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2018年9月25日火曜日

妊娠7ヶ月の妊婦さんの腰痛、関節痛の改善

20代後半の妊婦の患者さんが、腰痛と股関節、恥骨部周辺、足部周辺の痛みを訴えて来院。アクティベータ療法にて、骨盤、背骨など比較的多くの部位の調整を行なった。特に恥骨周辺部位は通常よりも多く調整した。施術後には、施術前に陽性反応を示していた関節可動制限や運動時痛は全て消失。

2回目の施術は次の日に連続して来院していただいた。骨盤と背骨を調整、恥骨部や他の四肢部の関節は安定していた。しかしながら、右側の上肢と下肢の筋肉群の機能低下と右小脳の機能低下の陽性反応が示されていたので、アクティベータ療法の後にPCRTを加えて調整を行なった。患者さん曰く、全体的に悪かったけど、どちらかというと右側の股間部の方に痛みを感じていたというようなことを話されていた。

3回目の施術も次の日に連続して来院していただいた。左の足背部が少しピキッとした痛みがあったとのこと。アクティベータ療法で調整を行う。最初の施術部位の数に比べて、調整部位がかなり少なくなり、関節系はかなり改善しているとのことだった。その日は、以前から気になっていた皮膚症状の施術もPCRTで行なった。

本症例で調整部位の記録を取ったカルテを見ると、初回から2回目、3回目と調整部位が激減していた。初回ではあまり強い痛みを訴えていなかったが、調整した後で振り返ると、おそらく痛みを我慢されていたのではないかと察した。妊婦さんは赤ちゃんがだんだんと大きくなるにつれて、その重さを支える筋力とバランスが大切である。同時に骨格も変化してくるので、腰痛や骨盤などの症状が生じやすくなる。そのような妊婦さんの関節痛にはアクティベータ療法の調整刺激は刺激が優しくとても効果的である。

妊婦さんの腰痛や骨盤痛にはアクティベータ療法がいつも好評である。

2017年12月4日月曜日

マラソン選手のケア

先日、3〜4ヶ月前より坐骨神経痛の症状があると訴えて来院。左右の臀部や左のふくらはぎに痛みを感じるとのこと。国際マラソン大会にも参加するベテラン選手。特にジョギングの後にその症状を感じるという。毎日、5〜6キロは走っており、少し軽めに練習をした際には症状が軽減するらしい。鍼治療や整体など月に2〜3回は受けているとのこと。

初回の検査では左右の梨状筋と左腓腹筋周辺の誤作動反応が示された。2日目までは主にアクティベータメソッドとPCRTの頭蓋骨、ブレインマップでハード面の調整。3回目の来院時に、以前はスピードを上げると痛みが生じていたが、前よりも速いスピードで維持できるように改善されたとの報告を受けた。それまで、スピードの変化に関して検査をしていなかったので、患者にスピードを上げているところを想像してもらってPRTの検査をしてみた。すると、誤作動反応が示された。

そこから、PCRTのソフト面の検査を行うと、早く走るイメージに加えて、タイムに関係する恐れの感情が絡んでいた。恐れの感情を想像してもらいながらブレインマップで誤作動反応を調整。その後、4回目の治療に来院。トラックのレースに参加され、調子が良くなっているとのこと。

これまでに7回ほど来院していただいた。ご本人曰く、当初の症状はかなり改善されているとのこと。誤作動反応は少なくはなっているものの、走っているイメージをしていただいたままで、症状が生じやすい部位に刺激を加えると誤作動反応が示される。長年の誤作動記憶が蓄積されているのかもしれない。脳に潜んでいる症状を引き起こす記憶をさらに書き換えることができればもっと改善するように思う。


マラソン選手に限らず身体のケアを大切にしている運動選手は、ご自身の身体の状態をよく知っている方が多い。誤作動反応を引き出す検査を行うと、選手が感じている異常部位と一致することがほとんどである。そこから一歩進んで心と身体の関係性つながるメンタル面に絡んだ誤作動反応が分かるようになると、さらに故障も少なくなるだろう。

2017年6月16日金曜日

胸背部疼痛と筋肉注射後の痛み


【術前経緯】
36歳、女性、鍼灸師、家族の介護。背中の痛みと左腕の痛みを訴えて来院。二週間前に背中の中央付近に激痛が伴い、救急車にて病院へ搬送される。筋肉注射と鎮痛剤と痛み止めを処方される。その二週間前にも肺炎で入院しており、その際の背中の痛みも痛み止めを処方されていたとのこと。施術前のVASの痛み10段階で4レベル、うつ伏せになると5レベル。家でソファーに座っていても辛く、常に痛みを感じているとのこと。筋肉注射の後の右腕の痛みは3レベル。

【目安検査】
胸椎部伸展→陽性反応
頸椎右回旋→陽性反応
右肩甲骨後退→陽性反応
右上腕骨伸展→陽性反応
呼吸(吸気・呼気)→陽性反応

【施術】
ハード面の施術をアクティベータ療法にて行う。
骨盤、脊柱、肋骨部などの神経関節機能障害部を調整、特に肋骨前面と後面部の調整にて、楽になった様子で、痛みのレベルは3まで軽減。さらに検査を進めると経絡系に陽性反応を示す。PCRTのハード面調整で経絡の胆経を調整。関節系の目安検査も全て陰性反応に転じる。痛みのレベルは0に消失。
右腕の筋肉注射の後の痛みは、ハード面調整というよりも痛みの記憶(ソフト面)が関係していたので心身条件反射療法(PCRT)のソフト面調整を行う。五感情報の身体感覚→痛覚にて陽性反応。最初に筋肉注射受けた際の痛みの感覚を想起してもらい、PCRTにて調整。痛みのレベルは3から0に転じる。

【術後評価】
背中の痛みは、アクティベータ療法による関節系へのアプローチとPCRTの経絡療法で痛みが消失。筋肉注射の後の痛みは、PCRTにて痛みの記憶にアプローチして痛みが消失。施術後、来院してよかったと大変喜んでいただいた。

治療後は痛みが消失しているけれども、痛みを引き起こす身体のクセが強いとぶり返すことも少なくはない。一回の施術で自覚症状が改善されても、施術を継続された方がいいかもしれない。そのことを説明した後で次回はどうされるか尋ねたところ、痛みがぶり返したらその時にまた来院したいとの意向。その後、二週間以上連絡がないので恐らく問題はないのだろう。

2017年5月9日火曜日

痛みの「記憶」で痛みが再現する患者さん シリーズ2

痛みの「記憶」で痛みが再現する患者さん シリーズ2

一週間後、2回目の施術に来院。

【問診】
術者「どうでしたか?」
「え〜まだ痛いですけど、いただいた資料を読んで、前回言われたことがわかるような気がします(笑)」
術者:「そうですか?それは良かった・・・」「今日も座って施術をした方がいいですか?」
患者:「いいえ、今日は大丈夫だと思います・・」
術者:「そうですか・・・それではベッドをゆっくり倒していきましょう。(内心、イタタターと、前回のように言われるのではないかと不安を感じながら・・・)
「大丈夫そうですね・・・」
患者:「はい、大丈夫ですね」
術者:前回「痛い時と痛くない時あるという話をしたと思いますが、改めてどんな時に痛みが強くなりますか」
この時、術者は患者の足元で、患者と会話をしながらPRT(生体反応検査法)を行う。
患者:「何もすることがない時(目的がない時)に痛いですね。さっきもこちらに来る時、バスの運転手さんと話しているときは何も痛くなかったですからね・・・」
術者:「なるほど・・」「では、何もすることがない時の記憶で身体が過敏反応を示しているようですので、そのときの記憶(目的がない時)を思い出してもらい施術をさせてもらいます。」
PCRT呼吸振動法を施す。
術者:「ほかにどん時に痛みを感じていますか」
患者:「そうですね。お稽古の時は痛くないのですよね・・・」
術者:「その話をしている時に検査(PRT)してみると、身体が反応していますね・・・」
患者:「そうですか?・・・同好会の役員をしているので、もしかするとそのことがストレスになっているかもしれませんね・・・」
術者:「同好会の役員の話をされている時は、身体が反応していませんね。そのときも同じようにお稽古されるのですか?」「先ほどのお稽古とどう違うのでしょうか?」
患者:「先ほどのお稽古(陽性反応)は、師匠に習うお稽古で、同好会のお稽古(陰性反応)は、習うというより、好きな人が集まって自分たちで行うお稽古です・・」
術者:「なるほど、それでは、師匠から習うお稽古でなぜ、身体が過敏反応を示しているのか調べてみましょうか・・・」
PCRT誤作動記憶チャートで検査
術者:「『自尊心』というキーワードで陽性反応が示されましたね。何かのプライドに関係することですが、何か思い当たることはありますか・・・」
患者:「・・・そうですね。お稽古はもう70年以上もやっていますから、そういう意味では他の人と比べて、経験者であるという自負はあると思います・・・また、周りからもそのような目でみられていますから・・・」
術者:なるほど、そのことで身体も反応を示しているようですので、その誤作動の記憶を思ってもらいながら調整しましょう。
PCRT呼吸振動法を施す。
その後のアクティベータ療法に切り替えて施術を始める。施術を終える途中から、
患者:「あ〜だんだんと痛みが楽になってきた。」
術者:「それは、良かった。普通、多くの患者さんで、治療するとすぐに痛みが消えたり軽減したりするので、このように、痛みが改善されるということをしっかりと覚えておいていください。そして、自分の身体が、このような治療で治るのだということを信じてもらえるといいですね・・・」

【考察】
本症例は2回目の施術を終えて、まだ途中経過だが、この調子で施術を継続してもらえると改善方向にむかうことが予測できる。通常は、アクティベータ療法から先に行なって、PCRTへと進むケースが多いが、本症例は、患者の痛みの記憶が強く、通常の施術ができる状態ではなかったので、PCRTを様々な角度から応用して、通常の施術で施術効果を感じていただいた。おそらく、次回からは通常通り、アクティベータ療法でハード面の調整を行い、PCRTのソフト面調整法へと進めていけるだろう。
初回で、「・・・痛くなってもらえますか?」という質問をして、拍子抜けした様子だったが、ユーモラスな会話も交えながら、患者さんの痛みに寄り添うことができたように感じられた。初回の検査や説明で、通常の時間をオーバーしてしまい、後の予約の患者さんたちにご迷惑をお掛けして申し訳なかったが、改めて、患者さんの痛みをしっかりと理解して問診し、わかりやすく説明することの大切さを感じさせられた。
特に病院で脊柱管狭窄症と診断されたということを気にされていた際に「レントゲン写真だけで痛みの原因が判断できるのですか?」という質問もした。すると患者さんは、「はっ・・」と何かを気づかれた様子で、そのことで不安が変わったと2回目の施術の際にもその時の「気づき」について話されていた。患者さんに「レントゲン写真は瞬間的撮影された骨格の写真なので、痛みを表している訳ではありません」と教えるというよりも、「気づき」を与えるコーチング的質問で患者さん自らが気づいていただく方が大切だと改めて振り返ることができた。
通常の病院とは異なり、我々のような施術者に対して、患者さんは様々な期待を抱く。時には、魔法のように瞬時に痛みをとってくれる人だと期待されている人もいるかもしれない。私たちはそのような幅広い期待をしっかりと管理し、そこに齟齬が生じないように努めなければならない。「何ができて何ができないのか」をわかりやすく説明して、「それぞれの患者さんのためにできることは何か」を常に考えながら臨機応変に対応することが大切だろう。