかったと喜んでおられた。

考察

4回目の施術から2週間ほど来院がないので、恐らく改善されているのだろう。もしかすると、まだ、どこかに誤作動記憶が隠れているかもしれないが、改善した経験も踏まえて、問題があれば来院してくれるだろう。お父様によれば、監督さんがとても厳しい方で、その影響もあるのではないかと心配されていたが、生体反応検査法では、監督さん関係の誤作動記憶は示されなかった。イップスの症状を発症してしまうと、多くの選手が「技術論」に救いを求める傾向にある。イップスで治療に来られる選手には毎回のように説明する内容だが、イップスは「技術論」で治るものではない。治らないどころが、技術に目を向け過ぎると治りが悪くなる。イップスは「意識」と「無意識」の不調和によるもので、特に「意識」という「理性」による判断が「無意識」の「感性」、「本能」、「身体」をぎこちなくする。「意識」の部分が「無意識」に向かって、フォームや技術をああしろ、こうしろと命令すればするほど、「無意識」がいうことをきかなくなり悪循環に陥る。イップスを克服するためには、まずは、「無意識」の心の状態を知ることが第一で、そこに「判断」を入れずに、ありのままを受け入れるこが重要である。そして、「どのように投げる」よりも「何のために投げる」ということを念頭に整理して投げることが大切である。身体はその目的に応じて、必要なフォームで投げてくれるはずだ。特に周りの指導者は技術的な指導に注目しがちになる。それも選手にうまくなってほしいという純粋な気持ちからなのだが、技術論に走り過ぎて、成長の芽を摘む危険をはらむので注意が必要だ。技術論が大切な場合もあるかもしれない。でも、「どのように○○しなさい」というよりも、「なんのために○○するのか」という質問を相手に投げかけた方が、数倍上達が早まるだろう。それはなぜだろうか?言うまでもないが、本人が主体的にその行動の目的を考えることが大切だからであるまた、人それぞれに体型や性格も違うので、ベストの技術というのはそれぞれに様々である。結果的に本人自身が苦労して紡ぎ出した技術がベストであって、ベストな技術が最初からあるものではないだろう。
イップスを克服するために、「意識」的に技術(フォーム)を「外」から部分的に変えようする傾向にあるが、多くの場合、それはうまく改善されないどころか、不自然になり、本来の能力が引き出されなくなり、足かせにもなる。イップスを本質的に治すためには、「無意識」的な全体像にアプローチすることが大切である。つまり、「内」から全体的に変えていかなければならない。例えば、ピッチャーであれば、「どのように投げるか」よりも「どんな球を投げたいか」という質問の方が、「意識」から「無意識」へ、「部分」から「全体」へ意識が向きやすくなる。多くの投手は、「伸びるような球を投げたい」という答えが返ってくる。すると、脳(無意識)では、伸びる球を投げるために自然にフォームを創るので、イップスという誤作動が入る余地がなくなる。
「理屈でうまくなる」というよりも「自然にうまくなる」という経験を多くのスポーツ選手が体験しているだろう。「自然にうまくなる」選手の多くは、目的意識が明確にあるようだ。目的が明確になることで、身体は無意識に自然に働いてくれる。目的が不明瞭なのに、身体を部分的に意識でコントロールしようとしても、無意識の脳は全体的に不調和を示すだろう。いくら脳の記憶装置が優れていても、入ってくるデータが不明瞭では、脳の計算処理が混乱して「正しい答え」がでてこなくなる。すると全身の筋肉に伝えられる指令が混線してミスも多くなる。要するに身体の筋肉の一部は「意識」的にコントロールすることができるが、全体の筋肉を「意識」的にコントロールすることはできない。全体をコントロールしているのは「無意識」的な脳であって、指、肘、肩、腰のように部分を同時に「意識」でコントロールすることはできない。
イップスを改善するためには、「外」から「内」へ、「意識」から「無意識」へ、そして、「部分」から「全体」へという考え方が大切になる。また、イップスを治すためには単に肉体へのアプローチや技術的なアプローチ、あるいは精神論的なアプローチだけではなく、心身相関という肉体面と心理面との関係性でアプローチすることが大切で、その背後にはコーチングのコンセプトや技法が使われている。

2016年8月22日月曜日

オリンピック選手のコメントに変化が・・・


今日でリオのオリンピック閉会式を迎えました。今回のオリンピックは単に競技だけでなく、選手のメンタル面に興味が注がれました。先日、たまたま目にしたオリンピックのテレビ番組で、重量挙げの競技で銅メダルを獲得した三宅宏実選手が試合後のインタビューを受けていました。インタビュアーが、「最後は、どのような心境で競技に臨んだのですか?」と質問すると三宅選手が「2回目は失敗しているので、後は、天に任せるだけで・・・」というようなコメントしていたのが印象的でした。大会前に腰痛が悪化したとのことで、恐らく最後は開き直って「無心」で挑戦したのでしょう。

最近、スポーツのメンタルトレーニングやコーチングなどの手法がだんだんと広く浸透してきているのか、スポーツ選手のコメントに変化が表れているように感じます。オリンピック選手ともなれば、国レベルの期待や世界からの注目度から生じるプレッシャーは、計り知れないものがあるとオリンピックを経験した多くの選手は語っているようです。「オリンピックには魔物がいる」と、体操で金メダルを獲得した内村航平選手が話していたそうですが、後に「魔物は自分自身で創りだしている」ということが分かったらしく、後輩の白井健三選手にアドバイスしていたといいます。

通常、ミスするはずのない場面でミスをしてしまうと、「何かにやられた!」と思いがちになり、「魔物」などのせいにしたくなりますが、実は自分の無意識が引き起こしているのです。「魔物」というのは、私なりに表現すると「無意識の誤作動」なのですが、この誤作動が生じる傾向は、深い心理面に関係するようです。私の心身相関に関連する臨床経験でも多くのスポーツ選手が、本来の実力が発揮できなくなるような誤作動記憶のパターンが浮き彫りにされることがあります。

選手それぞれに異なる誤作動記憶の背景がありますが、多くの傾向として、優勝して自分がチャンピオンの立場になると、「守り」に入ってしまう傾向があるようです。「守り」と対照的になるのが「挑戦者」の精神です。試合のパフォーマンスをサポートさせていただいている選手には、次の対戦相手やパフォーマンスを想像してもらい、心身相関的に「誤作動記憶」がないかどうかを検査します。自分の置かれた立場や地位を守るような気持ちで試合に臨むイメージをすると誤作動反応が示され、挑戦者の気持ちで試合に臨むイメージをすると、誤作動反応はなくなる傾向があります。

多くの選手は勝つために試合をしているので、「絶対に勝つ!」という意気込みで試合に臨むわけですが、「絶対に勝つ」という意識は身体機能に誤作動を生じさせやすくなる傾向があります。それよりも、「普段の練習通り」という思いで試合に臨むと、本来の実力が発揮され、理想的なパフォーマンスができる選手が多いようです。

今回、惜しくも4連覇を逃した吉田沙保里選手の試合直後のコメントから察するに、「・・・で申し訳ないです」あるいは、「日本選手の主将として、金メダルを取らないといけないところだったのに、ごめんなさい」というようなコメントは、多くのプレッシャーを背負って臨んだことが伺えます。もしも、「普段の練習通りに・・・」という思いだけで戦っていたら本来の実力が発揮できていたのかもしれません。それは単なる勝手な予測にしか過ぎないですし、相手がいる競技ですので、相手の実力が上回っていたのかもしれません。

「勝っても負けても、今まで練習してきた通りに全力が出せる」と、心の底から思えることができればいいのかもしれませんが、無意識の心はそれほど簡単ではないようです。

選手によっては、「周りからの声援が大きいほど、実力がだせる」という傾向の人もいますが、本番での無意識の誤作動記憶のパターンがあるかどうかは、事前に検査をすれば分かります。孫子の兵法に、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とあります。敵の実力やメンタル面も含めた現状をしっかりと把握し、自分自身の実力や深いメンタル面も良くわきまえて戦えば、勝ち続けることができるということです。

昔から武道においても「無心」になることが重要視されています。スポーツ選手が勝利したとき、「無心で走りました!」「何も考えていなかったです!」などという「無心」であったであろうコメントを聴くことがあります。恐らく、それは「ゾーン」か「フロー」といった状態の時のことで、そのときに多くの選手はピークパフォーマンス、すなわち最高のパフォーマンスが発揮できるとだといわれています。

スポーツ選手をサポートする治療者として、単に肉体面だけでなく、このような隠れたメンタル面のケアができるかどうかはとても重要な役割になると思います。多くの治療者がもっと本質的なところに興味をもっていただき、活躍する選手の縁の下の力持ちになってくれればと願います


2015年11月3日火曜日

「部分」と「全体」との調和

先日は、偶然にも同じような原因パターンを抱えた患者さんお二人が来院された。主な症状は関節痛。原因となる本質な無意識的な思考パターン、すなわち「誤作動記憶」の性質が同じだった。

症状の原因から結果の大まかな流れをまとめると、無意識的な思考パターン⇒神経系への誤作動記憶⇒筋肉・関節の機能障害⇒症状

一人目の患者さんは、股関節と腰の痛みを訴えて来院。趣味でダンスをされている患者さん。以前はラテンを熱心に練習されていたが、最近になってモダンバレエを練習されているとのこと。

「練習の際にはどこを意識していますか?」と尋ねてみると、背筋を意識されているとのこと。PCRTの検査をしてみると、神経系に誤作動があることを示す陽性反応が示される。

今度は、「ご自分が理想となる全体的なイメージはできますか?」と尋ねると、最初は「???、あ~プロの人が踊っているイメージならできます・・」

「では、ご自分がプロの人のように踊っているかのようなイメージをしてみましょうか」

PCRTの検査をしてみると、誤作動反応は示されない。

「部分だけ意識し過ぎると、パフォーマンスが悪くなるので、全体的な理想のイメージをされたほうがいいですね」

二人目の患者さんは、肘関節の痛みを訴えて来院。高校の水泳部に所属しており、最近、本で腕の使い方や腕の働きに関係する筋肉の使い方の情報を独学で学んだとのこと。

「泳ぐときはどこを意識していますか?」と尋ねると、水をかく際の腕の使い方だという。

そのイメージで、PCRTの検査をしてみると誤作動反応が示される。

「部分的な技術ではなく、理想的な泳ぎになる全体的なパフォーマンスを意識して泳ぐイメージではどうですか」

そのイメージで、PCRTの検査をしてみると誤作動反応が示されない。

ということは、運動の種目は異なっても、共通する点は、部分的な技術改善を試みて練習すると、かえってパフォーマンスも偏り、神経や筋肉の働きが不調和になって、関節痛や筋肉痛などの症状を生じやすくなるということになる。

これは多くのスポーツ障害に共通する原因の一つである。パフォーマンスを向上させるために、指導者や教本など様々な技術論を指導されたり、学んだりすることで、いつの間にか、意識が身体の「部分」ばかりに偏って、「全体」との調和が保てなくなる。そして、かえってパフォーマンスが悪くなったり、故障しやすくなったりする事例は少なくはないようだ。

スポーツの技術を向上させるための部分的な指導を受けることも大切だが、「部分」と「全体」との調和は必須条件。むしろ、理想の全体的なパフォーマンスを先にイメージして、後から身体の部分がそのイメージについてくるという考え方の方が、自然にバランスが取れて技術も向上できていくようだ。

これは、人生におけるパフォーマンスという大きなゴールにおいても、同じようなことがいえるのではなかろうか?

例えば、人生において、仕事、家族、お金、家や車、健康、人間関係など様々な課題がある。どれも大切な課題であるが、もしも、お金や物質面だけの豊かさばかりに目を向け、健康面や人間関係をおろそかにしてしまうと、人生全体のバランスはどうなるだろうか?

大切なのは、自分にとっての人生をどのように過ごしていきたいのかという「全体」と、それを可能にさせる「部分」との調和ということになるだろう。「部分」と「全体」との調和は、スポーツに限らず、人生全体にも影響を及ぼすということを、常に意識しておく必要があるようだ。

2015年10月28日水曜日

治療効果を引き出す「エネルギー医学の目」「心身相関医療の目」「脳科学の目」

最近、「患者教育手法」が治療効果を引き出すうえで必修条件になるということをつくづく感じる。特に心身条件反射療法(PCRT)のように、通常医療とは異なる考え方で治療を提供する場合、多くの患者さんが一般常識的な「西洋医学の目」で診てもらうことを期待しており、最初は不思議な治療と思われる傾向が強い。また、施術者も「西洋医学の目」で診る知識や検査技術を訓練することで、患者さんからの信頼を得ようとする傾向があるだろう。それも大切な信頼関係になるかもしれない。

その一方で、西洋医学的に基づく一般常識的な知識が、自然治癒力を妨げていることも少なくはない。例えば、身体の構造面や機能面ばかりに目を向けて、「心と身体の関係性」には目を向けようとしない。あるいは身体の不調は、身体の構造や機能異常だけにあるという思い込みが強い場合、その「信念体系」は自然治癒力の妨げになることがある。

例えば、先日来院された中学生女子の場合、病院で腰椎分離症と診断を受け、3か月間ほどコルセットを着用していたそうだ。腰痛は約一年半前から、肩関節の痛みは5か月前からあり、頻繁に痛みを繰り返しているとのこと。週に5日バトミントンの練習を行っており、特定の動きができなくなっているらしい。

初回の施術では、肉体面の機能異常障害を脊柱中心にAMで調整した後、さらにメンタル面との関係性による誤作動記憶の調整を行った。特に「恐れ」に関するキーワードは、肉体面に影響を及ぼしていた様子。症状が改善されないことによって、バトミントンの試合に負け、さらには練習が楽しくなくなり、最終的にはバトミントンを辞めることになるのではないかという未来へのネガティブな空想が関係していた。

2回目、8日後の来院日、初診時の症状はかなり改善されていたが、腰に違和感があるとのこと。PCRTの検査をしてみると、「意味記憶」の誤作動が関係していた。脊椎分離症との診断を受け、無意識的に動きを制限していたようだ。「意味記憶」とはどのような影響を及ぼすのかという本質を分かりやすく説明して調整を行った。

その後、二回ほど来院され、腰痛や関節痛はほとんど良好とのことで喜んでいただいている。もしも、このような「意味記憶」による誤作動記憶の調整をしていなければ、恐らく腰痛の慢性化は継続していただろう。施術によって肉体面のバランスをしっかりと調整しても、無意識の脳は、繰り返し慢性症状を引き起こさせていただろう。

このように、慢性症状を本質的に改善させるためには「意味記憶」や「エピソード記憶」に関係する誤作動記憶の調整はとてもパワフルだと感じる。ただし、このような治療法はほとんど一般には知られていないので、「西洋医学の目」で診てもらうことを期待している患者さんにはあまり効果が引き出されないかもしれない。

PCRTの「誤作動記憶を調整する」という治療法の意図や理屈をある程度納得していただけているかどうかは、治療効果を引き出すための前提条件になるだろう。PCRTの治療法の説明、いわゆる「患者教育」は、患者さんとの信頼関係を築いて治療効果を引き出すためにはとても大切な要因になるだろう。PCRTを希望される患者さんには「エネルギー医学の目」「心身相関医療の目」「脳科学の目」で診ているということをしっかりと理解していただけるように努めたい。

次回のPCRT研究会では、PCRTの患者教育手法や「意味記憶」や「エピソード記憶」の上級編もご紹介させていただく。

2015年9月9日水曜日

自己ベストの更新!! 未来への挑戦者

前回ご紹介させていただいた、水泳選手が大会で自己ベストを更新して、個人種目とリレーで九州大会に参加できるとの報告をいただいた。

試合前での検査でも安定した状態だったので、おそらくいい結果がでるだろうと期待はしていたが、実際の競技では何が起きるか分からない。

実際の競技でのパフォーマンスを何度もシュミレーションして、誤作動の緊張を取り除き、ベストな状態が維持できた様子。想定以上の結果がでたことにとても自信が持てたようだ。

興味深かったのは、ある程度、九州大会に参加できるタイムが出せるようになると、本場で、そのタイムが、維持できるようにと、「守り」に入る潜在意識がブレーキをかけていたことだった。

この「守り」に入るパターンは、潜在意識が生じさせる誤作動なのだが、スポーツ選手がある程度の成績を掴んだ時に陥りやすいワナでもある。

この「守り」に入るワナは、スポーツ選手に限らず、様々な分野でも生じるワナで、知らず知らずのうちに自分の能力を制限してしまうようだ。

例えば、組織の中である地位に就いたとき、その地位や立場を守ろうとする意識が潜在的に働いて、周りの人の動向ばかりが気になって、自分の更なる成長にブレーキをかけてしまうこともあるだろう。

長年、このような本質的な治療やパフォーマンス向上のお手伝いをさせていただいて感じることは、人は常に「挑戦者」としての立場を忘れないようにしなければ、自分で自分の能力にブレーキを掛けてしまうということだ。

何かにチャレンジし続ける心は、人を成長させ、心を豊かにさせてくれる原動力になると思う。

挑戦者であり続ける人は、さらに未来に向かって羽ばたき、輝き続けるだろう!

2015年8月27日木曜日

全体(脳)と部分(身体)のシステム調和に基づくパフォーマンスの向上

「タイムが順調に伸びてきているので、今度の九州大会には参加できそうです!」

と、報告してくれたのは、水泳部に所属する高校男子生徒。中学の時からファミリーカイロを利用していただいている。勉強もスポーツもまじめに取り組むスマートで素直な好青年という感じ。

中学ではバスケット、高校では水泳部に所属して、当初は、水泳部専属のコーチがいないため、どのようにトレーニングすればいいのか迷いもあった様子。本を読んだり、ビデオを観たりしながら、いろいろと研究されていた。

関節の痛みや筋肉の張りなどを訴えて来院され、その都度、原因を特定して施術をおこなってきた。また、理想のパフォーマンスを特定して実践で試すということを繰り返し、水泳のタイムもだんだんと伸びてきたとの報告をいただいた。

その中でも特に効果的だったのは、メンタル的なサポート。メンタル面といっても、心を強くするなどというような精神論的なことではない。ベストなタイムを得るためのマインド設定やベストな泳ぎを実現させるための全体的なイメージ設定など、ご本人にとってのベストなパフォーマンス達成を心身条件反射療法でサポートさせていただいた。

まず、泳ぎのフォームで問題になったのは、泳ぎ方の教本や雑誌などに影響する技術的なこだわり。この部分的な技術面へのこだわりは、脳に誤作動を生じさせやすく、関節の動きが全体的に調和されずに、痛みなどの症状を生じさせやすい。

これは、水泳に限らずあらゆるスポーツ選手に共通することで、部分にフォーカスした技術面のこだわりは、指導者によっても生じやすい。部分的な技術指導が悪いというのではない。技術を修得する上で時には部分的な指導が必要なこともあるだろう。ただし、「全体」と「部分」との調和が伴うということが重要である。

「全体」と「部分」の調和を言い換えれば、「脳」と「身体」との調和といえるだろう。よくあるパターンは、「全体」よりも「部分」が先行してしまう誤作動である。バランスの良いパターンは、まずは、理想的な全体的なパフォーマンスのイメージが先行して、次に部分的なパフォーマンスが、後から自然についてくるという心と身体の状態である。

例えば、股関節や膝の角度を何度位で動かすなどの部分的なイメージ先行して、全体的な理想の動きのイメージが不明瞭な場合は、脳と身体が調和できずに、関節に傷害を生じやすくなる。人間は、ロボットとは異なり、システム的に統合された生命体である。部分を修正すれば良くなるというものではない。

人間がベストなパフォーマンスを実現するためには「全体」と「部分」を切り離すのではなく、統合的なシステム思考で調和させることが大切であろう。


2015年4月3日金曜日

コア・マッスル強化トレーニングで腰痛? (コーチング手法を取り入れた症例)

高校2年生。進学校に通い勉強も熱心で、水泳の練習もまじめ、将来がとても楽しみな優秀な青年である。

最近、本屋さんで水泳選手のための体力強化が解説された本を購入したとのこと。書かれている練習方法が納得のいく内容だったので、それを参考にして腰部のコアトレーニングを始めたらしい。なぜか、そのトレーニングを始めると腰痛を感じ、泳いでいても腰に違和感があり、スムーズな泳ぎができなくなっているとのこと。

腰部に関連する全体的な検査では、個々の筋肉バランス異常はあまり見られない。そこで、コアトレーニングのイメージをしてもらうと、明らかに誤作動の陽性反応が示される。また、泳ぐイメージをしてもらったところ、それもまた陽性反応が示される。

コアトレーニングを始める数か月前に来院された際にも、水泳のイメージで反応が示され、その誤作動の治療をしていたので、直感的に、これは、新しく始めたコアトレーニングが関係しているのではないかと思った。

恐らく無意識的に、身体のバランスがコアトレーニングの方に傾きすぎて、何のために泳いでいるか脳が混乱している状態なのかもしれない。

脳の身体の関係性を探索するために、コーチング手法を取りいれながら、生体反応検査を行い、関係性による誤作動の陽性反応を観察。

「泳ぐ目的は何ですか?」

「えっ、早く泳ぐことです・・・」

「早く泳ぐというと、明確なタイムのゴールがあるということですね。そのタイムに達するとどうなるのですか?」

「九州大会・・・インターハイ・・・」いろいろなキーワードが出てきて、「インカレ???」でも大学では競技というよりも楽しんで泳ぎたいかもしれない・・?」

このような質問しながら、同時に生体反応検査をしていると、段階的な複数の目標のイメージに対して、陽性反応が示されていたので、「その数値的なゴールが得られたときと、あるいは、そこに向かっている途中のプロセスで得られる『モノ』はなんですか?」という深い質問を投げかけた。

「?????得られるモノ???」

「すぐに答えられるような質問ではないかもしれませんので、ホットパックの間に考えてみてください。」

10分後

「どうですか?」

「難しいですね・・・」

「この質問は、人の行動の背後にある価値観、分かりやすくいうと心のエネルギー源のような『モノ』を尋ねた質問です。」

「その価値観の例として、このようなキーワードがあります。」

「安心・安定」「刺激・変化・挑戦」「存在感・重要感・特別感」「つながり・愛情」「成長」「貢献」

「これらの言葉で、心に響くキーワードはなんですか?」

「挑戦」ですね。

「そうでしょうね。○○君は、例え目の前にあるゴールを達成したとしても、次を目指して挑戦し続けるでしょうね・・・」

「ゴールに挑戦することが心の栄養素になっている感じですか?」

「はい(笑)」

「では、そのことを十分に感じながら泳ぐイメージをしてみてください。」

「そのイメージで検査をすると、誤作動の陽性反応はでていませんね。」

「それでは、その挑戦というご自分が大切にしている価値観を意識しながら、先ほどのコアトレーニングのイメージもしてみてください。」

「それも陽性反応はでていませんね。」

「それでは、目の前のゴール、あるいはコアトレーニングに意識が向き過ぎて誤作動を起こしていたパターンから、ご自分の大切な価値観を意識してゴールに向かっている健全なパターンに切り替える治療をしましょう。」

治療後、

「あっ、はっきり見えるようになった・・・」

いきなり、何かと思ったら、天井に貼っている視力検査の記号が、治療前はぼやけていたのに、治療後にはっきり見えるようになって驚いたそうだ。

直接的に心因性視力障害の治療をしたわけではないが、間接的に視力が改善されたようだ。

コアトレーニングも大切だが、ゴールに向けた自分の価値観や信念などのメンタル面を統合させてトレーニングすることがもっと大切だという学びがあった。

施術にコーチングを取り入れて、総合的な視点で診て、効果を発揮した症例である。

2014年7月21日月曜日

疲労骨折からの改善!

【来院時の現症】

14歳女の子、中距離の陸上選手。2か月ほど前より右の踵が痛くなり、来院された時には部活の練習ができない状態で、痛みは毎日感じているとのこと。ファミリーカイロを来院する6日前に整形外科医院を受診。レントゲン検査で踵骨の疲労骨折の診断。投薬、貼り薬、電気低周波治療を受け、3回ほど通院されたとのこと。足のアーチを支える足底板装具も装着されていた。普通に足を着いても痛みがある状態だったで、最初から爪先立ちなどの負荷を掛ける検査は行わなかった。

【初診時施術】

最初の筋抵抗検査では、特に足のアーチを構成する筋肉、右下肢全体の筋群の弱化反応が診られた。アクティベータ・メソッド(AM)で検査を進めていくと、特に足関節周辺部、ならびに腓骨周辺の神経関節機能障害の反応が示された。PCRT(心身条件反射療法)の施術では走る際のイメージや爪先立ちのイメージ、陸上関係の心配事などの誤作動反応が示されたので、合わせて施術を行った。

施術後は両足である程度爪先立ちができるまで改善。付き添って施術を見ていただいたお母さまにも、ある程度の信頼を得られたようで、当院での継続治療を希望された。「継続通院されるのであれば、今日からでも足底板は付けないほうが治りが早いので、足底板は外されたほうがいいですよ」とご指導させていただいた。

【2回目の施術】

片足立ちで軽く屈伸運動をしてもらうと、左右ともにふら付いて不安定な状態。平衡感覚の異常を疑い、三半規管の検査をしてみると複数の眼球方向で反応を示す。幼いころから乗り物には酔いやすいとのこと。三半規管のバランス調整も行い、三半規管に関連する神経学的機能の向上を目的にリハビリ運動の指導を行う。

【3回~6回目の施術】

だんだんと症状が軽減していき、通常の日常生活では痛みをあまり感じなくなってきた。五日目の施術後に試しにジョギングをしてみると5分後ぐらいで痛みが生じたので中断したとのこと。

【7回目~13回目の施術】

陸上の練習も自分のペースで少しづつ始めながら、13回目の来院日には、ジョギングをこない、全力の7割程度で走ってみたけれども痛みがでなかったとのこと、検査でも骨盤と脊椎以外、患部の足の反応は示されなかった。当院で施術を初めて40日後、12日後には中体連が控えていた。

【14回目の来院】

通常の練習を行っても痛みを生じなかったとのこと。片足立ちでジャンプを繰り返してもらうと、痛みはないが、何かスムーズさに欠ける。尋ねてみると、「右足は、何かジャンプの仕方が分からない感じ・・・」という。「ジャンプの際はどこに意識を向けていますか?」と尋ねてみると、足に向けているという。そのパターンを検査してみると、緊張パターンの反応を示した。

そこで、足ではなく身体が宙に浮いている感じを意識してジャンプしてみてはどうですか」とアドバイスし、その感覚で検査をしてみると、緊張パターンが示されない。緊張パターンも施術で切り替えて、実際にジャンプをしてもらうと、今度は、左右同じようにジャンプができるようになった。

今度は、実際のレースの際の意識はどこに向けているかを尋ねてみると、足の運び方など、足に意識を向けているとのことで、その意識での走りも「緊張パターン」を示していた。そこで、「何かに引っ張られたり、何かに押されたりして身体が浮いているような感覚で先を意識して走ったりするイメージに変えてみてはどうですか」と、意識を体の部分に向けるのではなくその先にあるものに向けるようにしてはどうですかと提案し、自分なりの感覚でイメージをしてもらった。

すると、先ほどの「緊張パターン」は示されなかったので、そのイメージで走る練習を実際にしてはどうですかとアドバイスさせていただいた。

【15回目の施術】

部活でのジョギングには支障がなかったが、足底部に少し違和感があったとのこと。検査をしてみると、右足の縦のアーチを創る関節部と足底筋の機能異常が診られた。アクティベータ器にて調整後、肉体外のエネルギーブロック(PCRT検査による)が診られたので感情面による誤作動を調整した。週末には中体連が控えており、部活が終わる「喜び」と部活が終わった後に勉強を頑張る「期待」という前向きな感情が絡んでいた。大会を前にして、順位やタイムのことも大事なのかもしれないが、それよりも中体連最後の大会を前にして、何か将来に向けたすがすがしさを感じさせてくれた。

【考察】
一般医療では、疲労骨折の治療となると、少なくとも2か月から4か月は安静が必要とされる。恐らく当院で施術を行わなければ、足底板でしばらく固定して、数か月間安静を保っていただろう。長期的にはそれでも治るのかもしれないが、希望されていた最後の中体連には参加できないのは明らかだった。今年の中体連が娘にとって最後になるので、悔いのないように参加させてあげたい!」という親御さんからの勧めで当院へ来院していただいた。施術する側としては、調整すれば早期に回復させることができるという自信はあるものの、ほんとうに大会までに間に合わせることができるのかとプレッシャーがなかったわけではない。
詳しい施術内容までは述べていないが、ここまで順調に改善した背景にはいろいろな壁がいくつかあった。大きな壁の一つとして、「疲労骨折がそんなに早く治るのか」という一般常識の壁だった。病院でレントゲン診断を受け、足底板で固定してもらい、長期の安静を指示されたわけなので、骨折しているのに固定もせず、できるだけ早期に動かすように指示されるということは「常識破り」になる。その一般医療による常識として植えつけられた思考パターンからコーチング的に探索して、新しい自分の治癒力を信じられる信念体系へと変化させる必要があった。そのようないくつかの一般医療常識に絡んだ信念体系の壁を乗り越えることによって、本来持ち備えている患者自身の治癒力が最大限に発揮できた成果だと思う。
AM、PCRT、コーチングというようにそれぞれの良さを患者さんのニーズに応じて併用した症例であった。

2013年10月8日火曜日

足底筋膜炎

高校のバスケット部の女子生徒が足の裏の痛みを訴えて来院。10か月前より発症。激しく運動した際に痛みがあり、バスケットの試合ができなるとのこと。激しい動きでない限りは日常生活ではさほど痛みはないが、試合ができなくなるということは本人にとっては重い問題である。

すでにスポーツ外科クリニックを受診されており、「足底筋膜炎」の診断を受け、PRP療法を受ける。その後変化が見られないとのことで、お母様にすすめられて当院を受診された。

通常の足底筋膜炎であれば、足底筋の筋膜、腱膜付着部付近を押さえると圧痛がある場合が多いが、通常の所見は見られなかった。もしも、通常の炎症であれば、安静やPRP療法などで効果があるのかもしれない。しかしながら、本症例の痛みは単なる炎症ではないことが最初の検査で伺えた。

ハード面のバランスの検査では、足関節や筋膜などに陽性反応が示された。ソフト面の検査では。喜びや恐れなどの感情が誤作動刺激として関係しており、治療回数を重ねながら誤作動のパターンを消去していった。5回目の施術では試合の時には痛くならなかったとの報告をいただいた。

その後、偏頭痛も月に2回ほどあるとのことで、頭痛の検査をしてみると、天候の変化に過敏であるということも分かり、頭痛の原因治療もおこなった。また、過呼吸にもなるときがあるとのことで、過呼吸になる誤作動パターンの検査、治療を施した。

しばらく間隔を空けて、初診から10回目、約5か月後に来院されたが足の症状は完治した様子。過呼吸の症状が少しでたとのことで治療を施した。

本症例は、単なる炎症症状ではなく、潜在的な感情が関係した神経系の誤作動によるバランス異常で筋肉系に痛みを生じていた。通常の足底筋膜炎の治療も、単に安静や固定をするのではなく、バランス異常を引き起こしている原因パターンの特定と治療が必要である。

その原因パターンを改善しなければ、単に安静や炎症を抑える治療だけでは再発を繰り返すだろう。原因療法を行えば、人間の身体は自然に炎症を修復させるのである。バランスの調整が行われると、ほとんどの症例で治療直後に症状の軽減や消失がみられる。

原因療法による効果のカギは統合的な心身相関にある。

2013年1月22日火曜日

「ポジティブな感情」が及ぼす影響

長年バトミントンをされていた患者さんが来院。最初は肩こりと親指の付け根の痛みを訴えて来院。検査をしてみると頸部を伸展すると痛みが強く、バトミントンの練習でも上を向くのがつらいとのこと。特に朝に痛みを感じるらしい。

検査をして本人が訴えるよりもかなり良くない状態だという印象を受けた。また、病院や整骨院を受診されたが変化が感じられないとのことだった。

最初の2回の施術では、肉体面だけのバランス治療を行い、3回目の施術ではメンタル面との関係性を検査して施術を行った。特に朝に痛みを感じるということから、おそらく寝ている間に無意識に身体が緊張して朝痛いのだろうという経験的に推測した。

そこで身体の緊張を引き起こしているメンタル面に関連した誤作動のパターンを検査してみると「連帯感」と「喜び」という肯定的なストレスパターンが示されたので、関連する内容を患者さんにイメージしてもらいニューロパターンセラピーを施した。

それから4回目、5回目では経過が良く、5回目の施術日には、前回のバトミントンの試合でいいパフォーマンスができましたとのご報告をいただいた。

以下がそのインタビュー内容です。

ストレスが関節の慢性的な痛みなどに関わるということが、メディアでも取り上げられるようになってきた。しかし、ストレスというと一般的には「ネガティブな感情」だと思われがちだが、「喜び」や「意欲」といった肯定的な感情もストレス=刺激として身体に学習記憶され症状につながることも少なくはない。

将来は、「ポジティブな感情」も心身相関的に身体に影響を及ぼすということが当たり前に語られる時代が来るだろう。