2017年2月1日水曜日

「自然治癒力」に影響を及ぼす「習慣」と「思い込み」とは

「自然治癒力」に影響を及ぼす「習慣」と「思い込み」とは
FCCニュースレター2017.2-3

医学の父と呼ばれているヒポクラテスは、そもそもからだ自体に不調を治す「働き」があると指摘し、「自然こそが最良の医者である」という方法論を提示しました。
「健康を取り戻すためには、身体の働きをよく観察し、自然治癒力の妨げになっているものを取り除くことが必要である」ということを強調しています。自然治癒力とは人間がもつ「生命力」そのものです。自然治癒力を保ち、身体を健康な状態に維持していくためには、3つの仕組みを最大限に生かしていく事が必要です。

(1)外部環境の変化に対して生理機能のバランスを保つ働き(恒常性維持)=適応力
(2)外部から浸入してくるウイルス・細菌類と戦う機能 (生体防御機能)=抵抗力
(3)傷ついたり古くなった細胞を修復したり交換したりする機能(自己再生機能)=再生力

本来、これらの自然治癒力の仕組みとなる3本柱は、私たちの身体に自然に備わっているものです。この自然治癒力はほとんどの人に平等に備わっているのです。

さて、自然治癒力=生命力を最大限に発揮させるためには何が必要でしょうか?端的に言えば、身体にどのような「刺激」を加えるかという「習慣」のバランスです。習慣とは運動、飲食、休息などです。「刺激のバランス」を図解すると以下のようになります。

「刺激ON」は、身体を使って運動したり、頭を使って思考したり、あるいは食べたり、飲んだりして、栄養素を取り入れて内臓を刺激している状態です。一方、「刺激OFF」は、身体を休息させ、心おだやかに瞑想したり、プチ断食で少しの間内臓を休めたりする状態です。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」と昔から云われているように、上手に休息をとることも自然治癒力を高めるためには大切な「習慣」になります。



もう一つ、自然治癒力に影響を及ぼすキーワードがあります。それは「意味づけ」です。いわゆる「思い込み」の事ですが、知らず知らずのうちに、自分の自然治癒力にブレーキをかけてしまう思い込みをしてしまい、それが病気や症状の改善を妨げているという場合が少なくありません。

例えば、
l   使いすぎるから〇〇関節が痛い
l   座りすぎで腰が痛い
l   枕が悪いから首が痛い
l   変形性〇〇と診断されたから、〇〇関節が痛い
l   人口甘味料は体に良くない
l   親が〇〇の病気(症状)だから私も○○になる
などです。

自分の治癒力よりも、一般論的な情報を無意識的に信じている場合が少なくないのです。ファミリーカイロではこのような思い込みを「意味記憶」として反応を引き出して施術を行います。「意味記憶」の反応に対して、なるほどと理解できる人は、ほとんど改善方向へと向かいます。

身体や心の不調の原因の多くは、ある「経験」に基づきます。その経験は変えることができませんが、その経験に対する「意味づけ」は変えることができます。「経験」は、コントロール不可ですが、経験に基づく「意味づけ」はコントロール可能なのです。言い換えると、「経験」は他責になりがちですが、「意味づけ」は自責なのです。つまり、どのように意味づけるかの決定権は自分にあるということです。これを心理学では「自己決定性」といいます。自分の自然治癒力に確信が持てるように健康的な意味づけをしていきましょう。


2017年1月31日火曜日

「ふらつき」がずいぶん改善しました!

「ふらつき」がずいぶん改善しました!

「今まで手すりを持たないと階段を歩けなかったのが、手すりを持たなくても階段をすたすた上り下りできるようになりました。」「一回の治療でこんなに良くなるなんてすごいですね。」

3回目の施術前に、上記の喜びの声をいただいた。

来院当初、腰痛、足や臀部の痛み、歩行困難などを訴えていた。様々な症状を抱えておられたので、最初は患者さんが最も改善したい症状から治療を行った。その症状もある程度改善されたので、ふらつきの症状を見させてもらった。

PCRTの生体反応検査で左右の眼球運動と、左右の聴覚刺激で陽性反応が示された。小脳系に関する検査では陰性反応が示されたので、ふらつきの症状は三半規管に関係する平衡感覚の機能異常が疑われた。

平衡感覚に関係する「誤作動記憶」を検査してみると、

大脳辺縁系→信念→慈悲心
大脳辺縁系→信念→自尊心
大脳辺縁系→信念→復讐心

「復讐心」で反応が示された場合、大きく分けると自分自身に対してなのか他人かに別れる。普通は認識し難い心なので、他人の場合は、「誰か許せない人が心の奥で記憶されているはずなのですが、思い当たる人はいませんか?」と質問させてもらう。

その質問に対して、思い当たる内容を考えようとする人は、大抵心当たりが見つかる。最初から考えもせずに「許せない人なんていません!」というような答えが返ってくる人は、そのような質問を受けたくないのか、答えたくない人が多い。言い換えると自分自身の無意識に素直に気づいて、本質的な健康やさらなる成長につなげたいというところまでは望まれていないのである。そのような患者さんには、それ以上の質問や検査は行わずに、他の施術に切り替える。

本症例の患者さんも、そのキーワードで陽性反応が示されたことに、一瞬、「えっ」という表情をされたが、「頭では許せても、心の奥で棘のようにひっかかっているような人はいませんか?」という質問で、
「いますね。口では言えないけど、心の奥でチクショ〜と思っている人ですね」と思い当たる人を思い浮かべてもらうと、生体反応検査で陽性反応が示された。

そこでPCRT施術を行うと、最初の検査で示されていた左右の眼球運動や聴覚刺激の陽性反応が消失した。

そして、次の日の3回目の施術前に冒頭の喜びの声を聞かせていただいた。
ふらつきの症状が一回の施術で改善された症例の一コマである。

注)本症例のように一回の施術でふらつき症状が改善されたからといって、ふらつき症状の患者が全て一回の施術で治るとは限らないので、あえて明記しておく。


2017年1月30日月曜日

痙性斜頸(頸部ジストニア)の一症例

痙性斜頸(頸部ジストニア)の一症例

経過と考察

2年6ヶ月前から、痙性斜頸を発症し、常に症状を感じているが、特に歩く際、噛むとき、話すときに悪化するとのこと。来院時には仕事ができない状態で、日常生活にも支障を来しているらしい。来院時が今までの症状経過で一番悪いという。

当院に来院するまでに、鍼灸院、通常病院、メンタルクリニック、ペインクリニック上部頸椎のカイロプラクティックを受ける。病院でレントゲンやMRI検査などを受け、投薬治療、漢方薬、ボトックス注射も数回受けたが、良くなったり悪くなったりしているらしい。

症状は大学卒業前の後半ごろから発症。ゼミの活動で、リーダーとして発表したことがきっかけだったらしい。その後、社会人として入社式で人前に出る際など、緊張すると痙性斜頸の症状が生じることを自覚されたとのこと。

痙性斜頸の治療で大切なのは、自分自身の「意識」と「無意識」を理解することなので、通院を重ねてもらいながら、PCRTで示される検査結果に基づいて、今まで意識していなかった自分の「無意識」を理解しやすいようにサポートしていった。施術の後には、施術中に示された「誤作動記憶」の内容に基づいて、家で紙に書き出して、自分の無意識を再認識してもらうこともあった。

9回目の来院では、本人もだいぶん良くなって来たことを自覚されていた。特に印象的だったのは、異性に対する「誤作動記憶」の反応だった。男性(特に若い人)が目に入ると「良く見られなきゃ」と無意識に緊張が首に集中して痙性斜頸の症状が生じ、通り過ぎて視界からなくなると首の緊張が脱力するという。


痙性斜頸の原因はそれだけではないが、施術を通じて、自分の「無意識」の全体像がある程度明確になるにつれて、異性に関する「誤作動記憶」も消失した。完治というまでには至らなかったが、来院当初から比べるとかなり改善されている様子で21回で治療を終えた。