2013年12月28日土曜日

仮性近視は、筋肉系‐神経系―脳(潜在意識)の関係性による誤作動

高校受験を控えた受験生が、急に視力が落ちたとのことで、お母様の奨めで来院されました。最初は天井に貼られている張り紙がぼけて見えにくいとのことでしたが、治療後にはその文字がはっきりと見えやすくなったとのことで「えっ、見えやすくなった!!」「何でよくなったのですか??」と喜ばれていました。

近視には、仮性近視、屈折性近視、軸性近視があります。視力回復の治療で比較的に効果が出やすいのは初期段階の仮性近視、もしくは軽い屈折性近視です。仮性近視が始まる原因は様々ですが、今回の患者さんは今、受験勉強の真っただ中。毎日、集中して本やノートを見ているのでしょう。近視の原因の多くは目のレンズ(水晶体)調整に関わる筋肉の機能障害です。

視力調整はレンズ(水晶体)の両端に着いている網様体筋で調整されています。この網様体筋が緊張したり弛緩したりして、レンズを厚くしたり、薄くしたりして遠近を調整しています。もしも、この網様体筋がうまく働かなくなるとレンズの調整ができなくなり、視力が悪くなります。

この視力障害も腰痛や肩こりなどの症状と同様に筋肉系が関わっていますので、他の関節障害と同じように筋肉系‐神経系―脳(潜在意識)の関係性をニューロパターンセラピーで検査して調整を行います。

検査では主に網様体筋の機能障害を検査します。今回の症例では、「意欲」、「義務感」、「期待」、「不安」などの感情が、網様体筋の誤作動に関係していました。二回目の治療では、最初の治療後は良かったけれども、その後、勉強した後に症状が戻った感じになったとのことでした。しかしながら、二回目の治療前と治療後の視力検査では視力検査表で3段階の改善が見られました。

三回目の治療では、あまり勉強していなかったとのことでしたが、3段階の改善が維持されたままでした。さらに遠近の動きによる検査では、陽性反応が示されたので誤作動の原因パターンを検査してみると、「恐れ」の感情が奥に隠れているようでした。仮性近視の多くは心因性で単にメンタル面がいいとか悪いとかではなく、肯定的な感情も含めて筋肉調整の誤作動に影響を及ぼしています。

このように仮性近視の多くは、筋肉系‐神経系―脳(潜在意識)の関係性による誤作動で
生じることが多く、その誤作動を調整することで改善されます。しかしながら、原因があっての結果です。同じようなパターンを繰り返さないように、長時間近くを見過ぎないようにすることも大切です。近くと遠くを見る網様体筋の運動を繰り返しながら柔軟性をつけるリハビリも必要になります。

今回の症例では、見えにくくなって早めに来院されたこと、本人が眼鏡をかけたくないという本人の強い思い、そして、この治療を信頼して下さっているお母様が勧めてくださったことが良い結果につながりました。特に、小中学生の時期に眼鏡で矯正する前の段階で調整すると効果的です。

仮性近視の原因は、単に近くを長時間見続けるというだけでなくメンタル(感情)面も関わることが多いので、その関係性による誤作動を調整することで早期に改善されます。DSなどのゲームやスマホなどの利用が増えていくに伴って近視の子供も年々増えてきているようです。

近視を手術で治す方法も増えてきているようですが、危険が伴いますし、できれば眼鏡も必要のない自然の状態を維持していくことができればと願います。眼鏡が当たり前にならないように、子供の時期から視力の健康にも気を付けていきましょう。

2013年12月17日火曜日

科学的研究へのチャレンジ


先日は、PCRT上級1の研究会を開催しました。講義の冒頭では、PCRTの特徴でもある神経系レベルと刺激レベルの関係性の全体像を「単一刺激から複合刺激」、ならびそれらの刺激に関係する「ハード面調整法とソフト面調整法」との関係性をご紹介させていただきました。

代替医療の多くの施術は反射系の単一刺激によるハード面の施術がほとんどですが、本質的な治療を目指す場合、単に反射系だけでは治療効果が引き出せない場合も多々あります。症状の程度や種類、患者のタイプによって、ハード面の単一刺激で治療効果が引き出せる場合と信念(思い込み)などによって治癒力が引き出せない場合もあります。その場合はソフト面の複合的な検査刺激、ならびに治療刺激が求められます。

PCRTで定義しているハード面調整法とは、主に脊髄、脳幹部への単一刺激によるもので、反射系の作用を利用して施術効果を引き出しています。そして、PCRTが得意とするソフト面調整法は、主に大脳辺縁系と反射系への複合的な刺激によって治療効果を引き出します。さらに、信念や思い込みが関係してくると主に大脳新皮質、ならびに大脳辺縁系や反射系を含めた複合的な刺激によって治療効果を引き出します。

あくまでも仮説ですが、脳科学的な理論と一致しているのでないかと考えています。前回の中級2の研究会では、陽春堂さんとエムピージャパン㈱さんにご協力いただいて、筋電計と脳波計による計測を行わせていただき、PCRTによるMind-Bodyに関係する検査法の客観的評価の可能性を探ってみました。

私たちが検査指標としている様々な生体エネルギーブロック(EB)に対する検査法が表面筋電系や脳波計で客観的に読み取ることができるのかという試験を行ってみました。初めての試験なので色々と試行錯誤しながらの試みでした。短時間での試験ということもあり、EBの存在を証明する客観的なデータを読み取ることが困難だったものの、私たちが行っている身体の神経反射を使った検査法は、とても微細な神経学的な変化であり、さらに脳の深層部の電気的変化、あるいはエネルギー的な変化を客観的に示す必要があるのではないかと感じました。

今回の試験において、意識的に運動するなどのイメージでは脳波の波形が明らかに変化していることが読み取れましたが、我々が検査指標としているEB反応を示す潜在的感情のイメージでは明らかな波形の変化は読み取ることは少し困難に感じました。しかしながら、抑制系の誤作動のイメージでは脳波の波形が、正常部位と異常部位では明らかな変化が見られました。はじめての試みなので検査のやり方にも色々な問題があったとは感じますが、検査法のデザインをもっと工夫すれば、様々な検査法のデータを読み取る可能性は十分あるとも感じました。

今後も私たちが施術のターゲットにしている目には見えない生体エネルギーブロックや誤作動反応などの科学的研究は、社会にとっても意義深い研究だと考えています。21世紀はエネルギーの時代だともいわれているように、生体エネルギーを科学する時代でもあると思いますので、科学者のご協力を得ながら、科学的な研究にも目を向けてチャレンジしていきたいと考えています。

2013年12月11日水曜日

「恐れ」が「恐れ」でなくなるとき!


以前からメンテナンス的に利用して下さっている患者さんで、最近、重要な役職に就かれたようで、挨拶回りやスピーチでの緊張感を改善したいとのことで来院されました。スピーチでの具体的な症状を尋ねると、震えや言葉を詰まらせる、あるいはスピーチの途中で真っ白になるなどでした。「優越感」や「喜び」「意欲」などの肯定的な感情がある一方で「恐れ」の感情も関係していました。

恐れや不安などの否定的な感情が、身体面や精神面に影響を及ぼすということはよく知られています。メンタル面に限らず、自律神経系や筋肉系にも幅広く影響を及ぼします。そして、その感情治療をニューロパターンセラピー(心身条件反射療法)で施すと多くの症状が改善されます。このような「恐れ」に関係する感情の施術を終えた後にいつも患者さんにアドバイスするのは「恐れの内容を明らかにする!」ということです。

恐れを明らかにする??「えっ」・・さらに怖くなるのでは??・・と思われた方がほとんどではないでしょうか?あるいは、怖いことは考えないようにしたほうがいいのではないの??と、考えるかもしれません。しかし、ニューロパターンセラピーの臨床現場では、恐れの内容が明らかになればなるほど、治療効果が高くなり、「恐れ」に関係した身体的、ならびに精神的症状がほとんど改善されていきます。

恐れを克服するには、心を強くして、怖いことは考えないようにする!忘れるようにする!と考えている人も少なくはないでしょう。しかし、脳科学的にいうと、「恐れ」の内容を認知すればするほどその全体像が見えてきて、その情報に脳が慣れてくるのです。例えば、美味しい物を食べ続けると慣れて飽きてくる、あるいは、最初の部屋の臭いや衣服の臭いも慣れてくれば、感じなくなってくるという経験はないでしょうか?

嗅覚に関係する脳の神経細胞は、情動(感情)や記憶をつかさどる神経細胞の近くにあり密接に関係していると考えられており、嗅覚に「慣れ」の習性があるように、感情にも「慣れ」の習性があると考えられます。ただ、「恐れ」などの否定的な感情に対しては、何を本当に恐れているのかを明確にせずに、それを見ないようにすればするほど脳の中では無意識に空想して怖さが増幅することが予測されます。

「怖い」ということは、暗闇を歩いているようなもので、「先が見えない」から怖いのです。その暗闇にスポットライトを当てるとどうでしょうか?見える部分に関しては怖さがなくなってきます。さらにスポットライトを当てると全体像が見えてきて、「なんだ~こんな状態だったのか~」となるかもしれませんし、スポットライトが当たったことで、何が危険なのかも明確になり、それを避けるすべを学ぶかもしれません。

このように「怖さ」というモノは明確になればなるほど軽減してくる性質があるということを知っておくと、未来が明るくなるのではないでしょうか?未来を考えるのはあまり好きではないという人もいます。何か隠れた未来のへの怖さが潜んでいるかもしれませんし、何かを避けようとしているのかもしれません。でも、その何かを明らかにすると、何だ、それはただの錯覚、あるいは思い込みに過ぎないということになるかもしれません。なぜなら、未来というものは、基本的に不確実なものだからです。

自分の中にある「恐れ」は、明らかになればなるほど自分で支配することが可能になってくるのです。

2013年11月30日土曜日

アレルギー性鼻炎の改善 (感情を絡めた治療)

小学3年生の女の子がお母様に連れられて来院。お母様によると昨年の秋ごろから鼻炎がひどくなり耳鼻科を受診して投薬も受けたが悪化してきているとのこと。そして、最近では夜に鼻が詰まって息苦しくなり眠りにつくのに時間がかかっていること。また、前よりは改善しているが、アトピー性皮膚炎の症状も、生まれてからずっと足の方にあるらしい。

初回の鼻炎の検査では、「寒さ」という体感覚に、「恐れ」、「避けたい」、「喜び」などの感情が絡んでいた。恐れの感情は、夜の暗いところや物音などに関係していた。喜びの感情は学校での楽しい時のことだった。足のかゆみは「乾燥」や「季節の変わり目」の変化に過敏になっていた。

19日後、2回目の来院時のお母様の話によると、治療したその日から夜の鼻づまりが改善されすぐに眠れるようになったとのことで喜びのご報告をいただいた。再度検査をしてみると「喜び」という前回と同じキーワードに陽性反応が示された。今回は2回目なので具体的な質問をしてみた。喜びはお友達と鬼ごっこをしているときに、追いかけて捕まえた時の喜びで施術を行った。

「恐れ」の感情も前回と同じように夜に関しての恐れだった。質問してみると怖い夢の話がでてきた。その夢の内容を聞いてみると、お父さんが誰かに連れて行かれて、お店で扇風機を買わされている・・・???と、そこでお母さんに起こされて夢が終わったとのこと。恐らく潜在意識はその先を空想して恐れている可能性があるので、その先を質問すると、最終的にお父さんがどこか知らないところに連れて行かれて帰って来なくなるという空想が、もっとも恐れていることのようだった。その恐れの空想で施術を行った。

子供の鼻炎では夜が怖いという潜在感情が絡んでいることが多いように感じる。泣くときには涙と共に鼻水も一緒にでてくるが、恐らく潜在意識のレベルでは夜が怖くて泣くときのスイッチが入り、鼻水がでるような誤作動を起こしているのだろう。また、喜んで感動すると涙もでるが鼻水もでる。喜びのときの「嬉し涙」というのがあるように、「嬉し鼻水」になっているのかもしれない。

いずれにしろ、感情を絡めた治療はパワフルである!!

2013年11月21日木曜日

『思い込み』が健康に及ぼす影響

私たちは知らず知らずのうちに様々な医学的な健康情報をインプットして、自分の治癒力を信じるよりも、科学的情報の方を信じてしまっている人も少なくはありません。例えば、「椎間板ヘルニアだから手術をしなければ治らない。」「膝関節が変形しているから手術をしなければ治らない。」のような診断を病院で受けると多くの人はそれを信じ込んでしまいます。そのため「手術をしなくても治りますよ!」といっても簡単には変わりません。

ところが最近では、今まであまり語られることのなかった身体に及ぼす心理的影響が語られるようになりました。また、科学的研究の進歩にともなって、構造異常が直接的な痛みの原因とは限らないという真実が明らかになってきています。「変形=痛み」という考え方はとても時代遅れのように感じます。

2002年にニューイングランドの医学雑誌に興味深い研究報告が掲載されました。重度の膝痛の手術が研究対象になりました。研究を行った医科大学の外科医は、どの部分の手術が患者の苦痛を和らげるのかを明らかにしようと考えました。患者を三つのグループに分け、一つ目のグループでは、傷んだ膝の軟骨を削りました。二つ目グループでは、炎症反応を引き起こすと考えられる物質を除去しました。以上の二つはいずれも膝関節炎の標準的な手術法です。

三つ目のグループでは「偽の」手術を行ないました。患者に麻酔をかけ、標準的な手術と同じように三カ所で切聞を行ない、本物の手術のときとまったく同じようにふるまい、しゃべる内容も本物の場合と変わらないようにしました。食塩水を流して、膝を洗浄するときの音を再現することまでしました。40分後、切開した部分を縫合しました。これも本物の手術とまったく同じ手順でした。手術後は、どのグループの患者にも、運動プログラムなどの術後ケアを受けてもらいました。

結果は衝撃的でした。一つ目と二つ目の手術を受けた患者の症状は予想通りに改善しました。そして、三つ目の偽りの手術を施したグループも同じように治療効果が見られたのです!研究を行った外科医は、研究を行う前は「まともな外科医なら、手術にプラシーボ効果などあるはずがないとわかっています。」と言っていましが、その外科医はこの研究結果からはっきりと悟りました。「わたしの外科技術は、全然、これらの患者の役にたっていなかったのです。膝関節炎の手術の成功は、すべてがブラシーボ効果によるものだったのです。」

この研究はテレビのニュースでも紹介されました。プラシーボ・グループの患者が、歩いたりバスケットボールをしたりといった、「手術」前には不可能だったことをこなしている様子がビデオで紹介され、驚くべき結果を実際に目で確認することができました。この患者たちは、自分が偽手術を受けたことに、2年間まったく気がつきませんでした。

この研究成果から外科的手術にはある種の儀式によるプラシーボ効果(暗示効果)があるといえます。言い換えれば「肯定的な思い込み」です。この反対がノーシーボ効果といい「否定的な思い込み」で、椎間板ヘルニアや膝の変形のために関節が痛いと思い込むのはノーシーボ効果と云えます。

様々な健康情報、医学情報があふれている中で、その情報を信じる前に、自分の治癒力を信じましょう。誰にでもある思い込みですが、「肯定的な思い込み」をするかどうかは自分次第です。本当の健康は自分の治癒力を信じることから始まります。

引用文献:『「思考」のすごい力』 ブルース・リプトンN Engl J Med. 2002 Jul 11;347(2):81-8.A controlled trial of arthroscopic surgery for osteoarthritis of the knee.Moseley JB, O'Malley K, Petersen NJ, Menke TJ, Brody BA, Kuykendall DH, Hollingsworth JC, Ashton CM, Wray NP.

2013年11月20日水曜日

神経反射検査法(PCRT)に求められる「直観的思考」

先日、PCRT中級2の研究会が開催されました。講義の冒頭でPCRTのソフト面の検査において、特に「直観的思考」が重要であるということをご紹介させていただきました。普段、私達治療家は臨床で「直観力」を活かすということを意識していません。マニュアル的にプロトコルに従うか、様々な知識情報に基づいて理論的に治療法を組み立てて治療を行うということが多いと思います。PCRTの治療法でもマニュアル的なプロトコルをご紹介しており、プロトコルに従って理論的に治療を施せばよい結果がついてきます。

しかしながら、さらに治療技術を上げるためには「理論的思考」だけでなく、「直観的思考」が求められます。PCRTの特徴でもあるソフト面アプローチには、マニュアル的な理論ではなく「直観的思考」が特に求められます。その「直観的思考」は、大脳基底核にある「尾状核」の活動と関係しているということが分かっており、その「尾状核」の活動は繰り返し訓練することで発達するということが研究で証明されています。つまり、繰り返し訓練することで「直観的思考」は養われるということが分かったのです。

私は、10年以上も前からアクティベータ・メソッドとPCRTのセミナー活動を通じて、多くの治療家達にご指導させていただきました。その経験を振り返っても、この研究成果が腑に落ちますし、示唆に富む大切なことを教えてくれていると感じました。分かりやすい事例で言うと、下肢長検査法や筋抵抗検査法などの神経反射検査法がうまく習得できない治療家の多くが、「理論的思考」が優先された人たちです。平たく言うと理屈っぽい先生達です。

頭の良い先生方ばかりなのですが、恐らく脳の「尾状核」が使われずに「直観的思考」が発揮されないままになっていたのだと感じています。特に私たちが見ている神経反射検査法は、「意識」の部分、すなわち表層の大脳新皮質との情報交換ではなく、深層の大脳辺縁系や大脳基底核との情報交換による検査反応だと推測できます。「意識」レベルの検査ではなく、「無意識(潜在意識)」レベルの検査法なのです。

だから、深層の「無意識」レベルの脳を使って検査しなければ、反応が読み取れないということになると考えられます。「理性的な脳」ではなく、「感性的な脳」を使うという意識が大切になります。そして、その脳を活性化させるためには、繰り返しの訓練が必要になり、これは理屈では語れない部分になります。

PCRTの検査法には様々なレベルがあります。そのため検査を行う際に、どのレベルとエネルギーブロックを診るのかを術者がマインド設定して行わないと、検査法の精度に影響を及ぼします。主な検査レベルとして、第一レベルが「関節、筋肉、筋膜、皮膚など」、第二レベルが「神経系全般」、第三レベルが「経絡、チャクラ、肉体内外EB」、第四レベルが「潜在的感情、五感(環境)」です。これらのレベルと検査を行う際、「理論的思考」ではなく、「直観的思考」で神経反射検査法を行うということが重要だと考えます。

優れた治療を施すために「理論的思考」も高めなければなりませんが、さらに「直観的思考」はPCRTを使う治療者にはとても重要な要因になるということだと思います。

2013年11月19日火曜日

身体のふらつき、浮遊感の一症例

3か月ほど前に、マッサージを受けた2~3日後に身体のふらつき感や浮遊感を発症し脳神経外科を受診。症状があまり改善されずに耳鼻科や内科、別の脳神経外科、鍼灸院、整骨院、整形外科を受診した後に当院に来院された。

病院では自律神経失調症と云われ漢方薬を処方され、鍼灸院では鍼とマッサージを20~30回程度受け、接骨院では第四、第五頸椎のズレと言われ、矯正を受けたとのこと。矯正を受けた後、首をあまり動かさないようにと指導を受けたらしい。

当院ではニューロパターンセラピー(心身条件反射療法)で行う眼球運動検査を行ったところ三半規管の機能異常であることが明らかだった。アクティベータ療法でハード面の調整を行った後、浮遊感の原因となる心身相関の誤作動を診るソフト面の検査を行った。原因となるパターンには否定的な感情と肯定的な感情が絡んでいた。

アクティベータ療法とニューロパターンセラピーの治療回数を重ねるごとに、症状がだんだんと改善されていくのを患者さん自身が実感されていた。特に患者さんの職場で置かれている立場はご本人にとっては深刻だった様子。上司に相談して、職場をしばらく離れる選択肢もあったようだが、治療を継続していくことでその不安は徐々に少なくなってきた。

8回ほどの治療で歩行時の浮遊感はほぼ解消されていた様子。当院に来られるまでには病院や治療院を転々として、症状が改善されずにとても不安を抱えていた様子だった。この症状を発症したことがきっかけで計画していいた旅行も取り止めにしていたとのこと。先日、その旅行にも行くことができたと喜ばれていた。

病院や治療院では症状を改善するために神経学的な検査や構造学的な検査を行ってこられた。しかし、本質的な原因が分からず症状の改善には至らなかったようだ。問診での経過を聞く限りでは、構造的に何か異常があるのでないかと感じるが、問題は目には見えない神経的な誤作動であり、その誤作動はメンタル的な感情と密接に関係していたということである。

「対症療法」ではなく「原因療法」を施すためには心と身体は切り離せない!

2013年11月2日土曜日

PCRT研究会中級2のご案内

11月10日11日にPCRT研究会中級2が開催されます。今回の中級2は、特にソフト面の施術にフォーカスした内容で、基礎1.2、中級1での学習項目が一つに結び付くPCRTの「要」となる研究会になります。

また、今回は特に直観的な思考を養う大切なトレーニングでもあります。機械構造論的な教育を受けた私たちとっては、この有機生命論的な直観型思考はとても重要です。

現代医学、科学の世界では、合理的な思考が中心で、線形的思考、分析的思考、断片的思考が求められます。その一方で有機生命論、エネルギー医学の世界では直観的思考、非線形的思考、統合的思考、全包括的(ホリスティック)思考が求められます。

心と身体を切り離した二元論的な肉体(ハード面)のみの施術ではマニュアル的、あるいはハウツー的にアプローチがしやすいのですが、心身相関に対する検査や施術法は、ハウツー的なアプローチとは異なる統合的でホリステック的なアプローチが必要なため、その手法をマスターするためには、単に生物学的、神経機能学的知識に基づく検査法や施術法に限らず、行動心理学的な知識やトレーニングが必要です。

特に「学習・記憶」をテーマにしたPCRTの施術法は、単に生物医学的な知識や神経機能学的な知識以上に、幅広い行動心理学的なアプローチが求められます。最先端の脳科学の研究が進むにつれて、PCRTの奥深さが証明されているようにも感じます。

今回の研究会では、陽春堂の小久保さんのご協力を得て、検査器具を使用させていただき、施術の指標となるエネルギーブロック検査法を客観的に評価できる研究デザインの可能性を探ってみたいと思います。

それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしています。

2013年10月31日木曜日

北尾吉孝著 「出光佐三の日本人にかえれ」を読んで

先日、本屋さんでたまたま出光佐三さんについて書かれた本が目にとまりました。以前から出光興産を創業された出光佐三さんは立派な方だと父親から聞かされていたのですぐに購入しました。日本には心から世のため人のために尽くされた素晴らしい経営者がたくさんいますが、出光佐三さんもその一人で畏敬の念を強く抱かせてくれる人です。

この本を読んで、心から世のため人のために尽くす人は、天が守ってくれるのだと改めて考えさせられました。出光佐三さんは終戦直後の混乱期に「愚痴を止めよ、世界無比の三千年の歴史を見直せ、そして、いまから建設にかかれ」と社員を鼓舞しています。

私たちは、震災後の復興は身近に感じていますが、敗戦の絶望的な状況下では、それとは異なる異質の失望感が全国民に漂っていたのではないでしょうか。終戦時、出光は多額の借金を抱え、国内には560人の社員、海外には800人の社員がいたといいます。そして、日本に引き上げても仕事はありません。常識的には一度社員に会社を辞めてもらい、いい人だけを選んで再建策を講じようというのが普通の経営者の判断ではないでしょうか?

会社の重役からそのような提案が出された中で、「社員を解雇することはまかりならん。」として家族主義を貫かれました。あのような悲惨な戦後に「うちは一人も解雇しない」という決断はよほどの覚悟がなければできないことだと思います。

また、当時の茫然自失の状況下で、その社長の覚悟にどれだけ社員が勇気づけられたか、また、深い愛情を感じただろうということを想像すると目頭が熱くなります。「和」を重んじる日本人の誇りを感じざるをえません。

このような立派な創業者の背後に感じさせられるのは「陰徳」の力です。この本の著者である北尾吉孝さんも強調していますが、出光佐三さんご自身も徳を積まれた人です。ご両親、教師をはじめとする多くの徳を積まれた人との出会いを通じて、どんどんと運の力へと転化されていったように感じます。

出光さんは「僕ぐらい運のいい者はないだろう。」と云っています。その運とはご先祖からの余徳であるといい、もしも、いいことをしていけばその余徳は子孫に伝わっていき、悪いことすればその余徳は一代で消えるというような教えも述べています。そして、「先祖から受けた徳は子孫に受け継いでいかなければならない。」と云っています。

実際に出光さんの歴史を振り返ると運のいい人ではありますが、出光さんご自身がその運に慢心せずに陰徳を積み続けてこられたように思います。運のいい人には、運のいい人との出会いがありますが、言い換えれば、徳のある人には、徳のある人との出会いがあり、ご縁があるということだと思います。そのご縁を自分の欲のために使えば、徳がなくなりますし、世のため人のために使えは徳を積んでいくということになるのでしょう。

弊社の社訓の一つに「徳を積む会社、陰徳を積む家、陰徳を積む人を心がけよ。」とありますが、本書を読んで、改めて色々と反省させられることが沢山ありました。

「『徳』が先で、『財』は後」ということを改めて実践していきたいと感じさせてくれた貴重な本でした。




2013年10月29日火曜日

魚のアレルギー症状が14年ぶりに改善



14年ほど前から魚を触ったり、食べたりしたときに手の湿疹や喉や首のイガイガ感、症状が続いているとのこと。調理師なので魚の調理ができずに困っているとのことだった。
4年ほど前に皮膚科に通院して抗アレルギー剤を処方してもらったとのことだが、魚を食べるまでには改善されていないとのこと。

遠方からなので2つ日間続けて、2週間置きぐらい感覚でアクティベータ療法と心身条件反射療法を行った。7日の来院時には、前日にししゃもの魚を一匹食べることができたとの喜びの報告をいただいた。もともと魚が好きなので、これから魚を食べることが楽しみだとのことだった。

喜びの報告をいただいたときのインタビューが以下である。




その一か月後には、焼魚などの調理した魚ではアレルギー症状はなくなったが、生魚を食べた時に喉の奥がかゆくなるような症状があったとのことで来院された。検査をしてみると、生魚と「感情」が関係していた。

アレルギー症状も他の慢性症状と同様に「潜在的な感情」が絡んでいることが多い。施術では関係している「感情」を引き出して、消去法のように誤作動パターンを消していく。「感情」という情報は、つかみどころのない一面もあるが、症状とリンクした学習記憶が明確になれば、ほとんどのアレルギー症状が改善される。

感情のカギを開ける検査法をさらに進化させていきたい。

2013年10月17日木曜日

一年間継続していた指の震え

14歳の女子がお母様に連れられて遠方から来院。1年ほど前に、子宮頸がんワクチン接種後から関節痛、筋肉痛、めまい、歩行障害、動機、脱力、倦怠感の症状を発症。今は肩の震えと手の震え、倦怠感を改善されたいとのことで来院。手の震えは常にあるが、肩の震えは時々で2~3分続くとのこと。経過としては良くなってきているが、肩の震えは一か月前から始まったとのこと。発症後病院を受診し、週に一回を3か月、月に一回を現在まで通院中。治療では漢方薬を飲まれているとのこと。

問題のワクチンはアジュバントという物質が入った注射らしいが、その物質が入っていると思われるワクチンの画像を探して適合検査に使用した。いくつかの画像で陽性反応を示した。そのワクチンの波動情報による誤作動反応を消去させる施術を試みたが、その情報とは合わせることができなかった。

そこで感情面との関連性を検査すると、勉強、ピアノ、劇団に関連する「意欲」、家族に関連する「喜び」、学校に関連する「恐れ」の感情が関係していた。それらのワクチンに関連した感情に対する施術とハード面の施術をした結果、震えが治療直後に改善した。施術法はアクティベータメソッドを先に行い、心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)を施した。その治療前と後の結果が以下のビデオ映像である。

遠方なので継続して治療することができないので、一回の治療で手の震えが完治するかどうかは分からないし、肩の震えも時々出るとのことなので今後も継続治療が必要だと思われる。

The finger tremor for almost one year

The 14 year-old female complained about symptoms of finger tremor and shoulder tremor. She came to our clinic with her mother from the distant place.

About one year ago, she presented symptoms of the joint pain, the muscular pain, the dizziness, the disturbance-in-gait, etc., after she got the cervical cancer vaccination.
She went to the hospital and obtained a Chinese medicine on doctors’ prescription.  She is now still going to the hospital, but finger tremor is not clear and shoulder tremor developed one month ago.

I adjusted her Activator Methods and treated with Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy. We took video tape pre and post treatment on her finger’s tremor symptom.

I just gave her one treatment and I think we need to have farther evaluation on her symptoms.  One week later, her mother said her finger tremor is much better after our treatment, but her shoulder tremor still remain.  We hope we can help her symptom.




2013年10月8日火曜日

足底筋膜炎

高校のバスケット部の女子生徒が足の裏の痛みを訴えて来院。10か月前より発症。激しく運動した際に痛みがあり、バスケットの試合ができなるとのこと。激しい動きでない限りは日常生活ではさほど痛みはないが、試合ができなくなるということは本人にとっては重い問題である。

すでにスポーツ外科クリニックを受診されており、「足底筋膜炎」の診断を受け、PRP療法を受ける。その後変化が見られないとのことで、お母様にすすめられて当院を受診された。

通常の足底筋膜炎であれば、足底筋の筋膜、腱膜付着部付近を押さえると圧痛がある場合が多いが、通常の所見は見られなかった。もしも、通常の炎症であれば、安静やPRP療法などで効果があるのかもしれない。しかしながら、本症例の痛みは単なる炎症ではないことが最初の検査で伺えた。

ハード面のバランスの検査では、足関節や筋膜などに陽性反応が示された。ソフト面の検査では。喜びや恐れなどの感情が誤作動刺激として関係しており、治療回数を重ねながら誤作動のパターンを消去していった。5回目の施術では試合の時には痛くならなかったとの報告をいただいた。

その後、偏頭痛も月に2回ほどあるとのことで、頭痛の検査をしてみると、天候の変化に過敏であるということも分かり、頭痛の原因治療もおこなった。また、過呼吸にもなるときがあるとのことで、過呼吸になる誤作動パターンの検査、治療を施した。

しばらく間隔を空けて、初診から10回目、約5か月後に来院されたが足の症状は完治した様子。過呼吸の症状が少しでたとのことで治療を施した。

本症例は、単なる炎症症状ではなく、潜在的な感情が関係した神経系の誤作動によるバランス異常で筋肉系に痛みを生じていた。通常の足底筋膜炎の治療も、単に安静や固定をするのではなく、バランス異常を引き起こしている原因パターンの特定と治療が必要である。

その原因パターンを改善しなければ、単に安静や炎症を抑える治療だけでは再発を繰り返すだろう。原因療法を行えば、人間の身体は自然に炎症を修復させるのである。バランスの調整が行われると、ほとんどの症例で治療直後に症状の軽減や消失がみられる。

原因療法による効果のカギは統合的な心身相関にある。

2013年9月18日水曜日

15周年記念・(有)ライフ・コンパスの原点

15周年記念・(有)ライフ・コンパスの原点

「継続は力なり!」ファミリーカイロプラクティックセンターを開業して19年目になります。そして、地域社会に100年以上貢献し続けることを目標に創業した(有)ライフ・コンパスは創業して15年目になりました。ご来院してくださる患者様をはじめ、多くの人に支えられてきた感謝の15年でした。まだまだ若い会社ですが、ようやく会社としての基礎が固まってきているように感じます。

開業、ならびに創業当初から治療院経営のみならず、自然療法を軸にしたセミナーや研究会の運営など、人(Human)・健康(Health)・自然(Natural)をテーマにして事業を継続してきました。自然治癒力を最大限に引き出すために、肉体面のみならず、心と身体の関係性や社会や環境との関係性などを学問する行動心理学やコーチング技法なども取り入れながら健康や人生の豊かさを支える研究を継続してきました。

当初から原点とし、継続してきた研究の根幹は「自然治癒力」です。自然治癒力とは字のごとく、自然に治る力のことです。その「力」とは目には見えない生体のエネルギーです。その「エネルギー」とは生体の働きを調整する電気信号のようなものです。生体は「エネルギー」「働き」「構造」という3つの分野に大きく分けることができます。慢性病の原因の多くは「エネルギー」の乱れから始まります。「エネルギー」が滞ると生体の「働き」が悪くなり、結果として生体内の「構造」異常にまで発展していきます。ファミリーカイロではとくにこの「エネルギー」の分野に注目して、慢性病の本質的な原因を追究しながら、症状の改善から未病や予防への働きかけをしています。

生体エネルギーは潜在的感情や外界との関係性に影響を受けやすく、生体エネルギーのバランス異常が脳・神経系の誤作動の原因となります。人の感情は「意欲」や「義務」などの「意志的感情」、「喜び」や「連帯感」などの「肯定的感情」、「恐怖」や「逃避」などの「否定的感情」に分類することができます。そのような感情が良い悪いにかかわらず脳・神経系の誤作動を引き起こして様々な症状を引き起こします。心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)では、誤作動の感情を引き出して、その感情が誤作動を引き起こさないように施術を行います。

心と身体は密接につながり合っているということを考えれば、このような施術法はごく自然な考え方であり、本質的な自然療法であるともいえます。しかしながら、私たちは心と身体を切り離して考える医療が当たり前になってきているので、治療後の感想では「不思議ですね~」という声をよくお聞きします。この「不思議」が「当たり前」になるように、今後も心と身体の関係性による誤作動の研究を深めて、自然治癒力が最優先される医療社会を目指していきたいと願います。

今後とも(有)ライフ・コンパス、並びにファミリーカイロプラクティックセンターをよろしくお願い致します。


2013年8月28日水曜日

PCRT中級Ⅰ研究会開催と科学的評価への可能性

先日、AMセミナー会場で陽春堂さんとウイスマーさんの方にAMSATという全自動皮膚抵抗値測定システムや自律神経測定器などを展示していただきました。10分程度の測定器に関するプレゼンもしていただきましたが、先生方には興味深いお話だったのではないでしょうか?

全自動皮膚抵抗測定システム アムサット(AMSAT)私たちが行っている治療法は、基本的にはエネルギー治療です。そのエネルギー治療の効果を知るためにはエネルギー的な測定、すなわち電気的な測定が必要です。そのような意味において、AMSATのような生体の電気的エネルギーを計測する機器には、私たちが診ているエネルギーブロック(EB)と一致してほしいという期待があります。

臨床現場では、患者さんに痛みなどの何らかの症状がある場合、9割以上の患者さんで、施術直後に症状の消失や軽減が見られます。それは、施術によってEB反応を消去した結果であり、EBの分析が的確だったということの裏付けにもなります。もしも、私たちが施術ターゲットにしているEB反応とAMSATのような計測器で示される生体の電気的な異常反応部位がある程度一致していれば、私たちが行っている生体を検査器具に使う神経反射検査法の信頼度もかなり高くなるという期待が持てます。

先日のAMセミナーの合間にAMSATの測定器で、AMとPCRTを併用した手法で、術前、術後を計測させていただきました。そのようなことを行う予定ではなかったのですが、時間の合間にたまたま見たある先生の測定結果と私が行ったフィンガーテストによるEB反応検査結果を比較してみると、なんとデータによる電気的に機能亢進部位とある程度一致していることが分かりました。測定された先生から治療を依頼されて、検査後すぐに治療して、すぐに術後の検査を行ってもらいました。

すると、先ほどの赤色のついた機能亢進部位が消失して明らかに改善され、臓器の異常反応も色が変化して改善されていました。特に自覚症状があったわけではなく試しに行った術前術後の評価でしたが、いつも臨床で診ているEB反応部位と、AMSATが示す異常反応がある程度一致していたことはとても興味深い内容でした。また、私がAMSATで評価を行う前に、AMとPCRTのインストラクターの先生が治療した結果も同様に顕著な改善が見られたという報告も聞きました。

日ごろ臨床で私達が使っているAMとPCRTを併用した施術法のAMSATによる術前術後の評価は、まだほんの2例だけですが、なんとなくたまたま出た結果ではないような気がしています。AMSATで我々のエネルギー療法を検証することで、私達が臨床で使っているEB反応を診る神経反射検査法、ならびにその施術法を科学的に証明できるのではないかという可能性を強く感じました。

このAMSATの測定器は検査時間が17秒ということで、器具の装着や設定などを含めても数分で完了するとのことです。次回のPCRT研究会中級1では、陽春堂さんとウイスマーさんご協力を得て、受講の先生方から希望者を募り、AMSATによる術前術後の検査を行わせていただく予定です。私たちは施術結果で患者さんとの信頼関係を保っていますが、このような科学的な器機で検証することによりさらに信頼度が高まるように思います。

次回のPCRT中級1では、チャクラや経絡のEBを特定する検査法とそれに絡んだベーシックの感情の検査法をご紹介する予定です。PCRTのエネルギー療法がより深まる大切なプログラムになります。皆様のご参加を楽しみにしております。

2013年8月18日日曜日

2013年度PCRT中級Ⅰのご案内

9月8日(日曜)9日(月曜)には心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)PCRT中級Ⅰを開催いたします。今回は二日間を通じて経絡概念を応用したPCRTによる経絡施術法をご紹介させていただきます。

自然治癒力という『力』のエネルギーの源は、生体エネルギーのバランスにあります。心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)は、生体エネルギーバランスの調整と神経系パターンの学習記憶の書き換え調整を行う有機的自然療法です。目には見えない生体エネルギーをいかに診て、自在に検査し調整できるようになれるかが有機的治療者の最大のテーマです。

自然治癒力を最大限に引き出すことを目的とした有機的治療者として、神経エネルギーの調整に限らず、経絡エネルギーの調整もプラスアルファーさせることで、治療者としての幅がさらに広がってきます。目には見えない生体エネルギーの研究は奥深く、幅広い学問です。その生体エネルギーを幅広く、そして奥深く学ぶことで、私たちの有機的自然療法がさらに進化していきます。

多くの慢性的な病気や様々な健康問題は、生体エネルギーのアンバランス状態に伴う脳・神経系の学習記憶によるものです。この本質的な治療法をさらに進化させ、皆様と共に多くの人々のお役に立ち、私たち自身の永遠の生きがいにしていけることを願います。
それでは、研究会へのご参加を楽しみにしております。

経絡施術の全体像です。



2013年8月12日月曜日

AMI社主催プラットフォーム(プレゼンター)インストラクター特別研修会

これまで毎年のように開催されていたAMI社のカンファレンスは、AMの指導に関わるインストラクターが100名以上参加していた。今回のカンファレンスはプレゼンターを務めるプラットフォームインストラクターのみが誘われて開催された。ドクターファーからの少し急なお誘いではあったが、どうにか出席することができた。今回の研修会では、主にプレゼンテーションのスキルを2日間で集中的に学んだ。

その前日にはAMのプロモーションビデオの撮影がAMI社のオフィスであった。最初は英語で質問に答え、次はそれを日本語で答えた。なぜ、アクティベータを使うようになったのか、個人的な経緯などを話すのだが、これがとても緊張した。英語でのスピーチも緊張したが、特に日本語のスピーチはさらに緊張した。「えっ、母国語なのにどうして・・・」と思われるかもしれない。

日本語で質問してもらい、質問者も日本語が分かるのであれば問題はなかったと思う。しかし、質問をしてくれたカメラマンは日本語が分からない。なのに私の日本語にうなずいてくれる??日本語をしゃべりながら、心の中で「分からないのに私の日本語に丁寧にうなずいてくれている・・・」などともう一人の自分が心の中で対話をしたりして、母国語なのに何をしゃべっているのか分からなくなる場面もあった。

このようなプロモーションビデオの撮影は初めての経験、しかも、英語圏での撮影。撮影後のスピーチは英語版も日本語版もいいところだけカットして編集するとのことだが、特に日本語版が心配でならない。もしかすると編集ができないということもあるかもしれない。再度、渡米して撮り直しという訳にもいかないだろう。

これからはビデオで情報を発信する時代というのは以前から感じていた。それを考えるとこれからは、カメラの前で話す練習もしなくてはならないとつくづく感じた。自然にしゃべればいいのになぜか型にはめようとして不自然になってくる。これも繰り返し経験をして、失敗を積み重ねながら改善していかなくてはならないだろう。

二日目は主にパブリックスピーチの専門家によってプレゼンテーションスキルなどを学んだ。2005年度のAMI社のインストラクターカンファレンスでもこのようなプレゼンテーションのスキルを学んだ。また、ICCのトレーナー養成セミナーでも学んだ。それぞれに学んだことがたくさんあったが、できるだけ受講者一人一人の立場に立って、受講しやすい環境をいかに工夫するかが大切なポイントだと感じた。

また、多くある現象として、クラスには講義の進行を妨害する人が一人か二人ぐらいはいるので、そのような人に対する対応の仕方についての講義内容も興味深かった。分野は様々だがパブリックスピーチという点において、問題のテーマは類似している。クラス全体と個人とのバランスにおける関係性の問題は常にテーマになる。

私は幸運にも16年前のAM30周年記念のカンファレンスから参加させていただいており、インストラクターチームの一員としてAMI社の活動に長く参加させていただいている。そして、その過程においてチームは常に変化し続けている。「ベスト・チーム」の組織だと感じていた時にチームに変化が生じて別の組織ができたり、長年AMのインストラクターを務めていたドクターが引退して新しいメンバーが加入したりする。

どのチームにおいても組織が生き物であるかのように内部的にも外部的にも格闘を繰り返しながら鍛えられ、成長し続けているように感じる。今回、15名のAMインストラクターが集結して、レベルの高いプレゼンテーションスキルを学んだ。私も二日間、ドクターファーの横で椅子を並べて学ぶ機会を与えていただいた。ドクターファーのプレゼンテーションスキルは誰もが認めるベテランである。そのドクターファーも真摯に講義に耳を傾けてしっかりとノートを取っている姿には感銘を受けた。

ドクターファーと奥様のジュディーファーさんから夕食のお誘いも受け、今年の4月に来日してくれたドクターデビータとドクターロバートと共にレストランでのディナーを楽しんだ。二日目も近くの日本食レストランへのお誘いを受けた。今まで食べたことのない寿司ロール巻などがあり驚いた。

今回の研修会では主にプレゼンテーションのスキルを学んだが、間接的にはドクターファーが今日まで築き上げた組織の在り方を様々な視点から学ばせていただいたように感じる。AMI社に協力するインストラクターのチームメンバーは、それぞれに自分のクリニックや他の組織にも属しながらバランスよくAMチームに関わっている。

日本国内では、正規にAMI社公認のセミナー形式を導入して13年目になる。カイロ大学の卒後教育として開催した国内のAMセミナーは、改革に改革を重ねながら、国内インストラクターと共に継続してきた。ドクターファーや他のインストラクター幹部から日本のチームの強さを褒められ、どのように運営してきているのかと尋ねられこともあるが、これもAMI社の組織としてのルールに準じているからこそ、今日まで継続することができているのだと思う。現在では有機的自然療法の治療者の育成を目指すライフコンパスアカデミーの主要な卒後教育プログラムとして、年に6回開催され、チームとしてのバランスを保ちながら更なる発展を目指している。

2017年度にはAMI社の創設50周年が開催されるだろう。それまでにどんな発展があるのか楽しみである。

2013年7月6日土曜日

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)の総合的視点

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)は、単に肉体のみならず、メンタル面との関係性を診ることで、様々な慢性症状の改善や幅広い健康面のサポート、さらにはコーチング技法を取り入れることで、人の可能性に焦点をあてることができる総合的な療法です。

最近では、腰痛や様々な慢性症状の原因として、心理面が大きく関係しているということがテレビや雑誌などで幅広く紹介されるようになり、人々が当たり前に話すような時代になってきています。しかしながら、そのための治療法は何かというと、薬物療法であったり、精神論であったりして、直接的に関与する治療法はまだまだ知られていません。

代替医療に関係する治療者は年々増加し続けているようですが、自然治癒力を引き出すことを目的とする治療者の多くは肉体面での施術にとどまり、メンタル面との関係性を診る範囲には及んでいないのが現状です。肉体面だけを調整するマニュアル的な手法には限界があります。

「自然治癒力とは何か?」「脳と自然治癒力との関係は何か?」心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)は総合的な視点で施術を行います。どのように総合的なのかという視点を解説してみたいと思います。

脳は、大きく分けて三層構造になっています。この三層構造は、マズローの5段階欲求モデルにある生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認の欲求、自己実現の欲求に関連して見ることもできます。人間の脳は様々な外部刺激を受けて、様々な反応作用を引き起こして健康を維持したり、病気を引き起こしたりしています。

第一層目は反射系の領域です。意識とは無関係に生命維持のために自動的に働いてくれる機能が備えられています。第二層目は大脳辺縁系と呼ばれる領域で、潜在的感情面や人間の本能的な感覚に関係します。第三層目は、理性的に考えたり認識したりする認知や判断に関係します。

脳の三層構造と神経系に基づいて総合的に健康を考えると、大きく反射系、感情、理性に分けることができます。第一層目では、身体内システムの神経反射的誤作動が健康に影響を及ぼします。自然治癒力を制限している第一層の誤作動を調整するためには、反射系の施術によって比較的短期に改善されます。

第二層目では心(潜在的感情)と身体の関係性による誤作動が健康に影響を及ぼします。自然治癒力を制限している第一層から第二層に関係する誤作動を調整するためには、反射系と感情領域に焦点を当てた施術で改善されます。第三層目では、信念や思い込みが神経系の反射系に関係して健康に影響を及ぼします。自然治癒力を制限している第一層から第三層に関係する誤作動を調整するためには、反射系と信念や思い込みに焦点を当てた施術で改善されます。

2013年7月5日金曜日

「心因性運動失調」

【はじめに】

心因性運動失調に絡んだ症状が、心身条件反射療法(以下PCRT)を併用した施術で早期に改善したのでその経過を報告する。64歳男性が、両手の震え、首や肩の重だるさ、ならびに浮遊感や股関節痛を訴えて来院。問診ではその症状は5~6年前より発症し、症状の悪化により両手の震えで茶碗を持つこともできずに、日常生活にも支障をきたしているという。病院での画像診断では頸椎の変形を指摘され、3日ほど通院したが変化がなかったとのこと。
いくつかの愁訴の中で、特に両手の震えは日常生活に支障をきたしており、深刻な問題であった。ハード面(肉体)の施術には神経関節機能障害改善を目的としたアクティベータ・メソッド(以下AM)を用いた。メンタル面に関連したソフト面(心身相関)の施術にはPCRTを用いた。
PCRTでは、症状に関連する「エネルギーブロック」(以下EB)を特定し、その関連パターンの学習記憶による誤作動を調整することが主な施術目的になる。術前と術後の評価の客観性を高めるためにも、患者の主観やPCRT独自の検査法に限らず、医学分野でも使われる神経学的機能検査の評価も行った。

【検査】

まずは、主な愁訴である「両手の震えがどこから生じているのか」に注目した。医学的に運動失調を引き起こす神経中枢系障害には部位別に、大脳性、小脳性、前庭性、脊髄性があり、振戦を引き起こす病態にはパーキンソン病、甲状腺機能亢進症、肝性脳症、本態性振戦、小脳性疾患、心因性、中毒性・薬剤性、生理学的振戦(疲労・緊張性)、ジストニアに伴う振戦などがある。振戦を動作やタイミングで分類すると、安静時振戦、姿勢時振戦、本態性振戦、動作時振戦、企図振戦がある。
問診から推測できたのは企図振戦であり、病院で医学的検査を受けていることから構造学的な原因ではないことがうかがえた。小脳性運動失調の疑いがあり、脊椎性運動失調との鑑別でロンベルグ試験を行ったが陰性で閉眼の影響はなかった。歩行では若干のよろめき歩行がみられた。その他、指-指試験、指-鼻試験、手回内-回外試験、踵-膝試験では左側で全て陽性反応が示された。患者自身も左側の動作に抵抗を感じていた。
それ以外にPCRTの効果判定に使う神経学的検査法として、ハッカ油による臭覚刺激とペンライトによる視覚刺激、メトロノームによる聴覚刺激、眼球運動によるその他の脳神経刺激などを加えて神経反射検査を行い、右側の聴覚刺激と右側眼球運動によって陽性反応が示された。

【経過】

合計で5日間、すべてAMとPCRTの施術を併用した。毎回、施術では初めにAMにより神経関節機能障害の改善を図った。心と身体の関係性による誤作動反応にはPCRT施術を行った。通院経過中に分析した関連感情は、「保護」、「恐れ」、「楽しみ」、「意欲」、「拘束」、「喜び」、「孤独」などで、様々な事柄が絡んでいた。PCRT施術後には毎回、EB陽性反応が消失し、それに伴って神経学的検査反応の改善と症状の改善が顕著に表れた。4日目には小脳機能を強化する目的で、片足立ちのバランス強化のリハビリ運動も指導した。
5日の施術最終日、小脳失調運動の神経学的検査では、初回検査と比較すると、顕著な改善が見られ、患者本人からも日常生活には支障がないまでに回復されているとの報告があった。完全ではないにしろ患者の方から治っているという自信が得られているので、希望により様子をみてもらい、悪化を感じたら来院するように促した。3か月半の間、患者の再来はなかった。

【考察】

患者は以前当院を利用して下さっていた娘さんの奨めで来院された。感情の検査では、いくつかの否定的感情や肯定的感情が混同していたが、施術経過の全体を通じて、「保護」というキーワードが主に影響を及ぼしていたように感じた。「保護」という感情は、あまり示されない感情なので、患者に「何か保護というキーワードに関連する思い当たることはありますか」と尋ねると、患者自身はすぐに思いつかなかったが、横で付き添われていた娘さんが「私でしょう」という。お父様も納得された様子でその感情に対して施術を行った。その時は「保護」の内容は詳しくはお聞きしなかった。
その後、お孫さんも学校へ行きたがらないということで来院。お孫さんの施術の際にご主人と別居されているというお話を伺い、娘さんのメンタル面やお父様の震えの背後にある「保護」という感情の因果関係が見えてきた。お父様が来院されたときには、そのような精神的ストレスの話はされなかったが、恐らくそのことでお父様が心配されて症状が悪化したのかもしれないと思い、娘さんが当院を勧めてくれたのかもしれない。以前、娘さんには当院を利用していただいていたので、心と身体の関係性のことはよく理解していただいていた。
運動失調の原因には脳血管障害や腫瘍などの構造的な問題が原因の場合もあるが、本症例のように心因性の運動失調もある。心が身体に影響を及ぼし、身体が心に影響を及ぼしているということは周知のとおりでその関係性は密接につながる。心身条件反射療法は、心と身体の関係性による誤作動を検査して施術を行う統合的なエネルギー療法である。まだまだ発展途上の施術法ではあるが多くの患者に貢献できることを願っている。

2013年6月1日土曜日

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)研究会基礎1の報告

本年度の心身条件反射療法(PCRT)研究会が5月からスタートしました。今回の基礎1にはいつものように熱心な先生方にお集まりいただき、とても有意義な研究会を開催することができました。特にPCRTハード面調整法では、検査となる受容器への第一刺激、調整となるシナプスへの第二刺激、ならびに時間的促通効果と空間的促通効果の概念を背景にした理論による臨床効果はご理解いただけたのではないでしょうか。



また、PCRTソフト面調整法の基礎編として、患者に一日のサイクルの場面をイメージしてもらいながら検査と調整を行う手法をご紹介しました。PCRTでは施術の核となる心身相関へのアプローチは重要な部分ですが、PCRTを導入するに当たって、ハード面の施術からソフト面の施術への移行は多くの先生方が苦労されているようです。この点は、治療の幅を広げるための大きな壁にはなりますが、今回のソフト面調整法の基礎編、ならびにその導入法は、その壁を低くするためには有効なヒントになるのではないかと期待しています。

一日のサイクルの場面をイメージして検査するグループワークでは思わぬところで陽性反応が示されるという無意識の誤作動を体験された先生方も多かったのではないでしょうか?また、イメージ=反応という心身相関の検査、ならびに施術を体験され、治療法の幅の広さを実感していただいたのではないかと感じました。ライフコンパスアカデミーのスタッフ、ならびにグループリーダーの先生方のご協力により、笑いと活気に満ち溢れた充実した研究会になりました。

今回の研究会の中で様々なご質問をいただきました。いくつかのご質問の中で、もう少し補足説明をした方がよいと感じた内容が二つありましたのでご説明させていただきます。
最初は、「原因と結果」についての質問です。「原因があるから結果がある。」その因果関係の概念に関しては仏教や哲学の分野で様々な角度から述べられています。今回は病気や症状の因果関係について解説させていただきました。例えば、外傷性の病気や症状はごく単純です。車にぶつけられて、転倒して骨折した。車による衝突が原因で、結果として骨折したということになります。この因果関係に関しては疑いの余地がありません。

しかし、慢性的な症状の原因と結果に関する「因果性」に関しては、多くの人が信じている因果関係が、実は誤解や錯覚という誤謬が多いようです。例えば膝の変形性関節症は、膝の関節変形が痛みの原因とされることが多いようですが、多くの場合、神経系、筋肉系のバランスが整えば、関節が変形したままでも症状が改善されます。これは明らかに関節の変形が原因ではないと言えますし、さらに言えば、神経系、筋肉系のバランス異常が原因で、結果的に関節への変形が生じたといえるでしょう。

原因がよく分からないとされる慢性的な腰痛や肩こり、関節痛の場合、肉体内の原因として考えられるのは筋肉系のアンバランスです。その筋肉系のアンバランスは神経系の誤作動によって引き起こされます。その神経系の誤作動は、意識と無意識の心の関係性によって生じることが少なくはありません。さらにその上の因果関係を追求すると、心に及ぼす因果関係には分からないことがたくさんあります。

全ての因果関係を知ることは不可能ですが、ストレスが身体に影響を及ぼすということは周知のとおりです。ストレスが「原因」で身体に表れる症状や病気は「結果」となります。風邪やインフルエンザの症状はウイルスが「原因」で発熱や体調不良が「結果」です。花粉症の症状は花粉のアレルゲンが「原因」で鼻炎や目のかゆみなどが「結果」になります。通常は「原因」があるから「結果」が生じるので、「原因」を取り除けば症状が改善すると考えます。ストレスであればストレスを取り除けばストレスに関連する症状が改善します。アレルギー症状であれば、アレルゲンを避ければ症状が生じないというシンプルな法則が成り立ちます。

しかし、同じようなストレスやウイルス、あるいはアレルゲンに触れても、人によっては症状の強弱に違いがあったり症状が出ない人もいます。それはなぜでしょうか?それは原因と結果の間にある「関係性」に違いがあるからです。その「関係性」とは外からの原因に対して、症状を引き起こすような「誤作動」のスイッチが入るかどうかのプロセスの違いです。誤作動のスイッチを自動的に入れるかどうかは脳と神経系の学習記憶によってプログラム化されています。

PCRTではその症状を引き起こす誤作動のプロセスによってプログラム化された学習記憶に注目します。誤作動のプロセスを引き出して、施術によって誤作動のスイッチが入らないようにしていきます。ストレスやアレルゲン、ウイルスの程度にもよりますが、施術を繰り返すことでそれらの外的要因に対する適応力や抵抗力がついてくることになります。人間の許容範囲を超えるストレスやウイルス、あるいは毒物などは避けなくてはなりません。しかしながら、本来人間は適応力や治癒力を持ち備えていますので、その力を最大限に発揮するための施術であるといえます。

特に慢性症状の場合、単に原因を排除するというシンプルな考え方では解決できない症状や問題などがたくさんあります。原因と結果の間にある関係性(誤作動のプロセス)にはたくさんの意味があります。もしも、ストレスが原因であれは、ストレスを避けるか、考え方を変えなければ症状が改善されないと考えられがちですが、ストレスを避けなくても考え方を変えなくても、その誤作動を施術することで症状が改善され、メンタル的な感じ方にも変化が生じてきます。

脳の障害で性格が変わったという症例報告があるように、脳の誤作動に変化を促すことで感じ方にも変化が生じます。PCRTでは、脳の誤作動は神経回路ネットワークにあるシナプス可塑性に関係し、神経回路の配線パターンに変化を促すことで、新たな神経回路ネットワークが構築されて、誤作動が改善すると考えています。無意識レベルで関連した情動は、この誤作動に注目することで症状が改善されますが、信念などの意識と無意識レベルが関連した症状は、理性的に信念の書き換えが必要な場合もあります。

このように原因と結果だけの因果性を考えると、原因を変えなければ結果が出ないということになります。もちろんそのような場合もあります。しかし、原因と結果、ならびにその間にある関係性を入れた因果性を考えると、原因を変えずにそのプロセスにある関係性を変えることで結果がかわることも多々ありますので、PCRTでは主にその関係性に注目して施術効果を引き出しております。

次に「自己療法」についてのご質問がありました。PCRTの自己療法の研究に関してはまだまだ研究課題がたくさんあります。特にソフト面調整法に関する自己療法は、顕在意識よりも深い潜在意識レベルの感情面に注目して施術効果を引き出すので、そのレベルの自己検査、判断には深いレベルの訓練が必要になるでしょう。これは自分の体臭が分かりにくいのと同じで、自分の潜在意識を客観的に評価するのは難しいと言えます。

例えば、ある人に対して、ネガティブな感情を抱いたとします。その感情がメンタル的にも身体的にも誤作動を生じさせているかどうかを自分で判断する場合、理性の自分は納得して気にしていないと判断するかもしれませんし、感性のもう一人の自分は気にしているかもしれません。また、身体に影響を及ぼしている感情は、ネガティブな感情だけでなく、「喜び」や「意欲」など肯定的な感情も身体に影響を及ぼしますので、身体に影響を及ぼしているのかどうかの判断はさらに難しくなるかもしれません。

患者さんへの治療経験を通じて、このような潜在的な心理面に触れる施術経験を積み重ねていくと、自分もこのような潜在的な感情が隠れているだろうという直感力が磨かれてくるのでご自身の内面を客観視しやすくなります。そのような訓練がある程度できてくれば、その範囲内では自己療法が可能だと思います。その点、自己療法が容易にできるとすれば、PCRTハード面調整法です。症状の程度やメンタル面との関係性の深さにもよりますが、筋骨格系の症状に対しては今回ご紹介したハード面調整法は効果的だと思います。

今回ご紹介したPCRTハード面調整法で患者に対しての手法を自分に応用すればできます。手法としては、症状のある関節や筋肉に手を当て、受容器に第一刺激を加えます。次に第二刺激として丹田部や後頭部、あるいは前頭部に手を当て軽い振動刺激を加えながら深呼吸をして、呼気の最後に息をフッと吐ききるようにします。この第一刺激と第二刺激を基本施術として、さらに応用編として症状のある動作をとり、症状のある部位に手を当て第一刺激を加えて、同様に第二刺激を加えて、症状の軽減を確認しながらこの自己療法を繰り返して行えば、症状の軽減や消失などの変化が現れると思います。

次回のPCRT基礎2では、今回の基礎1からステップアップしたハード面とソフト面の調整法をご紹介させていただく予定です。

2013年5月2日木曜日

PCRT基礎1のご案内

いよいよ今年度の心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)(以下PCRT)研究会が、今月の26日、27日の基礎1を皮切りに開催されます。

毎年、情報量が多すぎて消化不良になる傾向があるので、今年はゆとりを持って、理論よりも実技を重んじ、必要に応じて理論の説明をしていけるように心がけていきたいと考えています。

多くの先生方は理屈よりも、シンプルで効果的な治療法を身に着けたいと願っていることでしょう。それは患者さんも同じで、理屈よりも早く結果を出してほしいはずです。しかしながら、特に慢性症状を改善するためには、それなりの治療回数が必要です。

患者さんは、頭では治療回数が必要だと分かっていても、最初はその先生を信頼して治療を継続していいのかどうかは半信半疑だと思います。信用していただくためには、理屈よりも治療効果を体感していただくことが必要になるでしょう。

症状の種類にもよりますが、腰痛や肩こり、関節痛など筋骨格系症状の場合には、来院時の検査でその症状を再現することができます。そして、その治療効果があるかないかも治療前と治療後の検査で比較的簡単にわかることが多いです。

例えば、腰を左右に捻ると痛かったのが、治療後に痛みが軽減、あるいは消失した。腕を上げると痛かったのが痛くなくなったなど、症状の改善は明らかに治療効果によるものだと分かれば、患者さんからの信頼度は高くなります。

慢性症状であれば、次の来院時にぶり返すこともあります。症状が完全に消失しなくても、治療を継続していく中で症状が徐々に改善されていき、ぶり返さなくなり、さらに「ぶり返す場合は、ぶり返す原因パターンもある」という内容を説明されると、患者さんとの信頼関係に悪い影響を与えることは少ないでしょう。

肝心なのは、患者さんが、治療後に多かれ少なかれ症状の改善を感じられるかどうかではないでしょうか?患者さんは治療法を信じるというよりも、治療者の人柄や技量を信じて通院してくださるのではないでしょうか?

よって、治療者自身が自信を持つことのできる確かな治療技術が必要で、その治療技術は患者さんにとってもシンプルで分かりやすいことが求められるでしょう。今回の基礎1はハード面の検査法と即効性のある施術法のマスターを目的に講義と実技を進めていきます。

今年が初めての方がすでに10名ほど申込まれていますが、その先生方が、基礎1終了後に臨床現場ですぐに使えるハード面の施術法をご紹介します。継続して下さっている先生方も、今までの学習内容がシンプルに整理されて、臨床現場でより効果的に使っていただけるようになると思います。

PCRTの治療対象は、筋骨格系症状のみならず、アレルギー、自律神経失調症、不眠などメンタル症状、コーチングなど幅広い分野に及びますが、まずは筋骨格系症状の改善が当たり前に改善されるようになり、段階的に中級、上級へステップアップしていきます。

PCRTにおいてエネルギーブロック(EB)を特定する神経反射検査法の習得は、症状改善のための必修条件です。そのためにも、比較的症状改善が治療直後に分かりやすい筋骨格系のハード面の検査施術法からマスターしていただきます。

そして、PCRTの真骨頂である心と身体の関係性による誤作動の施術へと進んでいきます。これは心理療法と身体療法の隙間を埋める心身相関の誤作動の施術法です。

今年も継続して研究会にご参加していただき、楽しく心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)を使い、患者さんと喜びを共有し、さらに患者さんとの信頼関係を密にしていただければと願います。皆様のご参加をお待ちしております。

2013年5月1日水曜日

アレルギー性鼻炎

3歳の男の子が、アレルギー性鼻炎の症状を訴えて来院された。お母様によると1年前より症状が始まり、だんだんとひどくなっているらしく、睡眠時には鼻が詰まって苦しそうだという。耳鼻科へも4回ほど通院されて飲み薬と点鼻薬を処方されたが改善されなかったという 。

最初は、集中的に通院していただき、誤作動反応の消失による症状改善に伴って間隔を少しずつあけながら継続していただいた。途中でぜんそく発作や風邪を引くこともあったが以前よりも治りが早くなっているとのこと。

鼻づまりの症状は10回以上の治療を継続した位から徐々に改善へと向かい、睡眠中の息苦しさも改善されていった。排気ガスや花粉などのアレルゲンに加えて、様々な感情も自律神経系の誤作動につながっていた。

以下のインタビューは改善された後だったが、その約一か月後に幼稚園に入園されてから症状がぶり返したとのことだった。感情面が多くからんでいので、入園という大きな変化でのぶり返しは心配していたが、一度改善されているので、自然治癒力の誤作動は修正しやすくなっているだろう。すぐに原因パターンを消去すれば治りも早くなると思う。

2013年4月30日火曜日

症状のぶり返しには原因がある。

腰痛やアレルギー症状などで、いったん改善したのにぶり返すことがある。慢性腰痛や肩こりなどの筋骨格系の症状などは、特に治療直後に改善される方が多い一方で、次の来院日に症状がぶり返したといわれる患者さんも少なくはない。治療直後に症状が改善されて、症状をぶり返す人と、ぶり返さない人との違いは何だろうか?

治療直後には改善していたにも関わらず、治療が足りなかった、治療に何かが欠けていたと考える患者さんもいるかもしれない。元に戻ったのだから単純に治療効果がなかったと考える患者さんもいるだろう。治療回数を重ねるごとに段々と改善していたのに、ある時、元のような症状がぶり返したときに、悪化したと感じる患者さんもいるかもしれない。

治療直後に痛みの軽減、消失、筋緊張の緩和、バランス異常が改善するということは、施術によって自然治癒力が正常に働くようになったということである。それが元の状態にぶり返すということは、自然治癒力をブロックさせるパターンの学習記憶状態に戻ったということでもある。心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)ではそのように考えて、そのパターンを追跡して本質的な症状の改善を目指す。

ではどのようにそのぶり返しのパターンを追跡すればよいだろうか?まずは、患者さんの治療後の経過を詳しく問診する。症状をぶり返す期間のパターンも様々で、治療院を出てからすぐにぶり返す患者さんもいれば、数か月から数年でぶり返す人もいるだろう。もしも、24時間以内にぶり返したら、基本的な生活のパターンに分けて、そのパターンをイメージしてもらいどのパターンで「緊張パターン」が生じているかを検査する。

例えば、自宅に居る時のイメージで「緊張パターン」を示す場合、職場にいる時のイメージで「緊張パターン」を示す場合など、特定の場面で「緊張パターン」がぶり返されることが多い。場面のイメージで身体が「緊張パターン」を示すということは、脳が誤作動を学習記憶しているということでもあるので、その誤作動が生じないようにそのパターンのイメージで施術を行う。そうすると、その場面で症状がぶり返さないようになる。

このように症状をぶり返したパターンが分かることで、本質的な症状改善の治療ができ、その治療によって、身体がその環境に適応できる体質へと変化して、適応力が高まり、ぶり返しにくくなるといえる。しかしながら、人間は常に環境の変化にさらされており、その変化に伴って、メンタル面も常に変化している。別の原因パターンで同じ症状を繰り返す場合もあるだろうし、もしかすると、それ以来その症状に悩むことはなくなるかもしれない。

以下は一度改善されて、再度ぶり返されて改善した症例のインタビューをご紹介する。

腰痛症のぶり返し例

 
 
花粉症のぶり返し例
 
 
 
 


2013年4月19日金曜日

2013年度PCRT研究会のご案内

昨年、日本整形外科学会と日本腰痛学会は、「腰痛の発症や慢性化には、心理的なストレスが関与しており、画像検査などで原因が特定できない腰痛は、全体の85%以上を占める」との報告書をまとめました。最近では一般向けのテレビや雑誌などで、メンタル面が腰痛や肩こりなど身体症状に影響を及ぼしているという内容の情報が多く報じられるようになってきました。症状の原因が潜在意識と関係しているということがだんだんと一般的になりつつあるようです。

この傾向は、病気の原因を機械構造論で説明するには限界や矛盾があるということが示されています。骨折、脱臼、外傷、あるいは内臓の構造的な欠陥による病気や症状には最先端の現代医療がその力を発揮してくれます。構造の修復や再生医療の発展は目覚ましいものがあります。しかしながらその一方で、診断技術が進めば進むほど原因不明の慢性疾患が増えてきて、対症療法に満足できない患者様も増えてきているのが現状です。

慢性疾患やアレルギー症状などは特に自律神経系の誤作動が心身に学習記憶された結果です。基本的に人間の身体は「自然治癒力」という力を持ち備えていますので、基本的に病気や症状は治るようになっています。その治癒力を止めているモノは何か?それは目には見えない「生体エネルギー」のブロックです。その「生体エネルギーブロック」は肉体面(ハード面)のみの施術で解放できる場合と、メンタル面との関係性(ソフト面)の施術が必要な場合と大きく二通りあります。

感情面が肉体面に影響を及ぼすということが分かると、その原因感情を変えなくてはならないと判断されがちですが、心身条件反射療法では、心と身体の関係性による自律神経系の「誤作動」に注目しその調整を行います。そこが認知行動療法などの心理療法とは異なるところです。関係性による誤作動は有機自然療法の治療者が関わる専門の領域であり、心身条件反射療法は肉体面(ハード面)の施術と心理面(ソフト面)の療法との隙間を埋める施術法です。

私たちは10年以上も前から、「潜在的ストレス」が「生体エネルギーブロック」に多大な影響を与えているということを臨床現場で確証してきました。そして、その症状や治癒力をブロックさせる「潜在的ストレス」に直接働きかける施術法の開発に長年の臨床研究を積み重ねてきました。何万回もの「失敗と成功」を繰り返しながら進化し続け、治療法がシンプルにシステム化されました。そして、その治療法を効率よく教授するトレーニング法も改善を重ねシステム化されてきました。

このような施術法はまだまだ発展途上ではありますが、このような施術法を知らずに、治るはずの病気や慢性症状を抱えて困っていらっしゃる方が全国に大勢います。一人でも多くの人々がご自分の治癒力を信じて健康で豊かな生活ができるように、本質的な施術法を追求する治療者の方々とともに、さらなる研究を積み重ね社会貢献できることを願います。慢性症状で悩んでいる患者さんが改善されることは私たちの喜びであり生きがいです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

http://www.mindbody.jp/article/14791125.html

2013年3月28日木曜日

「治癒力」や「適応力」を最大限に発揮!

毎年、この時期には花粉が話題となりますが、最近ではそれに加えてPM2.5や黄砂などの問題がニュースで毎日のように話題になっていますね。外に出るとマスクをしている人が何か当たり前の光景ように感じてくるようになってきました。ファミリーカイロでも鼻炎や目のかゆみなどのアレルギー症状の検査をしてみると、大気汚染物質や黄砂などによって身体が過敏に反応している人が増えてきていることが分かります。

通常の医学モデルの世界では『有害なモノは避ける』という基本的な考え方があります。「そんなの当然でしょ」という人も多いでしょう。農薬などは害虫を殺すためのものですから明らかに人体に有害なので避けなくてはなりません。しかしながら、今話題になっているPM2.5(微小粒子状物質)などの動物実験による論文報告では、大気中の微小粒子が発がん性に「関与することが示唆される」としているその一方で、濃度や組成が場所により大きく異なることから発がん影響の判定は困難であると結論付けているようです。

今話題のPM2.5で問題なのは「毒性学的影響」よりも、「アレルギー学的影響」でしょう。アレルギー症状は、外からのアレルゲン自体にすべての人が過敏な反応を示すわけではありません。そこには「個人差」、「体質」というものがあります。その過敏度が高ければアレルギー症状に悩まされます。現代医学モデルのアレルギー治療も基本は『有害なモノは避ける』ということが根底にあり、アレルギー症状がある場合はその引き金となるアレルゲンを避けるということが基本的な指導になります。

ファミリーカイロでは身体の過敏症状を引き起こす大気汚染物質のアレルギー情報と身体とを適合させるアレルギー治療を施しています。分かりやすくいうと、身体が感知するアレルゲン情報を身体に慣れさせて、大気汚染物質などのアレルゲンに接しても身体が過剰に反応し過ぎないようにお手伝いする施術になります。治療を継続しながら身体がそのアレルゲンに反応を示さなくなると、鼻炎や目のかゆみなどの症状が改善されてきます。

最近では現代医学でもファミリーカイロの考え方と類似した「アレルゲン免疫療法」や「減感作療法」というアレルゲンを少しずつ身体に投与しながら慣れさせていく療法も注目されてきているようです。人間の身体は「適応力」、「順応力」という、様々な環境に適応しながら生き延びていく力を本来持ち備えています。その力を最大限に引き出して健康維持に役立てましょう。そして、マスクや予防薬を信じるよりも自分の「適応力」をもっと信じられるようになってほしいと考えています。

PM2.5情報、花粉情報、あるいはウイルス情報などの恐怖をあおるような情報に振り回され過ぎて、そのことで生活の質が落ち、健康被害を受けているような感じがするのは私だけでしょうか?このような情報を得ることは自分の健康を守る上で大切なことですが、もっと大事なことは人間の「治癒力」や「適応力」を最大限に発揮させることです。自分の身体を信じて活き活きと安心した心豊かな生活を実現してみませんか?

2013年3月24日日曜日

心理的要因が腰痛に影響するのは当たり前の時代

先日、以前から通院して下さっている患者さんから新聞の切り抜きをいただきました。タイトルは「腰痛 心理ストレスが誘発」。よくまとまった記事だと思います。最近はこのような心理的因子が腰痛に関係しているという記事やテレビ番組がだんだん増えてきているようで、患者さんのほうからその話を聞かせていただいています。

ファミリーカイロでは10年以上も前から心理的因子と身体のバランスの関係性を改善させる治療法の研究を継続してきていますが、ようやく世間一般ではそのことが当たり前になりつつあるように感じます。

とはいっても、医学モデルの影響は根強く、心理的因子が身体に影響を及ぼすということは非科学的だという理由で敬遠する人も少なくはありません。しかし、腰痛に限らず神経系‐筋肉系に関係するバランス異常は、80%以上は心理的因子が関係しているということは否定できない時代になるのではないでしょうか。

筋肉骨格系のバランス調整を目的にする治療者の多くは、心理的因子(ソフト面)は横に置いといて、身体面(ハード面)だけにしか目を向けない傾向があるようですが、将来はさらにソフト面とハード面の関係性に目を向ける治療者が増えてくることが予測されます。

心理的ストレスというと、一般的にはネガティブな感情を思い浮かべる傾向があるかと思いますが、心身条件反射療法(ニューロパターンメソッド)の研究では「喜び」や「意欲」などの肯定的感情も脳の誤作動を生じさせ、神経‐筋肉系のバランスを乱し、コリや痛みの原因になっていることが分かっています。

昔から心身一如といわれるように身体と心は切り離すことはできません。こころはとても複雑ですが、「刺激と反応」という視点でみればとてもシンプルです。ハード面とソフト面の関係性を施術することが当たり前になる時代にさらに貢献できるように、治療者仲間とともに毎日の臨床現場で研究を継続していきたいと願います。

2013年1月29日火曜日

未来への健康創り

 昨年、厚生労働省が発表した2011年の日本人男性の平均寿命は79.44才、女性は85.90才でした。ご自分が80歳になったと想像してみてください。さて、あなたはどのような生活をしているでしょうか?
  • 活き活きと仕事や生活を楽しんでいる?
  • のんびりと生活を楽しんでいる?
  • 介護を受けながら生活を楽しんでいる?
  • 健康不安を抱えながら毎日生活をしている?
  • 病院や施設で介護を受けながら生活をしている?
  • それとも、あの世にいる?
「想像力が未来を創る」と言われています。これは様々な分野で成功体験をした人に共通している考え方です。特に経営者に多いコメントですが、個人の健康面でも同じことが言えると思います。普通の人が未来のことを予測することは困難です。特に自分の健康を予測するなど、困難だと思われるでしょう。もしも、『未来の健康の50%は、「想像力」で決まる。』としたらどうでしょうか?
  • ネガティブタイプの人は、
  • 「80才にもなったら病気で不自由になり誰かの介護を受けているのが普通???」
  • 「○○年先の健康のことは分からない・・・」
  • ポジティブタイプの人は、
  • 「80才の時はまだ現役で働いていますよ・・・」
  • 「80才の時は健康で元気に生活を楽しんでいますよ・・・」
さて、あなたはどちらのタイプに傾いているでしょうか?
「健康」は与えられるものではなく、自らが創り出すものです。「健康」は、基本的にメンタル面が50%、肉体面が25%、栄養面が25%だとすると、
  •  メンタル面では、気持ちが未来に向いてポジティブに考えているか?
  •  肉体面では、生活習慣の中に何らかの運動を取り入れているか?
  •  栄養面では、食習慣のバランス(質、量、タイミング)がとれているか?
そして、身体の不調を感じたら、それが当たり前にならないように早めにケアをしましょう。健康診断を受けることも大切ですが、ご自分の体調不良をご自分の感覚で感じ取ることも大切です。体調不良を正確に感じ取るとるために運動などで身体を動かして確かめましょう。
  • 様々な方向に身体を動かして痛みや違和感はありませんか?
  • おなかを押えて痛みや違和感はありませんか?
  • 毎日、熟睡できていますか?途中で目が覚めたり、朝が辛かったりなどの症状はありませんか?
  • 食欲はありますか?
  • おいしく食べていますか?
  • 便通はどうですか?
基本的なことですが、万病は小さな症状から始まります。未来の健康創りはご自分の身体感覚をしっかりと感じ取ることから始まります。

体調不良を感じたら、それが当たり前にならないようにお早めにご相談ください。
 

2013年1月23日水曜日

頻尿の改善

6歳の男の子が頻尿でお母様に連れられて来院。一年ほど前から始まり、時々治っていたが完治しないとのこと。何かの集中している時にはトイレに行かないが、落ち着かないときには3分おきぐらいでトイレに行くという。

6か月前に小児科に行ったが、自然に治るので気にしなくていいといわれたとのこと。

日常生活では、保育園での散歩や遠足などでトイレがないところに行くような行事は不安で嫌がっている。検査では、「喜び」や「恐れ」の感情が絡んでおり、特に「恐れ」の感情は色々と絡んでいたのでニューロパターンセラピーを施した。

また、今までトイレに行かなくてはならないという学習が強化されているので、家ではトイレを我慢する訓練を治療と並行して行っていただくように、お母様にご指導させていただいた。

恐らく、お子さんが頻尿になると、周りの家族も心配して、「トレイにいかなくていい?」と声をかけることも多かっただろう。今度は、トイレに行かなくてもある程度は我慢できるということに自信が持てるようにご家族の協力も治療と並行して必要になる。

無意識的なスイッチと同様に意識的なコントロールも必要で、コントロールできる自分に自信を持てるように導いていく。

また、主訴ではなかったが、来院時にはいつも鼻づまり苦しそうだったので、鼻炎の治療を合わせて行った。数回の治療でしてきた様子で、以降の来院時では鼻の通りもよくなっていた。

5回目の施術を終えてお母様にインタビューさせていただいた。


2013年1月22日火曜日

「ポジティブな感情」が及ぼす影響

長年バトミントンをされていた患者さんが来院。最初は肩こりと親指の付け根の痛みを訴えて来院。検査をしてみると頸部を伸展すると痛みが強く、バトミントンの練習でも上を向くのがつらいとのこと。特に朝に痛みを感じるらしい。

検査をして本人が訴えるよりもかなり良くない状態だという印象を受けた。また、病院や整骨院を受診されたが変化が感じられないとのことだった。

最初の2回の施術では、肉体面だけのバランス治療を行い、3回目の施術ではメンタル面との関係性を検査して施術を行った。特に朝に痛みを感じるということから、おそらく寝ている間に無意識に身体が緊張して朝痛いのだろうという経験的に推測した。

そこで身体の緊張を引き起こしているメンタル面に関連した誤作動のパターンを検査してみると「連帯感」と「喜び」という肯定的なストレスパターンが示されたので、関連する内容を患者さんにイメージしてもらいニューロパターンセラピーを施した。

それから4回目、5回目では経過が良く、5回目の施術日には、前回のバトミントンの試合でいいパフォーマンスができましたとのご報告をいただいた。

以下がそのインタビュー内容です。

ストレスが関節の慢性的な痛みなどに関わるということが、メディアでも取り上げられるようになってきた。しかし、ストレスというと一般的には「ネガティブな感情」だと思われがちだが、「喜び」や「意欲」といった肯定的な感情もストレス=刺激として身体に学習記憶され症状につながることも少なくはない。

将来は、「ポジティブな感情」も心身相関的に身体に影響を及ぼすということが当たり前に語られる時代が来るだろう。

2013年1月21日月曜日

健康を制限する信念

先日、以下のコメントを患者様からいたただきました。

『先日は遠隔治療ありがとうございました。「信念」について気づかされました。10年前のパニック症以来、「用事を減らすようにして楽な予定を組んで病気を治そう」という考えが思考、行動を制限し、新たな信念を再構築してしまっていた様です。信念と聞くと「特別な思い」を連想しますが、日常生活がその信念のうえに成り立っていたことにはこのアドバイス無しでは気づかなかったし、多くの不調の根本原因が、誤った方向へ再構築された「信念」によるものだったとは予想外でした。・・・もちろん仕事の量を減らしたり趣味の時間を減らしたりして楽な予定の中で病気を完治させたいというのは自分の意思でやっていたのですが、そこに新たな信念が再構築されて悪影響を与えていたとは指摘されるまで全く気づかなかったことです。これから新たに健全な信念を再構築できればかなりの進展が期待できそうです。
それと、治療後は調子良く翌日は自由に行動できました(最近多い胃の症状等も全く出ませんでした)これからもファミリーカイロの力を借りて柔軟な適応力を見に付けていきたいと思います。』

胃腸の症状が強く、吐き気などの体調不良で外に出るのが困難で、コーチングを取り入れた遠隔治療を2回ほどさせていただいだきました。いくつかの反応が示されましたが、仕事に対する「意欲」と体調不良に対する「恐れ」が葛藤して自律神経が乱れていたようです。

簡単にいえば、「頑張りたいけれど頑張れない」という板挟みの状態で、その背後には「無理をすると以前のパニック症状の状態に戻ってしまう」というような信念体系があった様子。

人間という生き物は、肉体的にも精神的にも様々な刺激を受けて、それをスパイスに、そして刺激をエネルギーに転換して自然環境に適応して活かされています。

大自然の中で何十年も何百年も生き続けている大木は、雨、風、台風、日照り、など様々な刺激を受けて変化し、適応しながら活かされています。その大自然の刺激は、生命力を高めるうえで必要であり、その刺激がなくなれば木は弱くなってくるでしょう。

大自然は常に厳しさと優しさを持ち備えています。人間を取り巻く環境も常に厳しさを優しさ備えているのが自然です。常に優しさを求めて自分を過保護にしてしまうと、人間は自然の環境に適応できずに抵抗力を失い弱ってくるでしょう。

健康を維持していくためには内向きより外向きです。時には内向きに自分を内観することも必要ですが、意識を外に向けてその刺激をしっかり受け止められるようにメンタル面も行動面も外向きになることで、心も身体も鍛えられ、抵抗力がついて環境に柔軟に適応できるでしょう。

 
健康を守ると思い込んでいた「信念」が、実は自分を様々なルールで縛り、不健康にさせる信念だったということが多々あります。健康や幸福のために持ち続けている信念が、実は「自然の法則」にそぐわずに、健康や幸福に制限をかけていたかもしれません。

2013年1月20日日曜日

イップスの改善例

4年前より卓球の試合でサーブの時にイップスの症状を感じるようになる。それからだんだんとフォワーやバックハンドなどもうまくいかなくなり悪循環になっていたとのこと。

来院時にはその症状がだんだんとひどくなってきているような気がしていたとのことで、試合のことを考えただけでドキドキして掌に汗をかくほどになっていた。試合では常に緊張し、頭がパニックになることもあったらしい。

イップスの治療をはじめて、消去法のように誤作動のパターンを消去し、試合でも徐々に本来の自分のパフォーマンスを取り戻してきている印象を受けた。

しかしながら、10回目の施術では少し後ずさりした。ランキングが決まる大事な試合が控えているとのことで、その試合のイメージをして検査をさせていただくと緊張パターンが示された。そして、試合全体に対するモチベーションも下がっていると、以前は訴えていなかったメンタル面の感情もでてきているとのことでもあった。

そこでコーチングのスキルを導入して、色々と質問させていただき、二ユーロパターンセラピーを施した。そして、11回目の施術では、「勝つか、負けるか」のところで再度、緊張パターンの反応が示されていたので、「勝った後に得られるものは何ですか?」と質問させていただいたところ、クライアントさんはしばらく考えられて、「自己実現」という答えが返ってきた。

これは経験的推測だが、そうなると、試合は自己実現のための「通過点」になるので、勝っても負けても自己実現のためになるということになる。施術後は試合の緊張パターンも消え、ご自分の気づきも腑に落ちた感じだった。

そして、次の来院時にご報告していただいた内容によると、その試合では決勝戦まで進んだとのこと。決勝戦では相手に負けはしたものの本来の自分、イップス症状の前の自分を取り戻せた感じがしたとのコメントといただいた。

ダブルスも含めて7試合も試合をしたとのことだったが、イップスの症状はなく、試合全般的な緊張が身体に残っていた。すがすがしい疲れが身体に残った感じかもしれない。

その患者さんに12回目の施術後のインタビューをさせていただいた。




2013年1月19日土曜日

表情筋の施術で顔が左右対称に

40代前半の女性が足のしびれと胸の痛みで来院。

足のしびれは3~4年ほど前より症状が出たり消えたりしていたとのこと。今回は5日前よりひどくなっているようでずーっとしびれている状態。しびれは時々の頻度で、だんだんとひどくなってきている感じがするらしい。

胸のいたみはでたり、でなかったりで、病院の検査では特に異常が見つからず安静を指導されたとのこと。

一回目の施術では、特にしびれ感の症状にフォーカスして施術を行い、2回目の施術でほぼ改善された様子だった。そして、患者さんの主訴には含まれていなかったが、左顔面の表情筋のエネルギーブロックの反応が示され、表情筋のバランス異常の施術も行った。

その後、胸のつかえ感などの施術を行った。

恐らく表情筋の症状に関しては、長年当たり前になっていた様子。写真を撮るときには右側の顔面が引きつっていたらしい。それがファミリーカイロでの治療後には左右対称になったとのことで喜んでいただいた。

表情筋の施術ができること自体あまり知られていないが、顔の表情筋のバランスは他の筋肉の調整と同様に大切である。顔の表情を創る顔面の筋肉もたくさん分かれており、それぞれの筋肉がバランスよく働いてくれることで豊かな表情を作っている。

ご自分で鏡を見て、顔の表情がどこかおかしいと感じる時は早めにバランス調整をすることをお勧めします。顔の表情が変化することでメンタル面にもいい変化が生じるかもしれません。

顔の表情やバランスが気になるときはお気軽にご相談してください。